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Amazon.co.jp ・本 (174ページ) / ISBN・EAN: 9784003232415
感想・レビュー・書評
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岩波文庫版ではなく、荒地出版社の現代アメリカ文学選集版で読了。こちらの訳は伊藤整である。
「一七一四年七月二十日、金曜日の正午にペルウで最も美しい橋が壊れた。その上を歩いていた五人の人間は深い谷の底へ落ちた。」という書き出しで始まるこの物語は、偶然この事故(椿事)を目撃したフランシスカン派のフニペル神父がこの5人がなぜこの椿事で死んだのかを考察するために書いた詳細なレポート、という体裁をとっている。これだけでもかなり興味深い。そしてまたこの5人が数奇な縁で結ばれていたり、さらに神父はこのレポートのせいで邪宗的とみなされて火炙りになってしまうとか、いやいやいや。
神父はこんな不慮の事故で死んじゃう人は善良さや敬虔さや有用さに何か問題があったんじゃないかとか考えて考察しようとしてるわけですよ。さらに亡くなった一人ひとりの物語がとてもおもしろくて、作者はアメリカ人なんだけど舞台がペルーなせいかラテンアメリカ文学のように感じた。
解説で伊藤整が「一度この作品を読んだ人は、決して忘れることができないだろう。そしてその人が愛情とか孤独とかいうことで苦しむようなことがあると、またこれを思い出して、もう一度読んで見ようと思うだろう」と書いている。同感‼︎
あと、同じく解説に、A.D.ディッキンスンが1926から1939年に至る10年間で発行された最良の小説として、この小説とウィラ・ギャラガーの『死を迎える大司教』などをあげているとあり、あらこれ、なんか聞いたことあるぞーとピンときたのは過日読了した須賀敦子訳の『大司教に死来たる』のことではないか‼︎そうだよ!同感だよ!ディッキンスン‼︎詳細をみるコメント0件をすべて表示
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