ある婦人の肖像 上 (岩波文庫 赤313-5)

  • 岩波書店 (1996年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784003231357

みんなの感想まとめ

自立を求める女性の成長と葛藤を描いた物語で、19世紀のヨーロッパにおける女性の地位や価値観がテーマとなっています。主人公イザベルは、父の死をきっかけにイギリスに引き取られ、自身の独立した成功を目指す姿...

感想・レビュー・書評

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  • ニコール・キッドマン主演で映画化された小説。
    自立心旺盛ですが世間知らな娘が、
    ヨーロッパに渡り莫大な遺産を
    受け継いだことで、遭遇する恋と試練の物語。
    上・中・下巻の3冊あります。
    映画版の冒頭では、物語とは関係ない
    現代の若い女性たちの表情が映し出されていますが、
    これは19世紀の女性であるヒロインと、
    現代女性たちの共通点を表しているそうです。
    確かに、わたしがこの本を読んだ頃、
    ちょうどヒロインと同じくらいの年齢でしたが、
    その考え方に共感する部分が沢山ありました。

  •  映画とその原作小説、どちらを先に見る派ですか?

     先に映画を観たら、読書中に脳内で映像がタレ流しになりそう。かといって、小説を先に読めば、商業映画のエンタメ色が気になってしまうだろう。
     原作を知らずに映画と出会い、数年後、記憶がうすれてから書籍を読めたらいいな。

     たまたま、そういう出会いかたを、ジェイムズの『ある婦人の肖像』(1881)で経験できた。友人宅でDVDを視たので、作品に関する説明にゆっくり目を通さなかったおかげだ。ああ、この順番で、つくづく良かったー!


    ▼映画の感想はあちら。
    https://booklog.jp/users/kotanirico/archives/1/B0056J0622


     映像は19世紀ヨーロッパの衣装や美術を目にできて嬉しいが、疑問も残る。
     なぜ、貴婦人は、クズ男と愛人の術中にあっさり落ちたのだろう? ニコールは賢そうだし、夫は見事にヤな奴だから、ふしぎな気がしてしまう。

     この点、小説は複雑でも丁寧だ。主人公は「自立したい。自由でありたい」というアメリカン精神と「ヨーロッパ的なモノって何かを知りたい」という知的好奇心を持ちあわせて登場する。
     純真な令嬢は、芸術趣味を披歴する気取り屋の様子を「もしかして、これがヨーロッパ的ということかしら」と善いほうに受け取ってしまったのだ。
     じつは、男は女の財産ねらいで近づいたエセ紳士だった。ロマンス詐欺に近い印象もある。ただし、2人はちゃんと結婚まで進んでケジメる。

     結末は曖昧だ。映画のムード的には、横暴な夫のもとに戻らなくてもいいんじゃないかな? と思わせる。そうであってほしい! だが一方で、彼女には帰るべき道がある、という絵が映っているのです。
     対する小説は、もっと淑女の未来を読み取りにくい。イザベルは独りで生きていくだろうか? 少なくとも、不幸な義理の娘を助けに行きたいという義務感はあるはず……
     自分の人生は自分だけのものではなくなる。そんな相克も、彼女にしてみれば、強く知りたがっていた「ヨーロッパ的な成熟」に思われたのではないだろうか。

  • 地方紙の書評欄で見て、読んでみたくなった本。
    古典のわりにはおそろしいほど読みやすく、あっという間に読み終わった。
    特別おもしろいとも思わなかったので、読みづらい本だったらここ(上巻)でやめるところですが、つるつるっと読めるし、まあ最後まで読むか、と思ってます。

    ずーっと誰かの人物評をしゃべり続けている印象の本。バストショットばっかりが延々と続くマンガを読んでるみたいなイメージかな。
    とにかくミス・スタックポールが鬱陶しくてイライラした。ウーマン・リブの嫌なところを集めたような人物。
    でも男性陣の描写はなかなか良い。ドラマ「ダウントン・アビー」が終わってしまってとっても寂しく思っていたので、男性キャラのクラシカルな立ち居振る舞いにはあのドラマが思い出されて少し心慰められた。

    ちなみに初ヘンリー・ジェイムズです。
    私は文学史には非常に疎くて、彼がどういう位置づけの人なのか、ぜーんぜん知らなかったのですが(疎いにも程がある? 笑)、読む前にあまり余計な情報を入れたくない方なので、まっしろ状態で読みました。
    でも、読んでいて、本人がアメリカ人なのかイギリス人なのかがとっても気になったので(たぶんイギリス好きのアメリカ人なんだろうと推測しつつ読んでいた)、これを読み終わった時点でチラチラッと著者経歴を斜め読み。文学史的には、現代小説まであと一歩、な時代の小説みたいですね。なるほど、という感じでした。

    ジェーン・カンピオンが映画化した、というのも今知ったのですが、まだ上巻だけしか読んでいないけど、実にカンピオンぽい!と思います。

  • ヘンリー・ジェイムズの代表作のひとつ。
    新大陸アメリカと旧社会である欧州との相剋というテーマはジェイムズが頻繁に取り上げたものだが、年代的には初期に分類される本作では、後年の作品と比較すると比較的解りやすい描き方がなされている。
    上巻は伯父の死までを収録。

  • 読むのに忍耐を要したわりに、後味は希薄。

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著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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