ゲーテとの対話 上 (岩波文庫 赤 409-1)

制作 : 山下 肇 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 659
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240915

感想・レビュー・書評

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  • エッカーマンが9年にわたる、ゲーテとの対話の数々を蒐集し、自身が価値ありと、あるいは珍しいと思ったものを文字で書きうつしたもの。
    世界的名著。

    一度読むだけでは到底理解の及ばないもの、これからも読み続けなければいけないし、その価値がある本。

    以下抜粋です。
    ...市民もまた、彼が生まれあわせた身分によって神から定められた分を守っているかぎり、貴族と同じ感じように自由だ。…われわれは自分の上にあるものをすべて認めようとしないことで、自由になれるのではなく、自分の上にあるものに敬意を払うことでこそ、自由になるのた。なぜなら...上にあるものの価値をみとめることで、自分自身がいっそう高いものを身につけ、それと同じとのになる価値があることをはっきりとあらわすからなのだ...

  • 「何事も即席ではできず、何事もおざなりに済ますことができず、いつも一つ一つの対象をじっくりと深く追求せずにはいられない性質の持ち主は最高のものがやり遂げられる」「マンネリズムはいつでも仕上げることばかり考えて、仕事そのものに喜びがない。しかし純粋な、真に偉大な才能ならば制作することに至上の幸福を見いだす」「人間は互いにぶつかり合いながら水に浮かんでいる壺である」「我々は朝起きた時が一番賢明であるが、また一番心配も多い。というのは心配はある意味で賢明と同義だ。愚者は決して心配をしない」

  • 【感想】
    名声を得たのち悠々と余生を送るゲーテが、何を考えつつどのように生活していたかがリアルに分かる。
    特に芸術家や文筆家にとっては、思考し表現するにあたって基本姿勢となるという意味で、参考になる発言が多い。
    完全燃焼型の天才の生き様を垣間見ることができる。

  • 前々から読んでみたいと思っていたが難しそうなのでついつい敬遠しがちだったのだが、三島由紀夫のインタビューをYouTubeで見たときに「畏敬の念を抱く作家は誰ですか?」と聞かれた時にまず最初にゲーテの名前が出てきたのでそんな事もうっすら気になってついに初めて手にとって読んでみた。エッカーマンがゲーテとの対話を収めた三部作の上。この頃のゲーテはすでに最晩年にあたると思うのだがまだ若いエッカーマンに対する姿勢など非常に芸術に対する姿勢が純粋であるというイメージを抱いた。そしてちょくちょく法務大臣がゲーテの館を訪れたりこの時のゲーテの境遇というのが一体どういうものなのか気になった。何やらすごく盤石な様子なのは窺い知れた。特に感銘を受けたところ→「比較的才能のとぼしい連中というのは、芸術そのものに満足しないものだ。彼らは、製作中も、作品の完成によって手に入れたいと望む利益のことばかり、いつも目の前に思い浮かべている。だが、そんな世俗的な目的や志向をもつようでは、偉大な作品など生まれるはずがないさ。」とか「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないのなら、教養などというものは、そもそも何のためにあるというのかね。他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。(中略)またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通してわれわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺戟されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」とか「われわれは、朝起きたときが、一番賢明である。が、また、一番心配も多い。というのは、心配はある意味で賢明と同義だ、それは、受け身の賢明さだろうが。愚者は決して心配をしない。」など。「われわれはただ、黙々と正しい道を歩みつづけ、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ。」「人を楽しませることができるのは、その人が楽しいときだけだろう。」などなどとても難しい印象ではあるが読めるところも少なからずあった。続きも挑戦してみようと思う。

  • 含蓄のある言葉が多いが、自分でまだ消化できていない。

  • 2010/11/19

  • 水木しげるの昭和史で紹介されていたんだと思う。繰り返し読みたい。

  • ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年~1832年)は、ドイツの代表的な詩人、劇作家、自然科学者、法律家、政治家。語学に堪能で、古代ギリシャ文化とシェイクスピアをこよなく愛した人です。彼にインスパイアされた文豪や著名人は数多く、シラー、ショーペン・ハウアー、トーマス・マン、ニーチェ、カフカ、トルストイ、ナポレオン、カール・マルクス、シューベルト、リスト、森鴎外、太宰治、芥川龍之介、尾崎紅葉、三島由紀夫……。

    ゲーテの格言の多くは、実は他愛のない日常会話――ある意味で率直な彼の想いや生き様――から生まれていて、現代人がそのほんの一部を切り取っているにすぎません。この本から少しでも会話の文脈や雰囲気がわかりますと、ゲーテの精神をより身近に感じることができるかもしれません。なんだか彼の隣でお茶でも飲みながら珠玉のお喋りを聴いているような心もち(ときどき疲れますが…笑)。

