不思議な少年 (岩波文庫)

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本棚登録 : 1003
感想 : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003231111

作品紹介・あらすじ

16世紀のオーストリアの小村に、ある日忽然と美少年が現われた。名をサタンといった。村の3人の少年は、彼の巧みな語り口にのせられて不思議な世界へ入りこむ…。アメリカの楽天主義を代表する作家だといわれる作者が、人間不信とペシミズムに陥りながらも、それをのりこえようと苦闘した晩年の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • マーク・トウェインとは思えないほど、重苦しいはなし。
    でも、これからの生き方を変えようと思うほど、考えさせられるものだった。

  • 【あらすじ】
     ニコラウス、セピ、テオドールの3人の少年は、16世紀のオーストリアの小さな村に暮らしていた。そこにある日不思議な少年が現れた。一見感じの良い美少年の正体はなんと天使だった。その上彼の名前はサタン。3人の少年たちは、サタンの巧みな語り口、魅力的な魔法に誘われ不思議な世界へと惹きこまれていく……人間とは、良心とは何か。善悪、幸福は存在するのか。運命とはどのように決まるのか。人はなぜ戦争をするのか。ニコラウスは天使サタンと過ごすうちに、このような疑問にぶつかる。はたしてその答えは――

    【解説】
     作者は、『トム・ソーヤの冒険』、『ハックルベリー・フィンの冒険』などの著作で知られるマーク・トウェイン。アメリカの楽天主義を代表する作家だといわれているが、晩年に書かれたこの作品では彼の異なった一面、人間不信とペシミズムが色濃く出ている。ひどく悲観的な物語はしかし奇妙に人を惹きつけて離さない。中野好夫訳。亀井俊介解説。

    【感想】
     私は、同じくマーク・トウェイン晩年の代表作『人間とは何か』を読み、そのあとがきに本書のことが紹介されており興味をもったのでこの本を手にとった。どちらの本も訴えるメッセージは似たようなものである。『人間とは何か』が青年と老人の問答が終始続くのに対して、本書は構成されたストーリーになっている。

  • 人間とは如何に愚かな生き物であるか、ということを徹頭徹尾主張し続ける作品。まさにペシミズム。

  • トムソーヤーの冒険書いた人とは思えないほどの暗さ。
    バタフライエフェクト的なくだりもありつつ、ひたすらに悲観に満ちた死生観がストーリーを取り巻いている感じ。
    思春期に読んだら人間不信になりそう。
    ただ、文章は重くなく読んでてストレスは一切なく流れるように読めた。

  • 早急に生き方を変えたくなる一冊。(変えたくなる止まりだったが…)

  • 「人生そのものが幻じゃないか」
    「あるものは君だけなんだ」
    人生や世界が自分自身がつくりだした幻にすぎないとして、それならどうして自分の人生の中身に喜びだけでなく悲しみなどの負の感情が多いのか。そのようなことは決して望んでいないはずだ。もしかしたら、悲しみは決して否定的な要素ではなく、あくまでも喜びを相対化させるために存するだけの要素なのかもしれない。そうすれば自分の作り出した自分の世界の悲しみにも何か積極的な意味を見出せるのかもしれない。というようにあっさりと最終的に自己を肯定してしまって完結していいとは思えず、肯定も否定も全てひっくるめて幻の人生であり、独我論なんだろう。そもそも独我論というカテゴライズされる話ではないという感想もよぎるが、やはりこの小説の最後の主題はキリスト教的な倫理観と鋭く対立する個々の主体を考えさせる独我論だと思った。

  • 人間に対する徹底したペシミスティックな視点



    「君たち人間の進歩ってやつは、どうもあまり感心しないね。もう一度新たに出直すことだな。」p182



    生まれ落ちたが最後なんです。

  • 3.73/1001
    『サタンとなのる美少年の巧みな語り口にのせられて不思議な世界に入りこむ3人の少年…晩年の代表作.
    16世紀のオーストリアの小村に,ある日忽然と美少年が現れた.名をサタンといった.村の3人の少年は,彼の巧みな語り口にのせられて不思議な世界へ入りこむ…作者は,アメリカの楽天主義を代表する作家だといわれるが,この作品は彼の全く別の一面-人間不信とペシミズムに彩られ,奇妙に人を惹きつける.(解説=亀井俊介)(改版)』(「岩波書店」サイトより)


    原書名:『The Mysterious Stranger』
    著者:マーク・トウェイン (Mark Twain)
    訳者:中野 好夫
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎251ページ

  • マーク・トウェインってトム・ソーヤーだけの作家ではなかったのね。トム・ソーヤーシリーズは読み通せたことがないけれど、この小説は結構いい。全ては夢だと悟るために一生を費やしたのかという気もするけど。

    サタンの人間に対する無関心さが、まさに天使という感じで気に入ってる。

  • サタンの目から見た人間のやることと言ったら、確かにそう、その通り。でもサタンが変えてくれる運命も厳しい。少年たちが見る現実としては大変厳しい物語だった。大人の自分が読んで思うのは、自分以外の人が幸せか不幸かは、その人の一時、ただそれを見ただけでは判断ができないということ。幸せか不幸かは本人しかわからない。ただ、マーク・トウェインが3度も書きながら未完に終わってしまったこの作品との格闘には、「生きる」ということを教えてもらった気がする。しかし、Guardianのコメディー作品は笑えないのが多いなぁ。

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著者プロフィール

Mark Twain 1835年-1910年.
邦訳された自伝に、
時系列順に並べられている
『マーク・トウェイン自伝 〈上・下〉 ちくま文庫 』
(マーク トウェイン 著、勝浦吉雄 訳、筑摩書房、1989年)
や、トウェインの意図どおり、執筆順に配置され、
自伝のために書かれた全ての原稿が収録されている
『マーク・トウェイン 完全なる自伝 Volume 1〜3 』
(マーク トウェイン 著、
カリフォルニア大学マークトウェインプロジェクト 編、
和栗了・山本祐子 訳、[Vo.2]渡邊眞理子 訳、
[Vo.1]市川博彬、永原誠、浜本隆三 訳、
柏書房、2013年、2015年、2018年)などがある。



「2020年 『〈連載版〉マーク・トウェイン自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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