風と共に去りぬ(六) (岩波文庫)

制作 : 荒 このみ 
  • 岩波書店
4.29
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本棚登録 : 20
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003234266

作品紹介・あらすじ

スカーレットとレットにボニーが生まれる。レットは娘を溺愛するが、スカーレットはアシュリーを忘れられず、レットとの関係は次第に冷えていく。やがて起こる決定的な出来事…。厳しい再建時代にも終わりが見え、南部も新たな時代へ。壮大な物語、全六冊完結!

感想・レビュー・書評

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  • 2017.06.23

  • 3.8

  • 出色のヒロイン、スカーレットの物語は、過去に読んだアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」にあった次の一文を思い起こさせる。

    「円は自然にかなう運動であり、私たちの周囲の無生物界にあるのは円運動だけだと人は言うけれど、直線が人間の記章なのだ、と彼女はおもった」

    スカーレットは行動する。摂理にかなう円運動ではなく直線を引こうとする。彼女の直線運動はたいていの場合、惨めで呪わしい結果を生む。愚かなのだが愛さずにいられないのは、愚かさゆえ。

    よりどころ、たよるべき人を貪欲に求めて鞍替えしていく姿は、浅ましい。だが悪徳も魅力と思わせる描き方がされている。彼女の生き方が呼ぶ波紋を通して、南北戦争前後のアメリカ社会を知ることができる。

    また一方で2つの比較、豊かなタラ農場の土の匂いと、興っては滅びそしてまた復興する人工的なアトランタの街との、対照が鮮やか。たしかなものは大地のみであり、スカーレットの生きた証である直線運動も、俯瞰してみれば円運動なのだという気がしてくる。

    本書は荒このみさんの訳が小気味良い。また各巻の解説が充実しており、これを読むためだけでも、岩波文庫を選択する価値があると思う。

  • 荒このみさんには時代背景の理解が必要で今の言葉で翻訳すべき作品を手掛けて欲しい、フォークナーやヘミングウェイやスタインベックや......

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