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Amazon.co.jp ・本 (442ページ) / ISBN・EAN: 9784003230237
みんなの感想まとめ
ファンタジーと歴史が交錯する魅力的な物語が展開されます。下巻では、歴史的背景を踏まえた多彩な伝説が収められ、閉じ込められた王子や魔法をかけられた兵士、埋められた財宝など、エキゾチックな要素が豊かに描か...
感想・レビュー・書評
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上巻は歴史の話が中心でしたが、下巻は蒐集された伝説が多めの印象。閉じ込められた王子様やお姫様、魔法をかけられた兵士たち、洞窟に住む魔術師、埋められた財宝、実際の歴史との絡みもありつつ、ファンタスティックでエキゾチックな伝説の数々はどれもとても魅力的です。
スペインというとざっくりヨーロッパの国のひとつ、と思っていましたが、位置的に海を挟んでモロッコがあり、そちら方面からの影響もとても強いんですね。イスラム教勢力とキリスト教勢力の間での戦いが長く続き、アルハンブラ宮殿も元はイスラムの支配時代に築かれたものゆえ、独特のオリエンタルな建築になっていて、そこに残る伝説の類いもヨーロッパ的というよりはそこはかとなくアラビアンナイト風な趣きでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
19世紀。スペイン旅行中のアーヴィングはグラナダを訪れ、アルハンブラ宮殿に滞在するという幸運に恵まれた。スペイン語に堪能だった彼は、代々城塞内で暮らしてきた人びとの語りや図書館に残る古文書を紐解き、在りし日のイスラム王朝の姿と今もグラナダに伝わる黄金伝説を書き綴り、旅の記録と共に異国情緒あふれるおとぎ話をアメリカに紹介した。時空を超えた旅行記。
再読。一度はイスラムが全域を支配し、その後700年以上をかけてキリスト教に再征服(レコンキスタ)された歴史を持つイベリア半島。カトリシズムとイスラム文化の混淆、そして険しい山々が生みだした物語とそれを語る人びとの騎士道精神に満ちた気風を、アメリカ人のアーヴィング目線できらきらと活写している。
改めて読むと文章が上手い。訳が良いのはもちろんとして、アーヴィングって原文も読みやすそう。アルハンブラ内をぶらつくアーヴィング自身の滞在記と、現地の人びとから聞き書きした物語が交互に語られる構成が良い。読者は彼と共に城塞を彷徨い、それぞれの部屋に残された記憶や古老の問わず語りに耳を傾ける。〈世界遺産〉という概念が生まれる前のアルハンブラは、廃墟好きだけが訪れるひっそりとした観光地だったらしい。夜の宮殿内をうろつき、手入れされずに荒れた庭を眺めるアーヴィングの心境が肝試しから徐々に幻想的な過去の世界へと入り込んでいくのと同じくして、読者も「アラビアンナイト風の」魔法の物語に誘われていく。
どこまでがアーヴィングの創作なのかはわからないが、「アラブの占星術の伝説」の後日譚が「二体の思慮深いニンフの像の伝説」だったりと構成がしっかりしている。鳥語を話せる王子がフクロウとオウムをお供に旅する「アフメッド・アル・カーミル王子の伝説」はコミカルで可愛く、二つの宗教の狭間に揺れた悲劇のヒロインの伝説が18世紀イタリアの音楽家パガニーニのヴァイオリンに接続される「アルハンブラの薔薇の伝説」も面白い。かつて異教徒の土地だった証が山の上に堂々と残り続けているからこそ、魔法がまだ生きていると信じられていた場所。〈アーヴィングのアルハンブラ〉という幻想の土地への旅を楽しませてもらった。 -
幻想的な雰囲気にはまった 棺に入れてもらう本に決めてます
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上巻よりも伝説の収録が多くて、千夜一夜物語的な世界を楽しめました。スペインの昔話として馴染みのあるストーリーもいくつかあって、なんとなく懐かしい気持ちにもなったり。描写もやっぱり好みだなあ。描き出される風景もどこか懐かしさがある気がしました。
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上巻に引き続きアルハンブラ宮殿にまつわる伝説や物語が散り並べられている。地下に眠る金銀財宝、王女にまつわる伝説、幻想的な世界はアラビアンナイトの雰囲気が漂う。いつかグラナダを訪れてみたい。
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上巻より面白かった!!
