ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

制作 : 相良 守峯 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 365
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240113

作品紹介・あらすじ

ニーベルンゲンの宝を守る竜の血を浴びて不死身となったジーフリト。だが妃クリエムヒルトの兄グンテル王の重臣ハゲネの奸計により殺されてしまう。妃の嘆き、そして復讐の誓い。こうして骨肉相喰む凄惨な闘いがゲルマン的忠誠心の土壌のうちに展開する。均整のとれた美しい形式と劇的な構成をもち、ドイツの『イーリアス』と称せられる。

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 再読。ベーオウルフもイギリスといいつつ北欧が舞台になってたけど、こちらもドイツといいつつ、アイスランドの女王やらその他北欧の地名がやたらと出てきて広範囲。ていうかそもそも起源は北欧神話と同じなのだものね。と思うとヨーロッパの神話って実は全部ケルトと北欧起源で独自のものって少ないのかも。国じゃなく民族単位だとそうなっちゃうのだろうか。

    そんな感じなので一応前半の主人公というべきジーフリト(ジークフリート)に関しての伝説自体は(小人と戦って姿を隠せる隠れ蓑を奪ったとか、竜の血を浴びて不死身になったとか)は、他の話のついでにさらっと語られるだけで「みんな言わなくても知ってるよね?」みたいな扱い。むしろこの「ニーベルンゲンの歌」前半は恋愛もの要素のほうが強い。

    ジーフリトは美女クリエムヒルトを得たいがために、その兄グンテル王に取り入らんと、彼の恋に協力する。グンテルが恋した相手は美貌だけでなく腕力も兼ね備えたブリュンヒルト(ブリュンヒルデ)彼女はある意味、元祖「私より強い男としか結婚しないんだからね!」なツンデレ女王。

    グンテルでは彼女を倒せないため、隠れ蓑で姿を隠したジーフリトが代わりに彼女を倒し、さらにグンテルとの夜の営みを拒むブリュンヒルトを、またしても隠れ蓑ジーフリトが力づくで押さえつけて協力。正直男どもがクズすぎ。ブリュンヒルトが可哀想。

    あげくジーフリトの妻になったクリエムヒルトが兄の嫁ブリュンヒルトと女同士のマウンティング合戦のあげく「あんたなんて私の旦那にヤられたくせに!」ってバラしちゃったから当然ブリュンヒルトは激おこ。ジーフリトなんか殺しちゃって!って思うのも無理はない気が。

    正直ジーフリト暗殺の原因を作ってしまったのはクリエムヒルトだし、不死身の夫の唯一の弱点を敵であるハゲネにペラってしまったのも彼女なので、あんまり主人公夫妻に同情する気になれない。そもそもジーフリトがブリュンヒルトにしたことを思えば自業自得って感じ。英雄として微妙。

    • 淳水堂さん
      こんにちは!

      「ニーベルンゲンの歌」ではジーフリトとクリエムヒルトは最初から相思相愛、「ニーベルンゲンの指輪」ではジーフリとはブリュン...
      こんにちは!

      「ニーベルンゲンの歌」ではジーフリトとクリエムヒルトは最初から相思相愛、「ニーベルンゲンの指輪」ではジーフリとはブリュンヒルトと相愛だったが忘れ薬を飲まされて…だったので、いったいどっちなんだ?!ですよね。
      どっちにしろ男酷い、には変わらないけど(笑)

      映画版の「指輪」を見たのですが、
      ブリュンヒルト(クリスタナ・ローケン。ターミネーター3の女ターミネーターさん)が自分を迎えに来るはずの男が別の女を妻に迎え、自分を他の男に差出し、昔誓った愛を呼びかけても知らんぷり(すべて忘れ薬だからしょうがないんだが)、と言う態度に対して
      「これが男というものならもっと早く知りたかった!」というがまさにその通りだ(苦笑)

      2016/08/19
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こんにちは。コメントありがとうございます(*^_^*)

