黄金虫/アッシャー家の崩壊 他九篇 (岩波文庫 赤306-3)

  • 岩波書店 (2006年4月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (380ページ) / ISBN・EAN: 9784003230633

みんなの感想まとめ

ミステリーの魅力が詰まった短編集で、独特の雰囲気に浸ることができます。作品は、若い頃に音楽も忘れて没頭したほどの深い世界観を持ち、読者を引き込みます。特に『高等遊民』では、孤独感を抱えた人物が雑踏の中...

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーファンならお馴染みの短編集ですね。
    若い頃クラシック喫茶店で音楽が聴こえない位に没頭して読みふけりました。

  • 何十年ぶりかの再読。
    表題作を含め11の短編を所収。やはり「黄金虫」と「アッシャー家…」は再読してもまた面白い。

    「黄金虫」は、米国サウスカロライナ州チャールストンにほど近い、サリヴァン島という小さな砂州から物語が始まる。「僕」は、親友であるルグラントの小さな家を訪ねる。大人の男同士の、飾らない交流、友情がそこにある。読んでいて心和む。大人の男同士で、かような交情があるのはうらやましい。旧い城砦があったり、男同士で宝探しにでることから、ふと映画「冒険者たち」の、優しくもせつない手触りを思い出した。

    「陥穽と振子」は、“拷問もの”。刃物を仕込んだ振子という壮大な構造物、という奇想である。一方で、中世スペイン・トレドで異端審問の凄惨な拷問が行われていた史実を下敷きにしているという。それを考えると怖ろしい。そういえばカフカの「流刑地にて」の処刑機械の奇想を思い出した。

    「『ブラックウッド』誌流の作品の書き方/ある苦境」は初読。秀逸である。「ブラックウッド」誌というのは、19世紀アメリカで実際に発行されていた大衆向けの読物雑誌だという。大胆に翻案するなら、今でいう「週刊実話」やかつての「GON!」のような下世話な雑誌か。その編集者や読者に受ける小説の書き方を指南される、という構成。メタフィクションというか、なんというか、小説として相当ぶっ飛んだ実験を試みている。

    さてところで、改めて、江戸川乱歩がポオの精神を濃厚に踏襲していることを実感したのであった。例えば「赤死病の仮面」で公爵が築いた、7つの色彩で構築した舞踊広間をもつ荘厳な宮殿という奇想も然り(乱歩の「パノラマ島奇譚」を想起した)。そして、「アッシャー家」の屋敷の“崩壊の美学”もまた“パノラマ島の崩壊”に繋がっていると感じた。

    同じ岩波文庫のポオ短編集「黒猫/モルグ街…」も良いが、私は、この「黄金虫…」の短編選のほうが、よりエンタメ度が高いように感じた。

  • 図書館で借りた。

    高等遊民について百科事典を調べたら、ポオの『群衆の人』が紹介されていたので読んでみた。
    誰と話す訳でもなく、ただ人ごみの中にいないと不安になる人物を追跡する話だった。何故雑踏のなかにいようとするのか、についての記述はない。

    『ボン=ボン』『息の紛失』のようなふざけた作品を書く人なのだと初めて知った。
    『赤死病の仮面』はぞっとする話だった。

  • 黄金虫:測量って大事だね! 特に基準点!
    ブラックウッド:アンジャッシュっぽい

  • 「メッツェンガーシュタイン」Metzengerstein, 1832「 ボン=ボン」Bon-Bon, 1832
    「息の紛失」Loss of Breath, 1832
    「ブラックウッド」誌流の作品の書き方/ある苦境
    「リジーア 」Ligeia, 1838
    「アッシャー家の崩壊」The Fall of the House of Usher, 1839
    「群集の人 」The Man of the Crowd, 1840
    「赤死病の仮面」 The Masque of the Red Death, 1842
    「陥穽と振子」The Pit and the Pendulum, 1842
    「黄金虫」The Gold Bug, 1843
    「アモンティラードの酒樽」The Cask of Amontillado, 1846