作者が出会った人たちとの交流や、彼らから聞いた伝説や噂話などが盛り沢山。グラナダに行きたいな〜。アルハンブラ宮殿に行ってみたいな〜。 -
442P
「聖書の時代からアンダルシア地方のような暑さの厳しい地域は、噴水や井戸の周りというのは人々が気軽に集まって心地よく憩い、お喋りに興じる場で、件の「水槽の広場」にも病床の身の輩や年老いたおばあちゃんたち、アルハンブラ宮殿の城塞に棲む怠け者たち、そして物事を仔細に穿鑿する下劣な連中が集まり、いわば一日を愉快に楽しむ社交場として長くその役割を果たしてきたのだ。そういった連中は通行税の徴収所よろしく、井戸を日除けシェードで覆う石製のベンチの下に座って城内のたわいもない話題に花を咲かせたり、ここを往来する水運搬人からはグラナダの街の様子を伺ったりして無為な時間を過ごすのである。そうしたいろんな見聞を交えた井戸端会議は、あれこれの長い注釈抜きには終わらない。そこいら辺でいつも油を売っている女将さん連中や家事手伝いの娘さんたちは水瓶を頭の上に乗せたり、あるいは手に持って運ぼうとしているのだが、その道中でいつの間にか雄弁なお歴々の話に引き留められてしまう。およそ、そんな具合なのだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「たとえば、フランスにおいては、靴みがきと言えばすべてサヴォワの出身者と相場が決まっているし、ホテルのポーターはすべてスイス人である。イギリスでもそうだろうが、スカートを膨らませたフープスカートやヘアーパウダーが流行した時代には、彼女らを乗せた旧式の輿をリズミカルに操れるのは、熟練したアイルランド人を除いて他にいないだろう。それと同じようなことがスペインでも言える。水運搬人や荷物運搬人と言えば、そのすべてはイベリア半島出身の頑強で小柄なガリシア人である。だから、彼らに声をかける場合には、「ポーターさんを呼んでくれ!」とは言わずに、「おーい! ガリェゴを呼んでくれ!」と言うのが日常の光景である。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「すなわち、愛とは努力と喜びを重ねて勝ち取るものなのだ。硬くて痩せた畑に生える雑草ほど繁殖力が強いと言われる所以だ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「伯母のフレデゴンダは、とても用心深く思慮深い高齢の女性であった。長く独身生活を送るうちに、男なんてみんな信用できないし、自分を脅かす怖い存在だという観念が次第に身に付いてしまったのだろう。何れの天の采配か、彼女特有の容姿や風貌に惹かれてその聖域にむやみに立ち入るような強者はおらず、ある意味では男の悪辣な企みから逃れてきたと言えるだろう。だが、この善良な淑女は自分のことは別にしても、身近にいる初心な乙女に対してある種の危険が差し迫れば、それから守ろうとして格別の注意を向け過剰な気遣いを施すきらいがあった。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「フレデゴンダの姪のハシンタは、名誉の戦死を遂げたある武官の遺児であった。彼女は修道院での教育を経て、最近、そこから引き取られ伯母の直接の庇護を受けて暮らすようになったのだ。懇篤な伯母の許で恵まれた教育環境を享受しながら、まるで茨の木陰の下に花開いて輝く一輪のバラのように人知れず美しく成長したのである。この表現は必ずしも気まぐれに綴った比喩という訳でもない。つまり正直に打ち明ければ、いかに楚々と咲いていても、思わず触れてみたくなるような瑞々しく曙の女神の如き優雅な美しさは、見るものの目を釘付けにして離さなかったからだ。しかるに、この界隈の農夫たちはアンダルシア人特有の詩的な表現で「アルハンブラのバラ」と彼女を呼んだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「「大丈夫ですよ。きっとその悲しみに終わりを告げる日が来るでしょう。告白すれば、私はムーアの王女です。終わってしまった過去の話で恐縮ですが、私もあなたと同様に良き恋愛に恵まれなかった者の一人です。