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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784003229422
感想・レビュー・書評
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1930年代に書かれた紀行物。
当時のイングランドの街並みや人、社会、文化が垣間見れる。
女性労働者に関する記述がいかにも男性の視点から書かれたものという感じで興味深かった。曰く、仕事に対して期待せず、個人的進取の気性がすくなく、受け身の退屈に我慢強いのは女性の性質らしい。本当に馬鹿げた話だが、政治に関心のある一般的な教養を身につけた作家でも、社会構造の欠陥によって彼女たちが単調で安価な仕事に就かざるを得なかったとは思いもよらなかったらしい。自分がどれだけ高い下駄を履かせてもらっているのか、履いている本人は気が付かないものだ。
と、こんな感じで異なる階級や性別、文化圏に対する無知と無自覚の蔑視が見え隠れするので、読んでてちょいちょいイラッとさせられる。
とはいえ、当時の様子や価値観を知ることができるという点で、面白い読み物である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カフェで読むのなら上巻。バーミンガムでの正直な述懐にまず好感。レスターでの、タイプライターの製造を見学するシーンなども、1930年代という暗い時代をほのかに照らす松明のよう。
「タイプライターを使って書いた小説ではなく、タイプライターが書いた小説があればどんなにいいだろう」(p.175)。
プリーストリーは旅路の途中、ブラッドフォード砲兵大隊の同期会に参加します。上巻でのハイライトです。第一次大戦で失った戦友たちを偲んで、
「たくさんの夢だけが生き生きとしていて、死者たちはその中を何気なく通り過ぎる。若き戦士たちは笑いかけながら通り過ぎていく」(p.236)
というくだりなど、紀行文としての重みがあります。
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