白鯨 下 (岩波文庫 赤 308-3)

制作 : Herman Melville  八木 敏雄 
  • 岩波書店
3.60
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本棚登録 : 451
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003230831

作品紹介・あらすじ

「モービィ・ディックだ!」-エイハブ船長の高揚した叫び声がとどろきわたった。執拗に追い続けてきたあの白い巨大な鯨が、ついに姿を現わしたのだ。恐るべき海獣との壮絶な「死闘劇」がいよいよ始まる。アメリカ文学が誇る叙事詩的巨編、堂々の完結。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻中巻と読んできて、作者の熱い思いは十分伝わってきていたが、104章でそれを自白していて面白かった。「よそ目にはごく平凡にしか見えない主題でも、それが自分の主題となると精神が高揚して熱っぽくなる物書きがいるものである。それでは、このレヴィヤタンについて書いているわたしのごときはどうなるか?無意識のうちにわたしの書く字はプラカードの大文字なみに大きくなる。われにコンドルの羽ペンをあたえよ!インクスタンドとしてヴェスヴィアス火山の噴火口をあたえよ!」ところどころでテンションが振り切れて暑苦しさを隠せないメルヴィル。人間味があります。
    そして満を持して白鯨の登場。フェダラーは最後まで不可解な存在だった。まるで死神のような。こいつがピークオッド号に乗り込んだ時から、船の運命は決まっていたのかな。エイハブがスターバックを想って本船に残すのに、最後には本船も沈められてしまうのが悲しい…。
    これはフィクションだけれども、古今東西海には小説顔負けの様々なドラマがあったことだろう。昔の人は保障なんて何もないのに海へ出たんだから、人間の冒険心や探求心ってすごいなぁ。

  • 自らの教養の無さ・理解力の欠如に起因するこの豊饒な作品への理解不足によって★を一つ下げただけで、この作品には★を幾つ付けても足りない。
    単にストーリーを語って読ませる今時の小説ではなく、ヨーロッパ文化が多面的に発現した学術書として真摯に対峙すべきだと思う。
    物語を紡いでいる気は作者自身も毛頭ないだろうことは、唐突かつ延々と続く「鯨学」の披露でも明らか。
    鯨を人間の業の象徴と見立てた様々な角度からの「文明」考察と見るのが正解だろう。
    しかしこの作品がヨーロッパではないヨーロッパ系の国アメリカから生み出されたことは奇跡なんだろうな。

  • 多様な人種の乗組員と報復に執念を燃やす船長 壮絶な死闘をくりひろげる航海の一部始終 いったいどうなるのか

    *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます。
    http://opac2017.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/BB20084941

  • 難解だと書かれていたが、非常に楽しく読めた。
    鯨に関する薀蓄も気にならないレベルだった。
    ストーリー展開も飽きさせず良かった。

    気になったのは船のパーツを感じで書くが当て字なので振り仮名がないと読めなくなるところ。

  • 読むのに疲れて最後の方は読み飛ばししてしまいました。
    メルヴィルの思考が深まっていく感じはありましたがぼくにはまだ理解できませんでした

  • 2年越しでようやく完読。

    それにしても、上・中・下の3巻に渡る本にしては、読みごたえ無かった。

    まず、漢字が読めない、意味が適切に理解出来ない。船のパーツの名称を知らないので視覚化が出来ない。そして、多くの箇所で、何を言ってるのかさっぱり分からなくなる所や、描かれている登場人物の心理変化の根拠についていけない。

    挙げ句の果てに、終わりが来たから終わるみたいな終焉。今までの長々としたストーリーは何だったのか?

  • イシュメ-ルとクイ-クェグの宿命とか、普通に小説として描けてる、メルヴィル!エイハブのサイコパスとメルヴィルのフリ-ダムは恐怖の白鯨より怖いよ。本の中が少しも不思議でなく、考える余地も隙も無いとか、それらが何も象徴しないとすれば、淋しいではないか。ようそろ!麗しい海よ、呪わしき白鯨!お前は誰?エイハブは、はたしてエイハブであったのか?正体不明の狷介な一人言、小説的ル-ルは気にせず、ただ、鯨=世界とし、自由に詩う鯨ヲタメルヴィルと広漠な海に航海すれば、こんな散華を見せる長編もまたと無い。

  • 白鯨が姿を現し、エイハブ船長以下乗組員と壮絶な格闘シーンがこれでもかと言うほど続くものと期待していた私にとっては正直物足りないクライマックスでした。前置きが長すぎて、肩透かしにあった感じ。巻末の解説の物語学的構造にはびっくり。テキストとしてそれ程の魅力を内包しているのだろうか、私にはこのような読解はまったく大げさ過ぎるような気がしました。

  • あっけない最後。

  • 壮絶なラスト。
    言葉の奔流。
    あらゆる肉体と知のごった煮。

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著者プロフィール

1819年-1891年。ニューヨークに生まれる。13歳の時に父親を亡くして学校を辞め、様々な職を経験。22歳の時に捕鯨船に乗り、4年ほど海を放浪。その間、マルケサス諸島でタイピー族に捕らわれるなど、その後の作品に影響を及ぼす体験をする。27歳で処女作『タイピー』を発表。以降、精力的に作品を発表するものの、生存中には評価を受けず、ニューヨークの税関で職を得ていた。享年72歳。生誕100年を期して再評価されるようになり、遺作『ビリー・バッド』を含む『メルヴィル著作集全16巻』が刊行され、アメリカ文学の巨匠として知られる存在となった。

「2012年 『タイピー 南海の愛すべき食人族たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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