あなたのご先祖様に当たるお方でしたが、一人のキリスト教徒の騎士が私の心を射止め、私を故国に連れ帰りキリスト教の福音に帰依させたいと言いました。私は心の中ではキリスト教を信仰していましたが、ただ勇気をもってその信仰に倣うことができず、まごまごしているうちにタイミングを失ってしまったんです。邪悪な精霊たちは魔力と威力を見せつけて、私をこの塔の中に幽閉したままです。信仰心の厚いキリスト教徒がここに来て、その魔呪を解いてくれない限り、私はここに留まることになるのよ。あなたならそれができるかしら?」」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「アルハンブラ宮殿の滞在もいよいよ終盤を迎える頃になると、私は度々丘を下ってグラナダ大学附属のイエズス会図書館へと足を運んだ。そこにはスペインの歴史に関する羊皮紙装の古い本が幾冊もあり、それらはますます私の興味をそそり立てた。こんな風にイベリア半島にイスラム勢力の繁栄の拠点を築いた時代を扱った貴重で興味深い歴史書に巡り合えてとても嬉しかった。イスラム教徒たちには一歩も妥協せず毅然とした態度で立ち向う胆力があるばかりでなく、時として狭量で排他的なものの考え方をする人々も多いが、一方で気高い所作と寛容な姿勢も堅持していたのだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「アラブ民族の侵略と征服によって、ゴート族系のスペインの民は高度な文明を築くことができたし、論理的な思考力を磨くこともできた。彼らは機知に富み、賢く、聡明で矜持に溢れ、詩を嗜む人という、そんな素養を身に付けた民族であった。しかもオリエント諸国の学問と文芸にも深く精通していた。アラブ民族の支配が及んだ土地は、何処も学問や芸術が盛んになり、征服された先住のスペインの民は、万事において啓蒙され洗練される機会を与えられたことになる。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「このようにして、イベリア半島は幾世紀にもわたってキリスト教徒とイスラム教徒が互いに激しい攻防を繰り返す歴史的な戦の舞台となったのである。そうなると、軍事における戦略や戦術を磨くことが男子の主たる仕事と考えられるようになった。それがいつの間にか勇気とロマンに満ち溢れた騎士道精神の発露へと繫がったのだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「確かに、スペインという国は、現在でも他のヨーロッパ諸国とは趣を異にしている。その歴史や風習や風俗、そして思考方法もしかりである。スペインは歴史ロマン漂う国である。ただし、そのロマンは時代を席捲したヨーロッパ系の感傷的な色彩を帯びたロマンとは異なる。スペインのそれは、主に輝かしいオリエント諸国に原点を求めることができるのではないだろうか。つまり、それは揺るがざる高邁な精神に貫かれたサラセンの騎士道に由来するものであろう。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「概ね、そのような状況や傾向になりやすいのである。だから、赤貧に喘ぎながらも大紳士たる気高い風格を繕おうとするのだ。業種においても、手工業などに従事する労働者や下々の儲け仕事の類を酷く侮蔑する傾向が強い。しかし、このような慢心の戯れが実体のない思い込みに人生を支配させる一方で、自虐と卑屈の底から高みへ救い上げてくれることもある。貧困と戦いながらも、決して卑屈にならないのだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「今日では大衆文学が低俗な代物に成り下がり、人の堕落行為や愚行に悦び耽るような様相を呈する時代である。そして、世の中の歯車は利得を尊ぶあまり、詩的な情操の芽を摘み取り、萌える魂の瑞々しさを喪失させてしまっている。そういう時世だからこそ、活気に溢れ誇り高き志を持ち、崇高な思想に憩うことのできた古い年代記に触れながら、昔のスペイン人の騎士道的なロマンの世界に浸ることも一興であろう。 すでに冒頭でも触れたように、ある日の朝、私はグラナダ大学附属のイエズス会図書館で読書によって一人静かに沈思黙考に耽った。