船出 (上) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2017年1月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784003229125

みんなの感想まとめ

多様な登場人物が織り成す複雑な人間関係を描いた作品は、視点の切り替わりが多く、初めは誰が誰なのかを把握しづらい印象を与えます。それでも、登場人物が限られた場面での対話は非常に興味深く、深い洞察をもたら...

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物が多く、それでいてどういう人物なのかについて説明が登場時にない。そのため、今誰がこの場にいてこの話してる人たちはどういう関係なのかを掴みづらい場面が多かった。視点の切り替わりの多い群像劇は読みづらいので小説を書く際には避けたほうがいいという話がよくあるが、それを実感させられた。しかし、登場人物が限定されている場面での掛け合いは非常に面白い。

  • 「つまり問題は、君と本当に話せるか、ということなんだ。君に理性が備わっているのか、それとも他の女性と同じなのか?」
    「(本を貸すのは構わないが)君はその価値がわかるというのかい?(エドワード・)ギボンが試金石だ。女性となると、言い当てるのが非常に難しい。つまり、わからないのは、訓練が欠けているのか、生まれつき無能力だからか、自分には見当がつかない。ただ君がいかに愚かな生活をしてきたかと想像できる。長い列を作ってぞろぞろ歩いてきただけ」即座に頰っぺたつねるぞ。どの口がゆうてるの!

  • 他の人のレビューにあるとおり、ウルフの処女作にしてウルフ要素があれこれ入っている。ダロウェイ夫人が「二度と会わないだろう人」として冒頭に出てくる。
    主人公のレイチェルはウルフ自身ではなく「世間知らずの(矯正されるべきという批判を込めた)若い女性」なんだろうと思ったが、ウルフがこれを書いたのは33歳か。やはり24歳のレイチェルよりは年上。若い女性の恋を19世紀小説ぽく読めてリーダブルではあるが、恋の最中に死んでしまう(まさかね!)ので成長しきらずに終わってしまうのが物足りなくはある。
    相手として、高慢で醜いハーストとイケメン(らしい)ヒューウェット、前者を選んでいたらもっと面白かったのに。
    これはヒューウェットの台詞。「家の中で女性たちはいったい何をしているのか(中略)ぼくらはいつも女性について書いているー罵倒したり、からかったり、あるいは崇め奉って。しかし、女性自身から来る言葉は何もない。」「表に出るのは男の見たこと、考えたことばかり、そうだろう?(中略)血が煮えくり返らないかい?もしぼくが女なら、銃で頭を打ち抜いてやる。きみらも僕らを嘲笑っているんじゃないかい?まったくもってばかげていると思わないかい?」

  • ウルフのスタートって実はジェイン・オースティンだったのか、と。以後の作品のイメージで、もっと新しい作家だと思っていたが、このデビュー作は想像に反して古典の流れを強く汲んでいるように感じた。

  • 感想は下巻で。

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著者プロフィール

1882年ロンドン生まれ。1915年に小説『船出』でデビューし、その後『昼と夜』『ジェイコブの部屋』『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『オーランドー』『波』『歳月』『幕間』と書き継ぐ。エッセイ『自分ひとりの部屋』『三ギニー』でも知られる。著作のほとんどは、夫とともに設立したホガース・プレス社から刊行された。10代以降、たびたび心身の不調に苦しめられ、1941年に自死。

「2024年 『月曜か火曜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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