暗闇に戯れて 白さと文学的想像力 (岩波文庫 赤346-1)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 岩波書店 (2023年9月20日発売)
4.11
  • (9)
  • (5)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 247
感想 : 22
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (174ページ) / ISBN・EAN: 9784003234617

作品紹介・あらすじ

現代アメリカ文学を牽引し、その構図を一変させた稀有の作家による、革新的な批評の書。ウィラ・キャザー『サファイラと奴隷娘』、ポー、トウェイン、ヘミングウェイらの作品を通じて、アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを明るみに出し、構造を鮮やかに分析すると共に、その限界を指摘する。

みんなの感想まとめ

テーマはアメリカ文学における人種差別の構造を深く掘り下げることで、特に白人男性中心の視点に光を当てています。読者は、トニ・モリソンの鋭い洞察力や分析手法に感銘を受け、彼女の作品を通じて文学の新たな視点...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • Toni Morrison's "Playing in the Dark" (2007): Overview
    https://scalar.lehigh.edu/toni-morrison/toni-morrisons-playing-in-the-dark-a-detailed-overview

    トニ・モリスンが教えてくれた鮮やかな世界 | GQ JAPAN(2019年8月22日)
    https://www.gqjapan.jp/culture/article/20190822-mourning-toni-morrison

    トニ・モリスン氏が死去、米黒人女性初のノーベル文学賞作家 - BBCニュース(2019年8月7日)
    https://www.bbc.com/japanese/49259982

    朝日新聞出版 最新刊行物:選書:白さと想像力
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=2405

    暗闇に戯れて - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b631509.html

  • 米国は黒人差別に対する言説が独特の先鋭化を遂げていると思うが、トニ・モリソンのものは重要だろう。良い本だが内容はけっこう難しい。文章も難解だが、挙げられている本がマイナーでほぼ知らない。自分の見識のなさもさりながら、ヘミングウェイでも「持つと持たぬと」「エデンの園」。マッチョなヘミングウェイの無自覚の差別、劣った異質なものとして持ち出す「ニグロ」の説明は興味深かったものの。
    値段の話をするのはなんだが、本文は130ページ、訳者解説が同じくらい、薄い本で900円。文庫本は500円でお釣りがくる時代からは値上がりしたよね。

  • トニ・モリスンやアメリカ文学に全く興味ない場合は読むのはちょっと厳しいかもしれないが、アメリカの人種差別の構造を暴き立てる素晴らしい批評本。ただ、かなり高度な文化批評となっていて、本文読んだだけでは中々理解がし辛いというのが正直な感想。もし読むのなら文末の解説から読むことをおすすめしたいです。

  • 大学の講義を元にしたもの。なので専門的で分かりにくい。だが言わんとするところは今となっては当然と思われること、アメリカの移住者の自由のために黒人は作られたのだ。
    訳者の解説が丁寧でかなり理解の助けになった。

  • やさしく持論を説明してくれることはなく、非常に難解なので、訳者解説にたいへん助けられる。しかし、モリスンは「アフリカニズム」「ロマンス」などのことばを使って難解な理論を提示するに終わらせず、テクスト読解を実践するそれを読むと、読者はモリスンの言いたいことが具体的に理解できるようになる。すなわち、白人男性中心主義をあぶり出すべく、モリスンがトウェイン、ヘミングウェイなどのテクストを読解して見せるくだりはたいへんスリリングである。

  • 都甲先生が訳していたので。
    ブロティーガンやブコウスキーを読んだ時からの何となくの直感だけど、アメリカ人の抱える悲しみは絶対日本人のそれに通底するところがある。
    被差別階級を非人間的な存在として苦しみから逃れるとか、いやもっと言語的なレベルで…
    本編もよかったけど、先生の解説だけでもかなり読む価値がある。今まで白人が差別してきた人々が自由を獲得し、境界線を侵犯してくるのではないかという不安を描く上でゴシックロマンスという形式が最適であったとか、「中立的」「科学的」言説と人種主義の強い力だとか。
    ヘミングウェイと看護師もフェミニズム的に読むと面白そう。白人が白人ぽさを出すために髪を染めるとか、すごくかなしいなとも思った。

  • そうか、わたしはアフリカ系の人が書いた本を読んだことがないんだ。
    いままで意識していなかったけど、本書を読み進めるうちに気がついた。

    「奴隷たちの心や想像力や振る舞いに目を向ける学問には価値がある。けれども、主人たちの心や想像力や振る舞いに人種のイデオロギーがどんな影響を与えたかを見ようとする本気の知的努力にも、同様に価値がある。」

    モリスンは「白人男性至上主義」「進歩史観による人種主義」これらで構築された、普遍的な価値が評価する、アメリカ文学を「黒人奴隷が白人アイデンティティに与えた影響」として、ヘミングウェイやハックルベリーフィンの冒険を例に具体的に考察している。

    黒人たちは、強制的にアフリカから連れてこられたにもかかわらず、白人の自己保身のために動物的な階級へ格下げされ、人間的な意思疎通の可能性を閉ざされ、呪物化されて恐れられ、白人たちの醜さを投影され、貶められた。

    当事者側からなされたこうした指摘や考察は、今後あらゆる分野で必要になってくることだろう。
    ジェンダー、フェミニズム、貧困格差。
    当事者の視点を受け入れなければ、それはいつまでも前時代的な何かのまま、止まってしまう。

    本書を読んでいる最中、偶然、日本の音楽グループがMVでコロンブスとナポレオンとベートーヴェンに扮して、新大陸発見と類人猿との踊りを演出し、炎上したというニュースがあった。
    知らないということがどういうことなのか。
    それを改めて知る良い機会となった。

  • 難解!
    訳者解説で光明が見えた。

  • 黒人。この言葉は使いたくない。

  • タイトルから小説と思っていたが、評論であった。大学での授業をもとにして議論を進めたと書かれている。様々な小説、ヘミングウェーの小説の問題点も指摘している。アメリカ文学を卒論で扱うときには必須の本であろう。解説が1/4以上を占めているし、本文も140ページしかないので、解説から読むのもいいと思われる。

全11件中 1 - 11件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1931-2019年。作家。米国オハイオ州ロレイン生まれ。ハワード大学を卒業後、1955年にコーネル大学にて英文学修士号を取得。出版社で編集者として働きながら執筆を始め、1970年に『青い眼がほしい』を発表。その後、『スーラ』『ソロモンの歌』『タール・ベイビー』など次々と代表作を世に送り出す。1987年に『ビラヴド』を刊行、翌年ピュリツァー賞受賞。1993年には有色人種の女性として初めてノーベル文学賞を受賞した。

「2025年 『レシタティフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

トニ・モリスンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×