大地 1 (岩波文庫 赤320-1)

  • 岩波書店 (1997年2月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (466ページ) / ISBN・EAN: 9784003232019

みんなの感想まとめ

人間の生き様と土地との深い結びつきを描いた作品は、主人公の王龍を通じて、極限の状況でも希望を失わずに生き抜く姿を鮮やかに映し出します。貧しい農家から大地主へと成長する彼の物語は、家族の絆や故郷への愛情...

感想・レビュー・書評

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  • 亡き父が一番好きだった小説
    尊敬する父の感性を感じたくて20年ほど前に読んだ
    素晴らしい小説を読めたことに感謝、父との絆を感じる大切な本

  • 作品名は知っていましたが、これまで未読でした。
    第1部は、貧しい農家の王龍とその一族の運命の変転が描かれました。不作の影響で餓死しかけ、一度は故郷を後にしますが、土地を手放さなかった王龍は再び故郷へと帰り、大地主として成功しました。しかし豊かになっても、家族には問題が多く、年老いた王龍の心が安まる日はありません。
    この巻では、極限状況の中でも生き延びようと努力する王龍たちの姿が心に残りました。その心の支えになったのは、彼が故郷に残してきた土地でした。

  • snsでお勧めされてたので読んでみた。1巻を読んだだけでは良さがまだよくわからない。1人の人間の一生は大地の前ではちっぽけなことに過ぎないので、守るためには目の前にある仕事を勤勉にやることが大事だ、ということかな。

  • 期間が空きすぎて、内容をほとんど忘れてしまったが面白かったと思う。

    特に印象的で覚えているのは、王龍達が、街で物乞いと人力車でなんとか生活しているなか街の壁が壊された場面である。王龍達は、このチャンスで得た金を無駄遣いせず土地に投資したことにより成り上がったと感じた。

    他には生真面目な王龍が人間臭い青に借りを返すシーンは、とてもよかった。

  • 「怠け癖のある人におすすめの本」ということで話題になっていたので、読みました。
    一生懸命働くことの大事さや、お金だったらとられてしまうが土地は奪われることはない、親戚関係はかなり面倒、などなるほどと思うことはありました。
    だがそれよりも男尊女卑の思想、阿蘭に対する思いやりのなさに嫌悪感でいっぱいになりました。時代もあるでしょうが、王龍は傲慢で嫌いです。
    続きは気が向いたら読みます

  • 1巻読了!
    長かった〜!初めはこれはどこに向かう物語なのか分からなくて悶々としながら読んでたけど王龍の生涯を描いた物語で休む間もなく色んなことが起こるので面白かった。
    途中王龍の振る舞いにモヤモヤしたりするけどその時代の価値観とかを考えるとうーん、、なんとも言えない。現代なら間違いなくクズなんだけど笑
    怠惰な人におすすめとSNSで見て読み始めたけど王龍にとにかく人間味があってただ、勤勉なだけじゃないのが魅力だと思う。汗水垂らして働きましょう

  • 一巻読了!
    王龍の成り上がり物語がめちゃくちゃ面白くてまるで少年漫画を読んでるような読み心地。

    纒足ってこんなふうに魅力を感じられてたんだな〜

    あと時代も文化も違うものの、阿蘭への扱いが許せん。おまえ嫁が阿蘭じゃなければ今の生活はないんだぞ。許さない。まぁ当時の金持ちにしてはちゃんと扱ってたのかな....

    王龍死んだらどんなふうに物語が進むか楽しみ。久しぶりにめちゃくちゃ読書が楽しいと感じた!

  • 文庫本4冊とかなり読むのは大変かと思いきや、以外とスラスラ読めてしまう。文章は平易なので読みやすい。長編小説だと登場人物が多すぎたり、人名がわからなくなって読むことを放棄するのが私の定番だけど、「大地」は最後までわかりやすく読めた。

    それにしても「大地」に出てくる息子達はびっくりするくらい親の言うことは聞かない。むしろ親父の王龍を悩ますことばかりしてくる。特に三男は以下のように言ってしまう。

    「私は決心がつきました。軍人になって戦争に出ます」
    王龍の驚きは大きかった。彼が今まで受けた打撃のうちで、最悪なものだった。彼は大声でどなった。
    「狂気の沙汰じゃないか。おれは、こうまで、子供に苦労するのかい」

