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- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003228319
感想・レビュー・書評
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みすず書房の川本静子訳『ロンゲスト・ジャーニー』を読んでからこちらの高橋和久訳と読み比べた、といっても難解なのは同じだった。頂が雲に隠れて見えない山の麓で、あっちから見上げたりこっちから見上げたりしてみてもやっぱり全体像はわからず、といったような。
特にこの上巻に収められている第一部「ケンブリッジ」は話も進まずつらいのだが、再読だとさすがに「あ、これはあそこに繋がるのだな」というのが多少は見える。冒頭の議論の、牛の実在と非実在の問題はこの小説の第一の主題そのもの。ミセス・フェイリングは登場場面から「大地」を警戒している。紅茶カップの象徴性。などなど。
いずれにせよこの小説は単体で楽しむというよりは、他の作品では底流に潜んで見えにくいフォースターの思想のようなものを探る手助けとして読むのがいいのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
その女と結婚したら駄目だろうフラグが立ちまくりですね。
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