アブサロム、アブサロム!(下) (岩波文庫)

制作 : 藤平 育子 
  • 岩波書店
4.37
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本棚登録 : 147
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003232378

作品紹介・あらすじ

憑かれたようにサトペンの生涯を語る人びと-少年時代の屈辱、最初の結婚の秘密、息子たちの反抗、近親相姦の怖れ、南部の呪い-。「白い」血脈の永続を望み、そのために破滅した男の生涯を、圧倒的な語りの技法でたたみ掛けるフォークナーの代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 最近になってラテンアメリカ文学や中上健次の面白さがわかるようになり、そこから遡ってゆくと、たどりつくのが実はこのフォークナーの「ヨクナパトーファ・サーガ」。架空の土地ヨクナパトーファ郡ジェファソンを舞台にしているいくつかの作品群ですが、その代表作がこの『アブサロム!アブサロム!』。読めばなるほど、中上健次の路地ものなんかは、間違いなくこの作品の影響下にあることがわかります。構成は複雑だし、ときどき付録の家系図眺めて人間関係をチェックしなくちゃいけないけど(笑)、そういう煩雑さを補ってあまりある面白さ。

    • 淳水堂さん
      yamaitsuさん こんにちは。

      ブクログネットサーフィンしていたら辿りつき、お邪魔させていただきました。
      好きなジャンルもあった...
      yamaitsuさん こんにちは。

      ブクログネットサーフィンしていたら辿りつき、お邪魔させていただきました。
      好きなジャンルもあったり、全然読んだり見たことないジャンルもあったのですが、レビューが面白くてどれも読みたく(見たく)なってしまいます。

      >ラテンアメリカ文学や中上健次の面白さがわかるようになり、そこから遡ってゆくと、たどりつくのが実はこのフォークナー

      まさに私もそうです!
      好きな本から色々なところへ繋がっていって、読みたい本が増えるばかりです。

      …ところでところどころの映画レビューで「ギンレイホール」が出ていましたが、もしかして出没範囲が同じかもです(笑)
      でも私はもう10年くらい行ってないのですが…。
      以前は「若きディカプリオ二本立て」とか、「映画を見て泣いたらロビーで同じく泣いてる会社の人とばったり」とかやってました。

      それではこれからもよろしくお願いします。

      2015/05/01
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、コメントありがとうございます!(ここで返事して見ていただけるものかしら?)

      私もたくさん淳水堂さんの本棚拝見させてもらいま...
      淳水堂さん、コメントありがとうございます!(ここで返事して見ていただけるものかしら?)

      私もたくさん淳水堂さんの本棚拝見させてもらいました。被っているものも被っていないものも、これは!と思うレビュアーさんを見つけるとついついあれもこれも読み耽ってしまいます(笑)

      ギンレイホールは、私は10年越しの会員です(笑)出没範囲、かぶっているかもしれませんね!どこかですれ違っているかも・・・?

      こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。
      2015/05/04
  • 混血を許容できなかったゆえの一族の衰退。
    ボンが不憫。父親に一言だけでも声かけてもらいたかったんだね…。

    この話はクエンティンとの影響という観点から見ても面白い。妹への執着、理想化あたりはヘンリー、ジュディス、ボンの3人の話から感化された可能性ありそう。『響きと怒り』と併せて再読したい。

  • 長いセンテンスが多く本当に読みきれない、他人に語る長いメッセージというものは届かないものだなと実感

  • シュリーヴとクエンティンが、サトペンやその子供たちについて語る?議論し合う?下巻。重厚な畳みかけ、繰り返される主題の本質は、結局彼らの言葉を読んでいて掴めるわけではないけれど、しかし真理に触れていきそうで旋回するその虚像たちはとても濃厚で、物語の真理以上に物語らせるフォークナーの筆致に呑まれる。訳すの、本当に大変そう‥‥すごいなあ。
    ようやく、四年かけ、ボンを兄と認め、妹への近親相姦を許したヘンリーにさらに畳みかけられる真実は鬼気迫る。「それじゃあ、君が我慢できないのは、人種混淆の方であって、近親相姦じゃないんだね」「あなたは僕の兄さんなんです」「いや、そうじゃない。俺は君の妹と寝ようとしている黒人なんだよ。君が止めなければね、ヘンリー」
    「わからないかい? それは彼が心の中でこう思ったからなのさ、「もしヘンリーが本気でああ言ったのでなければ、何の問題はない、もしそうなら、自分が写真を抜き取って破ってしまえばいい。だが、もし本気でああ言ったのだったら、彼女に向かって、自分はだめな人間だから、自分のことなんかで悲しまないでください と言うためには、それしか方法がないだろう」と。そのとおりじゃないかい? そうじゃないかい? 絶対そうじゃないかい?」

    貧乏、格差、人種混淆、近親相姦、戦争、血、罪のありかは、勿論あかされない。そんな簡単に南部が語りきられるわけがない。シュリーヴに問われ、クエンティンは答える。南部を、憎んでなんかいるもんか! そういうものではない。土地のその磁場を濃厚に描いた、強く濃厚な作品。

  • [アメリカ南部の歴史の芋] アメリカ南部の南北戦争前後の歴史をサトペンという人物を通して描いた壮大な歴史的小説。

    佐賀大学 : Hiro

  • 上巻は(書かれる内容は岩波版だからかていねいに前もって解説されてるけど)複雑すぎる文体に苛々しながら読んだ。
    下巻はもう一息に読むって決めて読んだら、すごい感情移入した。
    近親相姦への恐れだとか後半の人種差別の意識だとかにも濃さを感じたが、一番胸に迫ったのは父親にけして認知されない息子ボンの描写だった。あと、後半で65歳の執念深いローザ叔母さんの挙動に萌えた。
    でもやっぱり俺みたいなちっぽけな人間には、空間的にも歴史的にも大きすぎたわ。

  • 岩波文庫:赤 080/I
    資料ID 2012200207

  • 下巻では物語はサトペン一家からの視点へ。
    ただし語り手はクエンティンとシュリーヴ。上巻で既に明らかになったように、この物語では語り手が変われば、その主観によって細部が変化してくる。その上この二人は様々な状況証拠から見知らぬ物語を再構築しているに過ぎない。さて彼らの推測はどこまでが妥当なのか。それを踏まえて読むとぞくぞくするような面白さがある。

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