    家の中では次から次へと問題が出てくる。だんだん王龍も可哀想になるけど、ちゃかり愛人を連れ込んで楽しく過ごしたりもするのだから自業自得とも思える。

  • 三部作すべてを読んでから感想を…と思ってたけど、まず第一部で書き留めることにする。
    第二部をあまり読む気がしないから…。でもそれは、面白くないからじゃなく、勝手な想像で先が思いやられるから。

    一部は王龍(ワンルン)が貧しい百姓だった時代から一代で大地主へと富を築く一生が描かれている。
    若い時に、大家で奴隷として働いていた阿蘭(オラン)を妻として迎えてから、運が向いてきたように、豊作の年が続き、息子たちが次々と生まれる。
    阿蘭は器量はよくないが、働きもので、家事に長け、愚痴も言わず、黙々と働き続け、子供たちを生み続ける。一家の繁栄の土台を築いたといってもよい。
    そして王龍を支え続けたものは、土地への執着、愛着であった。
    人生が厳しく見えたとき、生きる気力が失われかけた時、彼に希望や活力を与えるものは土地だったのである。土地を持っている、ということが彼のすべての生きる源であったのだ。

    しかし、自らと異なって貧乏の家ではなく、財を成した家で育った息子たちには百姓やその土地が父親のような意味をなさない。
    大家であることの世間体や女性のことばかり気にしてお金を湯水のように使う学者風の長男や、お金の計算には抜け目がない商人の次男…、彼らが
    第二部の主人公となるのであろうが、特に長男は嫌気がさすほど嫌いなタイプなので、なんとなく読む気がすすまない。
    王龍も金持ちになり、小作人に田畑を任せるようになり、自らがあまり働かなくてもよくなった時から、することがなく、女性に溺れる様子が
    描かれているが、やはり土地への愛着が体から離れることはなく、完全に人間が腐るところまでは落ちなかった。
    やはり、人間、働かないと堕落するだけだと感じる。

    恩を忘れないところも感動した。
    村が大飢饉に見舞われた時、王龍に一握りの豆を青(チン)からもらう。この背景には色々とエピソードがあるが、誰しも食べるものが何日もなく、
    自分の子供まで食べるというような地獄の時代に、一握りの豆をくれた青を王龍は忘れることなく、その後、その恩に報いたのである。

    自分が苦しいときに、人を助けることも、
    自分が楽になったときに、人の恩を忘れないことも大切だと学ぶ。

  • 名作

  • 一巻だけの内容を簡単に述べてしまうと農民の成り上がりの物語。
    貧しい農民は一生懸命働いて大金持ちになりました、めでたしめでたし、とどこか寓話的ですらある。
    もちろん、めでたしめでたしで終わるわけもなく、お金持ちになり、大家と呼ばれるようになっても、妻や妾、息子や娘や叔父・甥の親戚づきあいなど、王龍の家の中のゴタゴタが収まることはない。
    しかし、どんな時でも彼が持っている大地だけが王龍を支え癒やしてくれたのだ。
    彼は大地とともに産まれ、生き、そして大地に還っていった。
    飢饉で貧しく、食べるものがなくて苦しい時でも、自分には土地があると言って、自らを奮い立たせていた。

    もちろん、土地を買うのにもお金がいるし、土地を持っているだけでは意味がなくそこから作物ができなくてはならない。
    農作業をする王龍を生涯支えたのが妻の阿藍であった。
    阿藍は美人ではなかったが、彼を献身的に支え続けた。
    阿藍のおかげで王龍は大家になれたと言っても良いのだろう。

    そのため、大地の第一部の主人公は確かに王龍なのだが、阿藍も同じく影の主人公としての立場をもっといて、彼女に対する描写は非常に強い印象を残す。
    パール・バック自身が女性だからというのも理由の一つかもしれない。

    個人的には阿藍が死ぬシーンが一番心に来るものがあった。
    彼女の親に捨てられたというつらい思い、奴隷だったことの苦難、夫の愛人に対する嫉妬、息子を生み旦那を大家にしたという自負、そして旦那への愛情と裏切りに対する憎しみ、それらが死の直前に現れては消えていき、その姿は王龍を考えこませてしまうことにもなる。
    王龍にとっては、阿藍も大地の一部、もしくは大地そのものの存在だったのではないだろうか。

  • 土地にこだわり逞しく生きる民を描いた小説。時代か、平気で奴隷という表現が飛び交い、登場する。逞しく生きるとは、どういう事か。怠惰に悩む余裕のないほど、その日食べるのに必死で、しかし、子供を生み、育てる事。世代の継承と生命の維持への力強い意思。小説からはそんな事を感じた。