      起源が同じでもバリエーションが違う伝説がいっぱいあって、ジークフリ...
      淳水堂さん、こんにちは。コメントありがとうございます(*^_^*)

      起源が同じでもバリエーションが違う伝説がいっぱいあって、ジークフリートものはややこしいですよね~。この「ニーベルンゲンの歌」でも、ジーフリトがブリュンヒルトの元カレだった設定が若干残っているみたいで、二人が初対面ではないことや、ブリュンヒルトはグンテルよりジーフリトを「いいな」と思っているけど、ジーフリトが身分を偽っていたため「格下とはつきあえないわ」的な諦めをしているような描写がありました。

      「~指輪」は映画にもなっているんですね。見てみたいな!
      いずれにしても男どもが女心をわかっていないところは変わらず・・・というところでしょうか(苦笑)
      2016/08/22
  • 本来4行詩で表現されているので、日本語にするという試み自体に無理がある。小説的な要素もあるので、そちらのみ楽しむような感じになるだろうか。

  • グンテル王が悪いのでは・・・?
    自分のことは自分でしなさい。

  • 壮大なアイスランドのサガに比べたら、面白さが半減します。
    ジーフリトは女に狂って、ハーゲン公の手にかかり、あっさり殺されておしまい。
    クリエムヒルトよりはブリュンヒルトが好きなのですが、彼女にしても、もはやアイスランドの女王としか名乗らなくなったワルキューレです。
    正直、この話の中で誰が好きかと聞かれても、いないと答えるでしょう。
    物語としては完遂していますが・・・。

  • 血を呼ぶと予言されたお姫様の物語。めちゃくちゃおもろい。

  • ニーベルンゲンは上巻が好きだ。下巻のどろどろっぷりといったら
    しかしまあ、戦いのシーンは好きだが

  • ドイツの国民的英雄叙事詩
    1200-1205年成立?/作者不詳

    古典なので物怖じししていましたが、意外にも読みやすかったです。

    処女王ブリュンヒルトが好み。
    美しく膂力(腕っぷし)に優れた乙女で、彼女の愛をうるには三種の競技において、彼女に勝たねばなりません。しかも、もしも負ければ首を失う。すなわち愛か死かの賭を殿方に課する西洋版かぐや姫のような御方。

    そもそも凡庸なグンテル王が彼女を娶るため、不実にもジーフリントと彼女を謀ったのが悪い。(※英雄ジーフリントはグンテル王の妹姫を手に入れるため彼に手を貸す)

    英雄ジーフリントとクリエムヒルト姫が婚約の誓いを成したとき、唐突に泣きはじめたブリュンヒルトには思わず
    ブリュンヒルト→ジーフリント
    あるいは
    ブリュンヒルト→クリエムヒルト(百合)
    など様々に妄想してしまいました。
    (訳注にはジーフリントはブリュンヒルトとの愛の誓いを計略によって忘却しているという筋がかつてあったということなので、それを踏まえるとさらに萌えなのです……)

    三種の競技だけでなく、ブリュンヒルトとの夫婦の契りに関しても彼女に不実だった男二人には思わず「はっ……恥知らず~‼ サイテーだあ!」と漏らしてしまいました。

    その他では心踊るファンタジー・アイテムが登場します。勇者ジーフリントの名剣『バルムンク』や、侏儒(こびと)アルプリーヒの秘宝の『隠れ蓑』(ハリー・ポッターの『透明マント』はこれに着想しているのかな?)。女王ブリュンヒルトの帯や金指輪など。

    後編も楽しみです。

  • 4行詩で綴られた物語
    ドラゴンの血を浴びて不死身となったジークフリートは、数々の功績を挙げて念願の美女「クリエムヒルト」を妻に娶る
    しかしクリエムヒルトの兄とハゲネの謀略によりジークフリートは暗殺されてしまう

  • ジーフリトが悪い。自分の仕える主君の妃を貶められたら、ハゲネさんでなくとも怒り狂うわ。帯なんか盗まなければここまで人が死ぬこともなかったのに。

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