ここにそのささやかな成果の前置きを添えて、古い歴史書から抜粋した一つの物語を読者の皆様にご披露させていただきたいと思う。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「グラナダという土地では男も女も詩歌を嗜むという文化的な教養を高めるような環境が醸成されているのだ。アッシャカンディの言葉を引けばこうである。「仮に、アラーの神がグラナダの地に多くの魅力溢れる優れた女流詩人を誕生させただけであったとしても、その名声は世に轟き、またその栄光は不動のものとなったであろう」 そうした閨秀の誉れ高い詩人たちの中で、最も有名な存在はハフサである。当時の歴史学者はこのように語る。美しさ、詩才、気高さ、富、そのいずれをとっても他の追随を許さなかったと。残念なことに、彼女の詩と言えば、マウマルの庭園で恋人のアフメッドと一緒に過ごした一夕を歌った彼宛ての数節ぐらいしか現存していない。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「視線を泳がせたその先には、自分と同様に孤独感を漂わせながら、ぽつんと佇んでいる男が目に映った。その男は厳つい顔に白いものの交じる髭を生やした背の高い兵士だった。向こうのザクロの木を模した石造りの柱の傍らで歩哨の任務に就いていたようだ。その顔には、長年の風雪に耐えたような青銅色の艶が滲み出ていた。スペイン風の古い甲冑で身を装い、盾と槍を携えて、まるで彫像のように身動きもせず佇んでいた。驚いたことに、酷く場違いな格好に見えるにもかかわらず、ほとんどぶつかるほど近くを通り過ぎる群衆の誰一人としてこの学生の存在にまったく気付かないのだ。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「アーヴィングの全作品中で『スケッチ・ブック』と並んで、今なお世界中で広く読まれているもう一つの作品は、疑いもなく『アルハンブラ物語』であろう。これはスケッチ風の紀行と伝承に基づく民話風の物語を見事に融合した異色の傑作で、さすがに〈スペインのスケッチ・ブック〉と呼ばれるだけあり、スペイン国内でも Cuentos De La Alhambraの標題で依然として根強い人気を誇っている。グラナダのアルハンブラ宮殿はアーヴィングにとって、まさに最高の文学的な素材であり、この物語はその豊かな識見と作家の手腕が冴えわたった上質な作品であると言える。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「その叙述が過度に小説的となれば歴史書としての価値は減じられるであろうし、一方、史実との隔たりが真実性を損なわないものであれば、自在闊達な筆致は読者の歓迎するところだろう。『アルハンブラ物語』に関して言えば、史実に立脚した歴史書の科学性ではなく、そこには鳥瞰と虫瞰の妙を駆使して、文学はどこまで歴史叙述足り得るのかという表現の巧みさを信条としたアーヴィングの一種独特の世界が鮮やかに描写されている。現在もその人気が衰えていないことは、スペインのどこへ行っても、この本を見かけるし、英語版やスペイン語版の他に日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語版なども、いたるところで販売されているという事実からも窺える。写真や図録などを多数盛り込んだ豪華本を含め、その品揃えの充実度は凄まじい限りである。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「その叙述が過度に小説的となれば歴史書としての価値は減じられるであろうし、一方、史実との隔たりが真実性を損なわないものであれば、自在闊達な筆致は読者の歓迎するところだろう。『アルハンブラ物語』に関して言えば、史実に立脚した歴史書の科学性ではなく、そこには鳥瞰と虫瞰の妙を駆使して、文学はどこまで歴史叙述足り得るのかという表現の巧みさを信条としたアーヴィングの一種独特の世界が鮮やかに描写されている。現在もその人気が衰えていないことは、スペインのどこへ行っても、この本を見かけるし、英語版やスペイン語版の他に日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語版なども、いたるところで販売されているという事実からも窺える。写真や図録などを多数盛り込んだ豪華本を含め、その品揃えの充実度は凄まじい限りである。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