  • 怖い。ナンセンスものも収録。

  • 「リジーア」「アッシャー家の崩壊」「赤死病の仮面」「黄金虫」が面白かった。
    特に「リジーア」に引き込まれた。物凄く怖い話だった。

  • 美女の死と再生がテーマの「アッシャー家の崩壊」と「リジーア」が特によかった。
    伝統的ゴシックホラー風の「メッツェンガーシュタイン」と「赤死病の仮面」もいい。
    「陥穽と振子」は一つの場面をずっと描いてて、他のポー作品にはない面白さがあった。
    「群衆の人」は、主人公の人間観察から当時のロンドンの世相が見えてくる。

  • 表題作あたりは昔違う文庫で読んでるんですが、この岩波版は短編1作ごとに解説があってわかりやすく、当時のイラストも収録されているのでちょっと得した気分。

    収録作はバラエティに富んでいて、『ボン=ボン』『息の紛失』『ブラックウッド誌流~』あたりはかなりコミカル。ポーってこういう作品群もあったんだ、って新発見。

    とはいえ個人的に好みなのはやはりゴシックな作品群のほう。『アッシャー家~』は言わずもがな、この本の収録作の中では、死んだ妻が甦る『リジーア』や、「死」が擬人化されたような『赤死病の仮面』、中世の伝説めいた『メッツェンガーシュタイン』なんかのほうが断然好きです。

    『アモンティラードの酒樽』は、どちらかというと『黒猫』なんかに近い完全犯罪(を喋らずにいられない・笑)もの。『陥穽と振子』は、以前シュヴァンクマイエルの映画も見たんですが、最近の作品でいうなら『ソウ』とか『キューブ』みたいな、目が覚めたら謎の密室に監禁されていて突然拷問にさらされる…みたいな不条理ホラーはある意味この系譜なのかなと思ったりしました。

  • ポーの笑劇ものは「ボン=ボン」くらいしか読んだことがなかったが、「息の紛失」をよんでみたらこちらも面白い!
    言葉あそびのセンスがかなりいい。

    そして、「息の紛失」にも「アッシャー家の崩壊」にも似た形で“墓”が登場するが、このへんはホラーといか、幻想文学的だと感じた。
    生と死や、現実と非現実の画然たる差異を揺るがすところに、これらの作品の特徴がみられる。

    「黄金虫」は、坂口安吾の「桜の森の満開の下」を連想してしまった。

  • 黄金虫
    これのために読みました。暗号物と聞いてましたが、有名な解読法でした。もしかしてこの作品が初めて小説にしたのでしょうか。話自体も続きが気になるアドベンチャーものでよかったです。

    以下読み途中

  • 始めは眠たく退屈に感じていたものが、読み連ねるうちにそれぞれの余韻が折り重なってうすら寒くなる。

    そうした中で表題作の黄金虫は、面白いけどもオカルトちっくな短編の中にあって謎解きだけで余韻なく終るから、もの凄く呆気なく感じる。

    陥穽…が良かった。あと美女再生諶、に括られるらしいリージア。ボン=ボンなんかはまさに、ポーの世界に引き込む流れ。

    あまり1人の家では読みたくない。

  • 「しょせん気どりは気どりにすぎない。」
    なんだかグサっときた。

    「群衆の人」はオースターの作品にありそうな感じ。
    その他も授業できいたあらすじを頭の隅から掘り起こしながら
    懐かしい気分で読みました。

  • 面白い! 久々にどきどきわくわくした。ポーを読むと乱歩が完全に真似っ子にしか見えなくなるなぁ。

  • 三月は深き紅の淵を

  • 古典の名作。ポオといえば『モルグ街の殺人』が有名ですが、アッシャー家も有名なので一度は読んでみようかと。
    …いや、しかし、誤解してました。『モルグ街〜』が史上初のミステリとされているので、てっきりそっち方面のお方なのかと思っていたら大間違い!『黄金虫』はなるほど暗号モノの草分けといえるけれど、『アッシャー家〜』は、ゴシック小説というらしい。後のホラーやSFの源流だそうです。なるほどね。確かに、幻想小説という感じ。何せ訳が難しくて読みにくい。雰囲気は出るけれども。もうちょっと何とかならないか…というわけでちょっと楽しみきれなかった残念さをこめて★3つ。