    「おおよそ、作家の文体というものは、その内面を忠実に表す。明晰な文章を書こうと思うなら、その前に、彼の魂の中が明晰でなければだめだし、スケールの大きい文章を書こうとするなら、スケールの大きい性格を持たなければならないね」

    「詩人は、人間および市民として、その祖国を愛するだろう。しかし、詩的な力と詩的な活動の祖国というものは、善であり、高貴さであり、さらに美であって、特別の州とか特別の国とかに限られてはいない。どこでも見つけ次第にそれを捉えて描くんだ。その点では鷲に似ているね。鷲は国々の上空を自由に眺めながら飛びまわり、捉えようとするウサギがプロイセンを走っていようがザクセンを走っていようが、そんなことはお構いなしだから」

    「芸術には、すべてを通じて血統というものがある。巨匠をみれば、つねに、その巨匠が先人の長所を利用していて、そのことが彼を偉大にしているのだということがわかる。ラファエロのような人たちが土台からすぐ生れ育つわけじゃない。ちゃんと、古代および彼ら以前に創られた最上のものの上に立脚しているんだ」

    ***
    この本は、ヨハン・ペーター・エッカーマン(1792年~1854年)が、彼の日記をもとして、ゲーテとの日常的なやりとりをつぶさに紹介する対話形式の作品です。
    エッカーマン青年は、詩人になることを目指してゲーテに教えを乞うことになり、後にゲーテの秘書的役割も果たすことになるわけですが、じつはエッカーマンという才気溢れる人物がいたからこそ、ゲーテは60年にもおよんだ「ファウスト」を完成させ、この世に異彩を放つことができたのだろうと思えるほどです。

    それにしても、ゲーテという人は、歳を重ねても枯れはてることがないようです。あらゆるものを育む太陽のように、豊かな自然や美や芸術に優しい眼差しをそそぎ続けます。尽きない探求心と向学心とひたむきなその姿は、まるで少年のような素朴さや瑞々しさを湛えています。優れた芸術やそれを創り出した人々に惜しみない称賛を送るスケールの大きさも魅力で、怜悧な合理主義者でありながら、愛や美に生きるホットなロマンチストでもあります。

    また、かなりの自信家ゆえに世間からの妬みや酷評をうけることもしばしば……しかし、彼という人を少しでも知りますと、その苦渋にみちた遍歴や経験、それを乗り越えるための努力と忍耐に裏打ちされていることがわかります。

    とにかく、この人は、なんでもやってみないと気がすまない(笑)。勇気ある人ですね~自信の源泉は決して空虚なものではないのです。自然科学の実験にしても、鉱物学にしても、絵画にしても、実際に自分で行い、探索し、収集し、対象物を目で見て素直に捉えて思索する……そこへもって持ち前の想像力! じつに豊かな世界を構築しています。
    人生を決して飽きさせることなく楽しんでいるよう♪

    「私の考える想像力とは、現実の基盤から遊離したものではなく、現実的な周知のもとに照らして、物事を予想し、推測しようということなのだよ。その場合、想像力は、この予想したものが可能であるかどうか、他の既知の法則と矛盾しないかどうかを吟味するだろう」

    「結局のところ、何を自分で得るのか、それを他人から得るのか、また自力で活動するのか、他人の力を借りて活動するかというようなことは、すべて愚問だね。つまり、大事なことは、優れた意志をもっているかどうか、そしてそれを成就するだけの技術と忍耐力を持っているかどうかだよ」

    やれやれ……この人の魂のパワーはひたすら強く、その放つ光は、ときとしてぎらぎらとした太陽のようです。そのため、あまりにも人生に落ち込んだときにこの本を読みますと、余計落ち込みます。そんなときは、クールな月の光を放つ人――そう、たとえばカフカとか♪――をお薦めすることにしまして、この本は、ゲーテという人を知りたい方はもとより、人生のあらたな視点が欲しいな~と思っているポジティブ状態にある方にお薦めしたいと思います(^^♪

    さて冗漫なレビューの最後に。
    生涯にわたって挫折も味わい情熱的な愛に生きたゲーテらしい言葉をご紹介します。ちょっぴり辛口で♪

    ――もはや愛しもせず、迷いもしない者は埋葬してもらうがいい――

    やれやれ……

  • ポータブルの美大。
    芸術の才能はまず、いろいろな芸術全般に対する才能として発現するので、絞り込むことが重要。

  • ゲーテの教養と知性の高さに脱帽。

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