アメリカ名詩選 (岩波文庫 赤335-1)

  • 岩波書店 (1993年3月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (350ページ) / ISBN・EAN: 9784003233511

みんなの感想まとめ

アメリカ詩の多様性と魅力を感じることができる一冊です。数多くの詩人の作品が収められており、英語が苦手な方でも楽しめる内容となっています。特にディキンソンやフロスト、エリオットなど、名詩人たちの独自の視...

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの名詩のアンソロジーですね。
    訳と編集は、亀井俊介さん、川本皓嗣さん。
    四十人の詩人と九十の詩篇プラス十の引用詩篇で構成されています。
     象徴詩、ロマン詩、民衆詩、など。
     アメリカの詩は、どちらかと云うと、生活に根ざした、庶民の魂の歌が多いのが特徴ですね。

        「ぼくはぼく自身をたたえ」
            ウォルト・ホイットマン

     ぼくはぼく自身をたたえ、ぼく自身をうたう、
     ぼくが見につけるものは、君も身につけるがよい
     ぼくに属するいっさいの原子は
       同じく君にも属するのだから。

     ぼくはぶらつき、魂を招く、
     ぼくはのんびりともたれ、ぶらつき、
       夏草のとんがった葉を見つめる。

     ぼくの舌、ぼくの血のあらゆる原子は、この土、
       この空気からできている。
     この地で親から生をうけ、親もまた、
       そのまた親も同様に生をうけ、
     ぼくはいま37歳、申し分なく健康で、出発する、
     死の時まで止むことのないように願いながら。

     教義や学派はほうっておき、
     そのままでよしとして、ただ記憶にとどめながら
     、しばらくは引き下がり、
     ぼくはとにかくかくまってやる、危機をかえりみ
     ず語らせてやる、
     本念の活力をもった融通無碍のわが本性に。

        「小鳥が歩道をやって来た」
            エミリ・ディキンソン

     小鳥が歩道をやって来た――
     わたしの見てるのも知らないで――
     ミミズを半分に噛み切って
     生のまま食べちゃった――

     それから露をひとすすり
     手近のくさを口に寄せ――
     それから塀の方に横っとびした
     甲虫を通してやるために――

     いそがしい目で見まわした
     きょろきょろと四方八方――
     おびえたガラス玉のような目だった――
     ビロードの頭がびくっと動いた

     危険にさらされた者のように、用心深く――
     わたしがパンの端をやると
     おもむろに羽根をひろげ
     そっと家路に漕ぎ出した――

     継ぎ目も見えぬしろがねのうみを
     かき分けるオールよりもそっと――
     正午の土手から飛び立って
     水音もさせずに泳ぐ蝶よりもそっと――

          「窓辺の朝」
            T・H・エリオット

     地下の台所で朝食の皿がかたかたと音をたて、
     踏みにじられた道路のへりに沿って、
     住み込み女中たちの湿った魂が、地下へ続く
     勝手口のあたりに、しょぼりと
       芽を出しているようだ。

     茶色い霧の波が、ゆがんだ顔のいくつかを、
     通りの底からこっちへ投げ上げて、
     通りすがりの泥んこスカートの女から、
       あてのない微笑みを引っ攫うと、
          その微笑みはしばし
     宙を立ち迷ってから、屋根沿いに消えていく。


     アメリカの詩人たちは、個性の強いエンターテイメントがあるので、それぞれの味わいを堪能出来ます。
     日本では、十九世紀を代表されるエドガー・アラン・ポー、ウォルト・ホイットマン、エミリ・ディキンソンが事に有名ですが、二十世紀に入ってからは、エリオット等が台頭して、ミュージカル、映画、テレビなどで、その活躍が高まりました。
     詩集としてと言うよりも、フレーズを耳にしたり、眼にすることが多いようですね。
     アメリカ音楽の普及も、一つの要因と言えるでしょう。
     対訳で、アメリカの詩を魂(SOUL)で感じるのもひとしおですね(=^・^=)

  • ノーベル文学賞/ルイーズ・グリックにみるアメリカ詩への誘い 江田孝臣:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/65816?rct=book

