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Amazon.co.jp ・本 (350ページ) / ISBN・EAN: 9784003232354
みんなの感想まとめ
人間の意識の流れを巧みに描写した本作は、複雑な家族の物語を通じて、失うことの悲しみとその美しさを浮き彫りにしています。特に第一章は、作品全体の核心を成す重要な部分であり、読者にとっては試練とも言える読...
感想・レビュー・書評
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第一章を読み終えることができるかどうかが、本書を読了することができるかどううかを決めるだろう。人間の意識の流れをリアルに文章化するという試みであり、これほど読みいくい文章を他に知らない。頁内で数回という頻度で時代と場面が変換する。巻末の場面転換表と解説を見ながらでなくては全く理解できないと思う。しかし、この第一章こそが本書の最重要部分であることが読了後にわかる。
二章以降は、「アブサロム、アブサロム!」「八月の光」に比べると非常に読みやすい。これは原文がわかりやすいのか、翻訳がうまいのかはわからない。個人的には、代表作三作では「八月の光」が一番好きだが、本書も傑作だと思う。 -
2023年6月22日読了。
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ああ、家族ってこうだよな、と思う。上巻では家族同士の細部の関係、微妙な距離感まではわからなかったのだけど、下巻でやっとつかめた感じ。一つの家に暮らすって、血の繋がった家族だろうと、いや血の繋がった家族だからこそ?楽じゃない。ジェイソンは嫌なやつだけど、この環境でよく耐えたなとも思う。これだけの貧乏くじを引かされたら、お金を貯める唯一の楽しみくらいは見逃してあげたくなるが、それを容赦なくぶんどって逃げる姪クエンティン。ああ、やはり血は繋がっている。
終盤の、ディルシーを始めとする黒人たちの様子を見ていると、やはり人間て原始の暮らしに近いほど幸せだったのではないかと感じる。金や家柄や社会的地位や複雑化した宗教や、そういったものに囚われた人間たちの起こす自分で自分の首を絞めるような悲劇。そしてやがて豚の尻尾をもつ子が生まれ、家系は断絶する。クエンティンが近親相姦を犯したとは思えないが、このモチーフが「百年の孤独」につかながっていくのだな。同じ名前の人物が登場するところも。兄妹間の愛情の発露など、ところどころ、アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」を思い出す部分もあった。
これで「八月の光」「アブサロム!アブサロム!」と合わせて3作読んだが、わたしにはアブサロムが一番しっくりきた。やはりサトペンが強烈な印象を放っていたからかな。この「響きと怒り」に出てくる人物たちは、それぞれが「生きている」感じがして良い意味で普通の小説というか実際の人間に近い。これが一番しっくりくるという人もいるだろう。 -
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40066942 -
3.2
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さーっぱりわからん!巻末の解説を読んでわかった気になって終了。
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津村の読み直し世界文学の1冊。ほとんどが情景描写と会話である。太字の箇所も上巻ほど多くない。100年前のことなので、黒人が使用人となっているというパターン化として描かれている。
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ディルシーの一言「とにかく、おめえさんも神様の子供だで。オラだってそうだで、ありがてえ事だ。」
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下巻に記載。
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第三章は、コンプソン家の家長となったジェイソンの語り。第四章は、黒人の使用人ディルシーを中心に唯一客観的な視点で描写される。
ジェイソンと母キャロラインとのやり取りはどこまでも気が滅入る。血筋と名誉、それに女性の処女性は、もはや呪いのよう。
教会から帰るディルシーの涙はドラマチックだと思った。彼女が見つめてきた白人一家の崩壊、同時に解放や変化を予感させる最終章でもあった。 -
三章。ジェイソンの語り。ペシミストの母親、池沼の兄弟、放埒な姪を抱え、進学もできなかった彼は守銭奴の禁欲主義的ニヒリストになっていた。家のために自分を犠牲にされたという強い憎しみが行間から立ち上る。
四章はただ二日後。姪がジェイソンの貯めた金を盗んで逐電した。けれども、日常は続く。ディルシーは協会へ行き、ラスターはいきがってはヘマをし、‥‥
附録、コンプソン家の系譜にて、キャンディのその後のようなものも展開されているが、総ては憶測とされる。ジェイソンは彼女を捜さなかったし、姪は行方知れずだし、母が死んだ以上コンプソン家を憎む彼にコンプソン家を続ける理由はなかったのだ。
ディルシー。
彼らは忍耐した。 -
上巻に比べ下巻に入ると話しがすっきりする。
同じ名前で異なった登場人物が出てくるのでややこしい所がある。
没落していく名家、黒人のポジション等当時の南部の土壌についての知識がないと理解しづらい所があるのかもしれない。
いずれにしても海外文学に興味があるのであればぜひ読んでおきたい作品である。 -
下巻に入ると一気に視界が開けてきた。そこにあるのは未曾有の繁栄を享受していた北部から取り残された1920年代アメリカ南部の風景であり、奴隷解放宣言から半世紀が経つも未だ関係が改善されない人種の溝であり、逃れられない血の宿命を体現した家族の没落する姿であった。三部の視点主となるジェイソンは狂おしいまでに正気な人間だが、その生き方は彼が罵倒する黒人以上にしがらみと抑圧にまみれており、それは四部で描かれる使用人達のしたたかさと黒人教会での開放的な姿と対象形を成している。フォークナーの言葉は鈍器の様に重く、響く。
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全編を通して、プライドが高いのにイジけている母親に苛々する。この人を育てられたせいで、コンプソン家の子供たちはまともに育たなかったのでは、と思ってしまった。要再読、二回目にまた違う発見がありそう。
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