    追記(2009.9.26)
    いわゆる本格ミステリを読むためには踏まえておいた方が良いかもと、他の作品を読みながらいまさらながらにその偉大さを実感。古今東西の作家が引用してます。必修科目だ!

  • 推理小説といっていいのかどうか

    かなりシュールで、でも全然古臭くない。
    エンターテイメント性が強いと感じた。

  • 『メッツェンガーシュタイン』
    メッツェンガーシュタイン家とベルリフッツリング家の対立。メッツェンガーシュタイン家の若き党首フレデリックがみたタペストリーの馬の動き。ベルリフッツリング家の馬小屋が火事にあった日に捕まったタペストリーの馬にそっくりな謎の馬。

    『ボン=ボン』
    哲学者にして料理店経営者のボンボン氏。哲学者としては個性的で評価も高いボンボン氏。彼の前にあらわれた悪魔。ボンボン氏と契約を結ぼうとする悪魔との哲学論争。

    『息の紛失』
    妻を罵ろうとしたとき息を失ってしまった男。乗り合い馬車に乗るが息をしていないことから死体として捨てられる。病院での解剖、処刑上での絞首刑、埋葬された墓地での復活。

    『「ブラックウッド」誌流の作品の書き方/ある苦境』
    「ブラッドウッド」誌に勤める女性編集者のかたる売れる雑誌の書き方

    『リジーア』
    美しい妻リジーア。死の前に「死を克服する」と言い残す。再婚した妻ロウィーナ。彼女の死の瞬間に垣間見たリジーアの姿。

    『アッシャー家の崩壊』
    沼地に立つアッシャー家。友人であるロデリック・アッシャーを訪ねた男。ロデリックの変貌に驚く男。ロデリックの妹マデリン姫の病。死んだマデリン姫。生きかえったマデリン姫と沼地に沈むアッシャー家。

    『群衆の人』
    人間を観察する男。群衆の中に見つけた男の後を付け一晩中群衆の中を歩き回る。謎の男の正体。

    『赤死病の仮面』
    赤死病が蔓延する領地を見捨て場内にこもったプロスベロ公爵。青、紫、緑、オレンジに色分けされた部屋。舞踏会の夜、赤死病の仮面をつけた男の登場。男を追跡し各部屋を走るプロスペロ公。赤死病の侵入。

    『陥穽と振子』
    スペインのある町で異端審問会にかけられる男。牢獄ないの様子。男に仕掛けられる罠。ナポレオン軍による解放。

    『黄金虫』
    友人であるルグラントを訪ねた男。新種の黄金虫を発見したというルグラント。骸骨のような模様の黄金虫だが実物は友人の中尉に貸してしまったという。黄金虫を見つけた場所で見つけた羊皮紙にイラストを描くルグラント。暖炉に捨てた羊皮紙に浮かぶ暗号。海賊の埋めた財宝の秘密。

    『アモンティラードの酒樽』
    フォルトゥナートに受けた数々の侮辱に対する復讐を男。アモンティラードの味見を餌に地下深くに誘い込む。

    2007年3月10日初読

  • 「リジーア」「赤死病の仮面」が好き。
    表題作二つも好き。
    他は微妙。デビュー作臭さというか
    オタク臭さがにじみ出ていて笑えるが娯楽的には微妙。

  • アッシャー家の崩壊滅茶苦茶好きだった。妹乙!笑

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