魔法の樽 他十二篇 (岩波文庫)

  • 岩波書店
3.81
  • (10)
  • (12)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 180
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003234013

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 渋いなあー。渋さって舌の下のふちに吸い付くような感じで刺さってくるよね。
    ロシア系のユダヤ人、奥さんがイタリアカソリックなので他のイーディッシュ文学とまた毛色違う感じ。文学度は高い。
    戦後のユダヤ人の人生の見つめ方って、でかいホースから泥水を噴射するようなイメイジッ。

    なんかこの人は諦め感が強い感じ。誇りを持ってない訳じゃない、しかし敢えて自分がユダヤ教を選んだ訳ではなく、家族がユダヤ人だっただけだ、というような。この辺の感覚が日本人の宗教感と合っているような、そうでもないような。2つ位既読。

  • 白水社でたしか一冊読んだきりだったので、短編ということで購入。いわゆる、淡々とした人物描写をしてゆく作家ではあるが、そこにユダヤのイディッシュが入り込んでくる感覚が少し面白い。

  • 短編集ですが、どの作品も、基本的には極悪人ではない普通の人だけどそれなりに卑怯だったり利己的だったり嘘つきだったりして、その上貧乏なのでなんとなく嫌な目にあったり誰かを嫌な目にあわせたりする・・・みたいなお話ばかりで、なんだかモヤモヤが残りました。人間の駄目な部分に関する観察眼は鋭いし、お話の作りも上手いのでするする読めてはしまうのだけれど、爽快感とか感動とかは全くなかったです。

    ぎりぎりハッピーエンドと解釈できなくもないのは「天使レヴィン」と「ある夏の読書」くらい。表題作の「魔法の樽」は、今でいういわゆる婚活中の主人公(27歳学生)が、結婚紹介人を通じて結婚相手を探す話なのですが、これは現代日本でも婚活サイトなんか使ったら同様のトラブル続出だろうなと思わせる妙なリアリティがあってそういう面は面白かったのだけれど、あまり主人公に共感してあげられないのでラストのオチも解釈がちょっと難しかった。

    ※収録作品
    「はじめの七年」「死を悼む人々」「夢にみた彼女」「天使レヴィン」「ほら、鍵だ」「どうか憐れみを」「牢獄」「湖の令嬢」「ある夏の読書」「請求書」「最後のモヒカン族」「借金」「魔法の樽」

マラマッドの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アントニオ・タブ...
ジュリアン・グラ...
小川 洋子
ブライアン エヴ...
エイモス・チュツ...
サン=テグジュペ...
M.バルガス=リ...
ジェイムズ・ジョ...
三浦 しをん
バルガス=リョサ
ジュリアン・グラ...
パヴェーゼ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×