アルハンブラ物語 上 (岩波文庫 赤 302-2)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003230220

感想・レビュー・書評

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  • 1800年代にアメリカ人外交官の作者がスペイン滞在時に体験した旅の紀行文。アルハンブラ宮殿に到着してからは、そこに住ませてもらえることになり(!)宮殿の歴史や言い伝え等について語られます。

    歴史的建造物を観光すると、誰しも何百年も過去の人々に思いを馳せたりするものですが、アーヴィングはその表現の仕方がとても美しい。まるで幻視のように過去の光景が立ち現れ、夢から醒めるようにふっと我に返る感じ、すごく伝わってきます。

    個人的にはスペインには数年前に旅行に行って、アルハンブラ宮殿も訪れその美しさに大感激したので、懐かしく思い出しながら読みつつ、行く前に読んでたらもっと現地で楽しめたかもとちょっと後悔。でもまあ逆に、行ったことがあるからこそリアルにイメージできる部分もあるので、それはそれでいいのかな。スペインではおもにガウディの建築物を見て回ったのですが、国自体のなりたちや歴史についてはほとんど勉強しておらず、そのへんもこの本を読んで初めて知ることがたくさんありました。

  • いろいろとロマンに満ち溢れております。素材だけでなく、描写も綺麗。妄想を刺激する要素もたくさんあるので、何度か読み返して拾い上げたいものです。

  • 『アルハンブラの思い出』を聴きながら、遠いスペインの地グラナダのアルハンブラ宮殿に想いを馳せる。著者がアルハンブラ宮殿を訪れ幸運なことから主となり宮殿の歴史や逸話を語る紀行&滞在記。宮殿内の建物や広場の描写やまた挿し絵が素晴らしく、宮殿内の住人のエピソードも楽しいし、著者が言うように幻想的で魔法のかかった宮殿を歩いているようだった。ネットで宮殿の詳細を調べたり、埃をかぶった世界遺産のDVDを引っ張り出して観て、もう虜になっている。一度は訪れたい、というか行くよ。絶対に!下巻も楽しみだ。

  • 久しぶりにとても面白い本に出会った。
    アルハンブラの魅力もさることながら、訳者の見事さよ!

  • 長い
    庭園の描写や絵が美しい

  • レヴュは下巻にて。

  • 2/5 読了。

  • タイムマシンが欲しくなった。

  • 2014/4/23
    ようやく読み終わった。グラナダ周辺の歴史が多い上巻に較べると下巻はおとぎ話てきな伝承中心なので読みやすい。
    この本、多分文学的価値はそれほどでもないんだろうけど、全編に著者のアルハンブラ愛が流れてて今すぐスペインに行きたくなります。危険w行く予定のない人は読まない方がいいかも。ああでも柘榴や天人花の生い茂る緑に囲まれたイスラムの香り高い宮殿で、うっとり午睡してる気分には浸れるので現実逃避には良いかもです。

  • アメリカ公使館書記官であるアーヴィングは1820年代にグラナダを訪れ、荒れ果てたアルハンブラ宮殿に滞在した。その日々を幻想的な伝承を織りまぜながら語った本。上巻は歴史や建物、グラナダでの暮らしにまつわるが多い。
    アルハンブラ宮殿を築城した王アルハマールは、戦争で持ちこたえられないと判断した後、カスティーリャの君主であるフェルナンド聖王に帰服し主従関係を結んだ。つまりイスラム教の領主がキリスト教の領主に仕えた。意外なのは、キリスト教とイスラム教の領主が同盟や主従関係を結び十字旗と新月旗を並べて、共通の敵である他の領主と戦争するのは別に珍しくなかったということ。最初から延々と宗教間での争いをしていたと思っていたが、そうではないらしい。分かりやすい二元論は後からの解釈だった。

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