「私にとってアメリカ文学史を華麗に彩るこの珠玉の名品の翻訳は、遥か遠い昔にアルハンブラ宮殿を訪れた時の甘く切ない郷愁と追憶に耽る機会でもあった。アルハンブラ宮殿の歴史的系譜と様々な伝説の全貌を描き出した奥義書とも言うべき『アルハンブラ物語』をしみじみとノスタルジックな気分に包まれながら読むにつけて、色褪せることのない記憶の中からグラナダの神秘的で美しい風景がそっと甦ってきた。やがて、アーヴィングの温もりのある柔らかな筆致で叙情的に紡がれたこの物語の世界にどっぷり浸り、ゆるやかな時の流れに身を委ねた。そして、いつとはなしに神々の集うアルハンブラ宮殿という魅惑の楽園を彷徨ういにしえの旅人になっていた。」
—『アルハンブラ物語 (光文社古典新訳文庫)』W・アーヴィング著
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▶図書館にあり。びっくり。
●2025年4月28日(月)、またYahooフリマのクーポン出た。Yahooフリマから過去にいいねした「ダーク・タワー 2 運命の三人(新潮文庫)/スティーヴン・キング」の上下セットが値下げされた通知がきて(2冊で420円)、その方のほかの出品も見てたら、これの初版が上下セットで800円で売られてた。評価が高いのでチェック! -
アンダルシア旅行の読書として最高だった。
上巻は著者の旅行記的な要素が強かったが、下巻は彼がアルハンブラとグラナダの住人達から採録した当地伝来の物語/伝説集といった感じ。グラナダの住人たちにとっては父祖の代から語り伝えられてきた数々の伝説は、日本に例えると平家落ち武者伝説や、源義経がモンゴルに渡った伝説のようなものか。ただ、アルハンブラというの城塞に積み重なる歴史の厚さを反映し、かつての為政者であるイスラム貴族モーロ人の財宝に関係する物語や、騎士の戦いや亡霊に関する物語が多かった。
倹約家/働き者のご主人と浪費家/見栄っ張りの女房、下衆な隣人、強欲な司祭、子どもを管理下に置きたがる王様、恋に恋する若者、というステレオタイプが多く登場するのも面白かった。 -
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2023/4読了
アルハンブラの伝説や物語も面白いが、作者を案内するアルハンブラ周辺の住人たちが実に魅力的。 -
読み終わってしまった。が、これは何度でも楽しめる類の本。下巻はアルハンブラそのものより、現地で見聞きした伝説や噂なんかの小話が多い。
ああ、行ってみたい。
しかし3年も住んでたっていう当時の事情もすごいなあ。 -
19世紀アメリカの作家アーヴィング(1783-1859)が、スペインのグラナダにあるアルハンブラ宮殿に滞在した際に執筆した旅行記であり、かつ当地で見聞したいくつかの伝説を記録したもの。初版1832年、改訂版1852年。本書の影響により、当時あまり知られていなかったアルハンブラ宮殿は、"異国情緒"あふれるイメージと結びついて広く西洋世界で親しまれ、人気の観光地となった。
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スペイン(イベリア半島)という地域が、西洋世界にとって、最も身近なオリエント(東方世界、則ち"異国")として認識されていることが、以下の個所によく表れている。
「しかし、これほど長きにわたる統治にもかかわらず、スペインにおけるイスラム教帝国は、輝かしい異国でしかなかった。あれほど見事な花を咲き誇らせながら、スペインの地に根付くことはついに叶わなかった。西欧の地にあって、信仰と習俗の垣根によってすべての隣国から切断され、オリエントの同胞からは海と砂漠とによって隔絶され、「モーロ系スペイン人」は孤高の民だった。スペインにおける、その存在の形態そのものが、侵略の地に砦を築いて守り抜く戦いのそれであり、それは果敢で騎士道的華やかさを装いはしたが、いつの日か、終息する以外にないものだった」
