熊: 他三篇 (岩波文庫 赤 323-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003232330

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  • 熊 他三篇
    (和書)2008年10月31日 15:41
    2000 岩波書店 フォークナー, William Faulkner, 加島 祥造


    熊はとても面白かったよ。
    南部アメリカの白人・黒人・インディアン・森・野生動物・そして木材工場等の関係の批判がとても秀逸でした。
    自己疎外しているものを自己批判しているのような感じ。マルクスとフォークナーを関連づけると面白そうな気がする。

  • なぜかフォークナーの描く昔の南部の白人と黒人やインディアンの人間模様が好きである。なにか温かいものがある。

  • 「熊」のみ読んだ。
    フォークナーに慣れていないからか難しい印象を受けたが、言葉の端々に見られるフォークナーの視点、特にラストの描き方にはっとさせられた。

    自然や人間の存在、生死とは何か、という問いが作品の背景にあるように感じた。
    特に、作中の自然の描写を読んでいると、自然自体が生死が同時に存在する大きな器であり、生命の象徴かのように思われる。
    また、少年が熊に会うために、”物を捨てて”森へ入り、ようやく熊に会えるというのは、なんだか、熊が少年の行動を知り、少年を認めているようで面白いと思った。
    物質主義的でない生き方の人間ならば、熊も人間を森に受け入れ、共存できたのだろう。

  • 短編4編から成る。森での狩りに焦点が当てられている。それぞれの話がリンクしているので、全体を一つとして読むことも可能。躍動感と少年の心的描写に優れていると感じた。狩りになじみのない日本人には少し共感しにくいかもしれない。

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著者プロフィール

一八九七年アメリカ合衆国ミシシッピー州生まれ。第一次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピー大学に入学するが退学。職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、『響きと怒り』(一九二九年)以降、『サンクチュアリ』『八月の光』などの問題作を発表。米国を代表する作家の一人となる。五〇年にノーベル文学賞を受賞。一九六二年死去。

「2022年 『エミリーに薔薇を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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