ねじの回転デイジー・ミラー (岩波文庫 赤 313-9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003231395

作品紹介・あらすじ

"アメリカ的なもの"と"ヨーロッパ的なもの"の対立を扱い、一躍ジェイムズの文名を高めた「デイジー・ミラー」。その解釈をめぐって議論百出の感のある、謎に満ち満ちた幽霊譚「ねじの回転」。"視点人物"を導入した最もポピュラーな中篇二篇を収録。新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末〜20世紀にかけて活躍した作家ヘンリー・ジェイムズ。アメリカ生まれでヨーロッパに長年滞在し、最後は英国に帰化した。そのため、アメリカ人から見たヨーロッパが作品にも投影されている。

    最もポピュラーな作品『デイジーミラー』と『ねじの回転』の行方昭夫氏の訳は、とても読みやすく、ヘンリー・ジェイムズの別の作品と同様、同じ翻訳者の別の翻訳物も読んでみたくなった。

    デイジーミラー
    主人公の少年が、アメリカ人の美少女に恋心を抱く。純真無垢な美少女だが、一方で、男性との噂が絶えない。周囲に反対されるうちに、少年の美少女を見る目が少しずつ変化していき、最後には......。

    ねじの回転
    ある立派なお邸に、両親を事故で亡くしてしまった兄妹がいた。離れて暮らす後見人の叔父は、ある女性を家庭教師として雇う。
    その際、たった一つの条件があった。
    それは、何があっても決して叔父には連絡をしない、というもの。
    働き始めてから、女性はあることに気づく。
    わたしが来る前に、ここで何かが起きた。そして、みんながそれをわたしに隠している...... 。

  • 「デイジー・ミラー」
    これは女性主人公は愛すべき女性なのかどうなのかを読者に問うているのだろうな
    「ねじの回転」
    家政婦と兄妹とその取り巻き何人かが結託して家庭教師を追い払う計画を実行しているのだろうと推測して読み進めたが、ラストはそれとは違う方向だった。となると、家庭教師妄想説が真相かとも思える。

  • 津村のよみなおし世界文学の1冊。ねじの回転は幽霊話をしている話題ですぐ出てくる。その話題の家庭教師についての話が説明される。家庭教師が幼い男女の子どもについて幽霊が間に入ってくる。幽霊が実体か幻想かは明確に書かず、最後で男の子のマイルズが退学させられた理由が明らかにされていく。タイトルからは科学の話と勘違いしてしまう。
    2700冊目の本であ。

  • おばけ、いたと思いますよ!僕は!!

  • ちょうど一年くらい前、新潮文庫で読んだ「ねじの回転」
    あの時、評価保留にして、良かった!

    今回大好きな行方先生の翻訳で再挑戦。
    一回目読んだ時、ポカーンとなって、その後色々研究、
    「どんな解釈でも良い」とわかってリラックスして読めたのが
    まず良かった。

    とある夜、それぞれが怖い話を披露しあっっている時、
    ある男性が「自分の妹の家庭教師から実体験として聞いた、そしてその手記がある」
    その話を披露する、と言う始まり。

    ある大きなお屋敷に住み込みの家庭教師として雇われたうら若き女性。
    両親を失った、天使のように美しく愛らしい兄妹を世話することに…

    でも女性はそのお屋敷に現れる幽霊を目撃することとなり…

    幽霊を家庭教師の女性しか見ていない、と言うので
    「真相」について発表当初から今までそれぞれ意見をかわしている、とのこと。

    本当に幽霊が出た説

    家庭教師の妄想説

    宗教的寓話説

    などなど…

    私は、今回は読んでいる間は家庭教師の「狂気」を感じて
    恐ろしかったのだけど、
    さらに自分でもう一つ、ある説を思い付いた!

    それは、この家庭教師が赴任したら、
    とにかく手記とは真逆の事が起こっていた。

    つまり、

    お屋敷は小さくぼろい。
    雇い主は薄気味悪い。
    兄妹は汚く、可愛くなく、懐かなくて、生意気。
    家政婦は高慢ちきで意地悪。

    だったので、心の平安の為に反対の事を日記のように書いて
    うさを晴らしていたが、
    どうしても少年の方の言動が、いよいよ腹にすえかね、
    あのようなラストにしてみた、
    (そして読み返してみたら、案外面白かった)って言うの、どうかしら??

    行方先生の親切・丁寧な後書き、
    ひたすらにこの小説の魅力を伝えようとしてくれている思いが
    伝わってきて、感激。

    同時収録の「デイジー・ミラー」
    なによりも美しい少女デイジー、
    たくさんの人に注目されることが喜び、
    注目を愛と思ってしまうんだね。

    あのラストは作者の情けを感じたよ。

    行方先生の翻訳したヘンリー・ジェイムズの作品が
    まだまだたくさんあると考えると、心がほくほく、嬉しい!

  • 妻にしてもいい淑女か、売女。そのいずれかに女はどうやら分類されるらしい。あえて家父長制とミソジニーの権化のような男の視点で物語を進行させているのが、100年200年先の読者に向けて著者が書いているかのようにも読めて興味深い。

  • アメリカ人の娘の話と、家庭教師先の幽霊の話。わりと読みやすい

  • ジェイムズの『ねじの回転』が一読ではなんだかすっきりしなかったので、違う訳のを(筑摩書房全集)読み、ついでに『デイジー・ミラー』も読む。

    『ねじの回転』は解説やネットのプレビューを見たりして、いろいろな解釈があると知る。まだすっきりしないが(笑)そういうものらしい。なるほど20世紀の「意識の流れを追う文学」先駆的存在作家の奥深いところである。

    それに比して『デイジー・ミラー』はわかりやすい。スイスとイタリアで有閑的に過ごしているブルジョワのお嬢様(アメリカ人)がおなじアメリカ人男性と交友を重ねるが、新しい付き合い方を無邪気にする娘にたいして、旧弊がぬけない男性は失恋してしまう。

    明るくて、美しくて、コケットリーで勇敢な女性に、「もしかしてすれっからしの女」ではないかと疑心暗鬼になる男性は今も絶えないだろう。魅力に捉えられながらもぐずぐずとしている若者の心理がおもしろかった。

    欧米ではヘンリー・ジェイムズを20世紀の重要な作家の一人として挙げている。『鳩の翼』(1902年)『使者たち』(1903年)『黄金の盃』(1904年)が「20世紀に書かれた英文学100選」に入っている。

  • ねじの回転は、幽霊の話である。「帽子を被っていない」の表現が印象に残る。幽霊は被っていない、主人公の家庭教師が終盤の場面で被っていない。なぜなのだろうか「帽子を被らない」ということはこの小説の当時どのようなことだったのか。使用人は被っていなかったのか。また、色々な含みのある表現があり、とくに男女間の話が中途半端であって色々考えさせる。
    デイジー・ミラーは、アメリカ娘がヨーロッパの慣習にとらわれない行動をする物語である。本人が、このギャップに気がついているのかどうかも不明であり、ヨーロッパの慣習も固有のものなのかヨーロッパに住んでいるアメリカ人のものなのかもよくわからない。
    ジェイムスの小説はいくつかの話が、重層的に進んでいくような印象を受けた。

  • 体調不良時に、以前注文していた本が届いた。行方先生の翻訳なので名訳なのは間違いない。

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著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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