「実のところ、スペインは、その歴史、習俗、風俗、思考様式のいずれにおいても、他のヨーロッパ諸国とは隔絶している。スペインは、ロマンス香る外つ国である。ロマンスの国スペインと言われる、この異彩を放つ伝奇的要素は、当節の西欧型ロマンスのもつ感傷的な伝奇趣味とは無縁だ。スペイン型ロマンスの中心にあるのは、輝かしい東方世界と直結する、高邁なサラセン[イスラム教徒を指す語]直伝の騎士道精神である」
西洋人がオリエントに付与する"異国情緒"のイメージは、西洋人に対してどのように機能するのか。
「この古い、夢見ているような宮殿には、ことあるごとに人を過去の夢想へと誘い、失われた世界を幻のように現在によみがえらせ、むき出しの現実を数かずの幻想で包み込んでしまう、不思議な力が潜んでいる。わたしは、「無いものが有るもののように見える世界」を歩き回るのが好きだ」
現実には「無いもの」が想像の中で「有るもの」とされるとき、それは往々にして理想化された幻想となる。即物的で散文的なものでしか在り得ない現実に対して、それをロマン的に粉飾し、理想的な幻想として創出するためのイメージの核として、オリエントは機能する。そこでは、西洋人の精神的な"慰み物"として劣位に置かれている。オリエントはそうした幻想を提供するための一つのきっかけに過ぎない。
ここにあるのは、本気で現実化しようとは思っていない理想を或る一定の距離を置いて仮想的に創出し鑑賞しようとする消費の欲望であろう。「見たいものを見る」という認識の欲望であろう。他者を自己が作りだすイメージ通りの客体として固定しておくことで、自己にとって有利な他者との関係(不均衡な支配-被支配関係)が変更されてしまうことを回避し、他者への優位性を安定的に維持しようとする欲望であろう。それは、自己像の変更に対する恐怖心の裏返しであるとも云える。則ち、突き詰めれば、西洋による西洋自身の自己定義の欲望であると云えるだろう。
オリエントという表象は、ロマン的に称揚されているように見えながら、実際は西洋のオリエントに対する優位性を再確認し植民地支配をイデオロギー的に再生産するための契機に過ぎない。
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上巻は、大部分がスペインの風土文化やアルハンブラ宮殿にまつわる歴史の記述に費やされており、やや退屈である。しかし下巻には、当地で収集した民間伝承をもとにアーヴィングが再現した「伝説」が多数収められており、楽しく読める。特に、恋物語の「アフメッド・アル・カーミル王子の伝説――恋の巡礼行」「三人の美しい王女の伝説」、秘密の財宝が登場する「モーロ人の遺産の伝説」「二体の思慮深いニンフ像の伝説」が面白かった。
「今日のように、大衆文学が低俗さを売り物にし、人間の悪徳と愚劣を見世物にし、世界を挙げて利潤の追求が詩的感情を踏み躙り、魂の瑞みずしさを枯渇させている時代に、このような、高い誇りに生き、気高い思念が支配した時代の記録に立ち戻り、古いスペインの騎士道ロマンスの世界に身を浸してみるのも、あながち、意義のないことではないだろう」
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訳文について、助詞の使い方が不自然な箇所が散見された。 -
いいですね。ほんと。物理的距離と時間的距離の旅。上巻と下巻の気になった箇所から拾い読み。
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グラナダ・アルハンブラ宮殿に行く前に是非読みましょう。印象が全く変わると思います。
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目次
アルハンブラへの来訪者たち
遺品と家系
ヘネラリーフェ離宮
アフメッド・アル・カーミル王子の伝説―恋の巡礼行
アルハンブラの丘をマテオと歩く
モーロ人の遺産の伝説
ラス・インファンタスの塔
三人の美しい王女の伝説
アルハンブラの薔薇の伝説
歴戦の老兵〔ほか〕
この本が好きな人におすすめの本
平沼孝之の作品
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