    アメリカ名詩選 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b247584.html

  • アメリカ詩の詩人がたくさん集められていて、アメリカ詩を知るのにとりあえずは満足。英語は苦手だが、よかったと感じたものは、またいつか読み直そう

  • 最近コインランドリーにちょっと本持っていくのにはまっていて、10年ほど本棚に眠っていたこちらを持参しました。あと、ロバート・フロストにもちょっと興味あったので。
    ついでに英語の学習もできればと思いましたが、難しくて速攻で諦め笑 普通に訳語で詩の世界を楽しみました。
    ただ、やっぱり言葉遊び的な楽しみという部分では、原語が理解できないと厳しいですよね。
    書かれた背景や人物像についても丁寧に解説が入っていて勉強にはなりました。
    イギリス詩は、その大きな歴史に沿うか、反発するかの選択があるけれど、人造国家アメリカでの詩は、そのイギリスの文化の流れに対して抵抗するしかないという話には納得しました。そのため、様々なバックグラウンド(農民から保険会社副社長まで)を持った詩人が登場したらしい。

  • ぜんぜん知らない世界。ホイットマンやディキンソンってこういう詩なのか。

  • 新書文庫

  • Success is counted sweetest
    (Requires sorest need)

    Poetry Marianne Moore

  • 米国のすぐれた詩を100選んだというが、冒頭で亀井氏が引用している内村鑑三の感想と残念ながら同意せざるを得ない印象だった。美的世界を感じる英国詩に比べ、生硬、反美的、普通の生活の言葉が多過ぎるように思うからだ。やはり詩に抒情性を求めたい私としては、義理で読みとおしたというところ。(勿論日本語訳のみ。英語も時々読んでみたが平易な言葉が多く、一度は久しぶりに英語の復習目的で、英国詩にチャレンジしたいと思った)ロングフェロー、ホイットマンぐらいしか名前も知らなかった。

  • これもコンパクトにまとまっていていいですねー。

    もっと現代の人も載せてほしかったなー。

  • 英国詩とは一味違う魅力を持つ米国詩。その魅力は伝統に頼らない詩人たちの強烈な個性。世界屈指の大詩人と謳われる鬼才ポー、ホイットマン、ディキンソンをはじめ、米国詩の発展に貢献した詩人らの作品を100篇収録。対訳における注釈と巻末の「詩人小伝」により、米国詩へのさらなる理解へと導かれる。内村鑑三をうならせた名詩選の数々。

    【九州ルーテル学院大学】ペンネーム:はま

  • 英語と日本語の対訳詩集。とくにポーのアナベル・リーの詩が印象に残っている。

  • ホイットマン、エミリ、ウィリアムズ。

  • 所収の詩「ひとつの術」(エリザベス・ビショップ)

  • W・C・ウィリアムスやホイットマンといった詩人を知るきっかけを作ってくれた詩集です。
    言葉の勢いに酔ったし、少し英語が好きになれた。

  • ホイットマンのアメリカ、ギンズバーグのアメリカ、自由な詩人たちのアメリカはどこへいったのだろうか。

    詩の伝統のなにもないところに詩的世界を築こうとしたアメリカの詩人たちの力強さを感じると、何か涙が出てきたり、もうちょっとだけしっかり生きてみよう、という気になったりする。

  • アメリカ詩100篇を原文に対訳をつけた形で収録、巻末には註と小伝もついていて、入門には非常に適した文庫となっている。詩を翻訳で読むのはナンセンスだが、こうして対訳を添えた形であれば、原文に触れるための橋渡しとして翻訳は大きな役割を果たす。<br /><br />
    ホイットマンやエリオットはさすがにカバーし切れていない感があるが、ディキンソン、フロストやウィリアムズの代表作は押さえてある。収録されている詩人はホイットマン、ディキンソン、フロスト、スティーブンズ、ウィリアムズ、パウンド、エリオット、レトキー、ローウェル、スナイダー他40名。<br /><br />
    岩波からは他にイギリス名詩選や中国名詩選も出ている。

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著者プロフィール

1932年、岐阜県生まれ。55年東京大学文学部英文科卒業。大学院で比較文学比較文化を専攻。文学博士。東京大学名誉教授。著書『近代文学におけるホイットマンの運命』(研究社、1970、日本学士院賞受賞)、共著『亀井俊介と読む古典アメリカ小説12』(南雲堂、2001)、『語り明かすアメリカ古典文学12』 (南雲堂、2007)他多数。

「2021年 『物語るちから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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