  • 内容紹介
    十九世紀から二十世紀にかけて、古い中国が新しい国家へ生れ変ろうとする激動の時代に、大地に生きた王家三代にわたる人々の年代記。(Amazonより)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    第1巻の内容は、土地をベースに一代で財をなす、「王龍」の物語。

    舞台は清代末期の中国。
    動乱の時代の中で、市井の人々はどう暮らしていたか?
    についてとても興味深いです。


    個人的にもこの時代にはとても興味があって...
    宋家の三姉妹とか、1911とか映画も見たり
    蒼穹の昴や中原の虹、ラストエンペラー...


    激動の時代だからこそのネタには事欠かないのでしょうが、
    この作品はそんな中でも政治に関わらない一農民(の家族)の
    姿を描いたと言う点で秀逸でしょう。


    革命があり、飢饉があり、水害があり、それを強くたくましく乗り越えていく王龍とその妻。
    中国の人々の暮らしや風俗が、ここからも分かります。


    この妻がまた、素晴らしい。
    って言うか働き者すぎ。
    王龍の出世はもう完全にこの人のおかげ。
    労働者の妻の鑑ですよ、本当...
    よく子供元気に育ったなぁ~。
    やっぱりかまい過ぎるのもよくないんでしょうねぇ。


    作者は外国人ですが、とても中国を愛していたとのこと。
    外国人である意味特別である作者が、ここまで書けるのは、
    やはり人民の暮らしに深い興味を持って見ていたからなのでしょう。


    にしても、働く労働者が労働の内容はいろいろあるけれど、
    理由を見つけては少しでもお金をせびろうとしたり
    少しでも怠けようとしたりする姿には苦笑です。
    事実この通りだったんでしょうね~。
    監督する立場はほんと、大変(´・ω・`)


    辮髪が古臭い、と言われていたり、
    どの辺の話なのかな~と歴史を紐解くのですが、
    あまりはっきりとした答えは見つかりませんでした。


    それはきっと、民衆の暮らしは時代と関係なく流れていく部分が確かにあって、そのことを強調したかったのかも、と自分を納得させる(笑。


    もちろん革命や戦争などの大きな流れには少なからず影響はありますが...
    (2巻では三男が軍人になりますし)


    ともかく、中国の大地を愛し、大地から生命を得て、大地とともに生きてきた王龍。
    でもその息子たちは、どうやらその大地から離れて行ってしまうようです...
    二代目ってねぇ...いつの時代もねぇ...(o_ _)o.。oOO


    待て次号。(笑

  • 高校時代に出会った本。 一気に引き込まれていく内容。波瀾万丈。

  • 全四冊の中でいちばん読み応えのある第一部を収録したのがこの巻.だから,この巻だけ読んでもいいが,他の巻も読むと全体としてはもっと良い.立体的になって,深みがでる.全体の感想は第四巻で.

    ここでは今更ながら,ちょっと気になったことを書いておく.
    手元にある本(第四巻)は,1997年の一刷で定価は700円.今2012年は987円.すごい値上がり.これじゃ,中学生とか高校生はおこずかいで四巻買うわけにはいかないだろう.そして本は売れなくなる.

  • 1巻の最後の言葉が、話を特徴付けている。

    「安心してください、お父さん、土地はけっして売りません」

    土地は売らないが、人間は売買する。

    そういう文化、そういう時代があったのだ。

    人間の尊厳よりも、自然の大地の方が強い。

  • (欲しい!/文庫)

  •  面白かったです。学生のころよんだ「ブッデンブローク家の人々」をもっと分かりやすくした感じでした。続きが楽しみです。
     これを書くにあたって、ウィキペディアで作者を調べたら女性でした。

  • お湯に茶葉一枚入れたものが、庶民のお茶なんだ、と今でも自分でお茶を入れると思う。印象深かった。
    島国日本では、大地という言葉が似合う場所は少ない、と感じたのはこの作品と「風と共に去りぬ」。

  • (四)に記載

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著者プロフィール

1931年横浜生まれ。翻訳家・横浜市立大学名誉教授。おもな訳書に、ドラブル『碾臼』、ロレンス『息子と恋人』、ブルックナー『秋のホテル』、『オーウェル評論集』など多数。2018年没。

「2022年 『インドへの道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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