大地 (4) (岩波文庫)

制作 : 小野寺 健 
  • 岩波書店
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003232040

感想・レビュー・書評

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  • 山﨑豊子『大地の子』と同じ中国を背景にしたせいか、同質性を探ってしまう。人間も植物と同じように、種がまかれた時期・土壌に影響されて一生を過ごす。自分だけの力では生きてはいけない、逆に他からの圧力から逃れる事も出来ない。

  • 匪賊と革命軍、古い価値観と新たな価値観。女性に結婚の選択権が無かった近代の中国。混乱期に西欧文化が侵食し、混沌としながらも少しずつ落ち着き、変貌を遂げた。その過渡期、王龍の孫にあたる王元を通じ、時代の劇的な変動と共に、旧価値観から見えるもの、新たな価値観から見える世界を味わわせてくれる。

    何かを手に入れるとは、どういうことなのか。王家は、結局、何も手に入れていないのか。快楽を得るだけが旧価値観との言葉も出てくるが、しかし、では、ここでいう新価値観とは何なのか。我々は、ただ、繋いでいるだけなのかも知れない。同じ時代背景からリアルさを感じるならば、ユン チアンのワイルドスワンや、莫言の作品の方が良いかも知れない。

  • 突然,父から結婚を無理強いされて,親子の溝の深さを思い知った元は,父に決別し革命運動に身を投じようとした矢先,捕えられ投獄されてしまう.何とか難を逃れて海外に留学し,新しい知識と文化を吸収しながら,次第に母国への思いを深める元.革命を知って帰国した彼を迎えた中国の現実は,苦いものだった.(Amazonより)
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    壮大な?中国近代サーガ完結です!
    若く新しい男である王元は、留学生活の中でほのかな恋と挫折を味わいながらも貪欲に知識を吸収して祖国に役立てたいと奮闘します。

    大学の老教授と親しくなり、家族ぐるみの付き合いをするようになって、教会へも足を運んだり。

    この老教授いいですね~。
    新天地で不安になってる若者にとっては何よりもありがたいのでは?

    ここの娘と、淡い恋もあるのですが、なかなか手ごわい感じの女性です。

    ただ、祖国でも疎外感を感じていた彼は、留学先でも当然のごとく同様以上の疎外感を感じて引きこもってます。
    それで、何か違うと感じていたはずの祖国を美化し、懐かしく思い、中国の庶民の話をする牧師に大反論したり...

    でも、革命と聞いて戻ってきた祖国には、留学中に美化しすぎた部分もあってやっぱり馴染めない。

    うん、王元はあれですね、
    「ここではないどこか」症候群ですね。
    (←勝手に名付けた)

    どこにいても、自分の居場所はここじゃない、と思い悩んでしまうタイプ。

    そんな王元さんにはこの本をどうぞ!
    「置かれた場所で咲きなさい」
    by渡辺和子

    ってのは置いておいて、ともあれ最後は
    思いを寄せる美齢さんと結婚できそうで何より。

    無事に完結したのですが...
    個人的には、もう少し歴史的事実を加えて欲しかった。
    少しでいいの、少しで。

    たとえば、
    「間もなく辛亥の世が明けることになる」とか
    「世界は大規模な戦争に入って行った」とか
    その程度でもいいの。

    歴史的事実があればもっと、
    初代王龍二代目王虎、そして三代目の王元の
    生活や感情の移り変わりが納得できたかなぁ~って...

    書いてないわけじゃないのよ、もちろん。
    「革命」「戦争」の文字は。
    でもたくさん革命あったじゃない?
    戦争も日中とかアヘンとかあれこれあるじゃない?

    そのへんがもっと分かるとよかったなぁ。
    近代の人々の思いがせっかくぎゅっとつまってるんだから...

    誰かそのあたり、注釈付けて再発行してもらえないでしょうか~
    自分ではたぶん出来ないと思うので><

    ...ないよね(笑

  • 現代の感覚で読むと何マゴマゴしているんだと主人公に感情移入できないが、時代が大きく変わる様は面白い。

  • 今年の夏の長編読書.中学生の子供がとても感動していたと言っていたので読むことにした.
    20世紀初頭の大きく社会が変動した時期の中国を背景に描かれる王一族三代にわたる年代記.極貧から身を起こし大地主になる王龍,王龍の性格の全く違う側面を受け継いだ王一,王二,王虎.軍人王虎の息子,元は精神的には王龍の後継者だが,時代には抗しきれず,自分の存在の根源にある大地になかなか戻ることができない.
    私はその三代のいずれにもある部分で共感を抱きながら読んだ.中国の家族,社会を舞台にした小説だが,世代間の葛藤,夫婦の関係といった、いつの時代でも,そしてどこの国でも,多くの人がそれぞれの年代で出会うことが主題であり,そういう意味ではこの王一族の物語は読者の家族の物語でもある.

    素朴とまで言えるような,持って回った表現がほとんどない文章で,難しい語彙も全くなく,それこそ中学生でも十分読める.そして私のような年代で読んでも,あるいは何十年か経って読んでも,それぞれ,また違った感じ方で読むことができるだろう.懐の深い小説.

  •  中国の近代史のどの時点の話なのかが、今一よくわかりませんでした。

  • すすめられて読んだ本です。
    淡々とした文章が読んでいて心地よかったです。
    さまざまな登場人物が醸し出す人間像が興味深く、
    また人間の欲望が時代背景とともに
    変化していく様も3代に渡るストーリーだから
    描けたのでしょう。読み応えがありました。
    (一)が大地と結びついた人間本来の姿を描いていて
    評価も高いのでしょうが、私は(四)の王元の
    悩む姿に共感できました。

  • 王元の物語、つづき。

    時代も国も違うのに、共感するところが沢山あった。人物の心理描写が丁寧だからか。ノーベル賞作家ってすごいんだな。

  • 大地(1)に記載

  • 終わっちゃうのがもったいないくらいいいお話でした!

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プロフィール

宣教師だった両親とともに生後まなく中国に渡り、以後前半生を中国で過ごすユニークなアメリカ人作家。大学教育は母国アメリカで受けるが、結局中国に戻って宣教師の妻となり一時南京大学で英文学を教える。1931年『大地』を発表し1932年にピュリッツアー賞を受賞。『大地』は『息子たち』、『分裂せる家』とともに三部作『大地の家』を成す。1938年にノーベル文学賞を受賞。1934年、戦禍を避けて住み慣れた中国を離れて母国アメリカに永住。1949年共産党革命のため中国に戻る機会を失った。アジア通であり終生「東洋文化と西洋文化の架け橋」役を務める。戦前、長崎近郊で暮らした(疎開)体験をもとにして戦後まもなく書かれた『大津波』という子供向け短編が1960年に日米共同で映画化された。

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