ブラック・ボーイ 上 ある幼少期の記録 (岩波文庫 赤328-1)

  • 岩波書店 (2009年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (364ページ) / ISBN・EAN: 9784003232811

みんなの感想まとめ

この作品は、黒人作家の自伝的な物語であり、南部における黒人社会の厳しい現実と、そこからの脱出を描いています。特に、白人からの差別だけでなく、黒人同士の束縛や暴力が中心テーマとなっており、主人公の少年時...

感想・レビュー・書評

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  • 黒人作家リチャード・ライトの自伝的作品。
    この上巻では、白人からの差別というよりもむしろ、黒人社会のなかでの息苦しい束縛や暴力が多く描かれているけれども、やはりその根っこにあるのは南部に根強く、激しく存在する差別なのだということがわかってくる。自分たちの生活を守り、なにがしかの食い扶持をかせぐため、白人のまえではおとなしく、あいそよく、無学であるようにふるまい、キリスト教の信仰の枠できっちりと互いを監視し合う。そこからはみ出してしまうライトにとっては、どこにも居場所がないと感じられる少年時代だったわけで。

    訳文はとても読みやすく、滋味にあふれ、ときおりはさまれるライトの美しい描写がフルに生かされていると思う。

    『ゴースト』のジェイソン・レノルズが初めて読み切った小説。これからも読みつがれていきますように。

  •  黒人作家の作品を初めて読んだ。リチャード・ライトの自伝的小説で「ある幼少期の記録」というように、彼の生まれた南部を脱出するまでのことが描かれている。

     世界中で虐げられている人々は、ユダヤ民族や、奴隷として連れてこられたアフリカ系黒人、朝鮮半島での両班(ヤンバン)に虐げられた賤民が思い浮かぶ。

     そんな中でもいわゆる黒人と言われる人々の文学には触れたことがなかった。今回この「ブラック・ボーイ」でアメリカの、それもアメリカ南部の独特な黒人に対する白人の接し方、アメリカ社会における黒人のおかれた立場を垣間見る思いがした。いろんな本やドラマ、映画で知っているつもりだったのに、読んでいてあらためて衝撃を受けた。それはやはり作家ライト本人が黒人であり、その人生の一部を落ち着いて赤裸々に語っているからだろう。

     翻訳は野崎孝氏だ。「グレート・ギャッツビー」などアメリカ文学を多数手掛けている。とても読み易いと思えたのも、氏の翻訳が良かったからなのかもしれない。

  • この巻では白人はあまり出てこない。
    生まれた家庭での虐待や抑圧が凄まじい。ここからどうやって文学者リチャード・ライトが出てきたんだ?

  • 4.31/86
    内容(「BOOK」データベースより)
    『Change!をうたう21世紀のアメリカ。だが1世紀前は?没後50年になる黒人作家ライト(1908‐60)が証す凄まじい貧困。南部に生まれた気性烈しい子供は、大人への妥協を拒み衝突を繰返す。叔父が殺され初めて人種を意識した事件、南部の苛烈な現実へのめざめを湛えた少年の眼。叙情とバイオレンス漂う自伝小説。』

    原書名:『Black Boy』
    著者:リチャード・ライト (Richard Wright)
    訳者:野崎 孝
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 : ‎361ページ(上巻)

  • 読みやすかった!約100年前の黒人少年が体験する人種差別とか偏見とかプライドとか学校生活とか宗教とか親戚関係とか。

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著者プロフィール

(Richard Wright)1908-1960。ミシシッピ州生まれ。激しい人種差別のなかで育ったが、15歳のころに文学に目覚め、19歳で小説家を志してシカゴに出る。さまざまな職業に就きながら文筆の道を模索。主要作品に『アンクル・トムの子供たち』、『ネイティヴ・サン』、『ブラック・ボーイ』、『アメリカの飢え』などがある。

「2024年 『地下で生きた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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