ゲーテとの対話 上 (岩波文庫 赤 409-1)

制作 : 山下 肇 
  • 岩波書店 (1968年11月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240915

ゲーテとの対話 上 (岩波文庫 赤 409-1)の感想・レビュー・書評

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  • エッカーマンが9年にわたる、ゲーテとの対話の数々を蒐集し、自身が価値ありと、あるいは珍しいと思ったものを文字で書きうつしたもの。
    世界的名著。

    一度読むだけでは到底理解の及ばないもの、これからも読み続けなければいけないし、その価値がある本。

    以下抜粋です。
    ...市民もまた、彼が生まれあわせた身分によって神から定められた分を守っているかぎり、貴族と同じ感じように自由だ。…われわれは自分の上にあるものをすべて認めようとしないことで、自由になれるのではなく、自分の上にあるものに敬意を払うことでこそ、自由になるのた。なぜなら...上にあるものの価値をみとめることで、自分自身がいっそう高いものを身につけ、それと同じとのになる価値があることをはっきりとあらわすからなのだ...

  • 「何事も即席ではできず、何事もおざなりに済ますことができず、いつも一つ一つの対象をじっくりと深く追求せずにはいられない性質の持ち主は最高のものがやり遂げられる」「マンネリズムはいつでも仕上げることばかり考えて、仕事そのものに喜びがない。しかし純粋な、真に偉大な才能ならば制作することに至上の幸福を見いだす」「人間は互いにぶつかり合いながら水に浮かんでいる壺である」「我々は朝起きた時が一番賢明であるが、また一番心配も多い。というのは心配はある意味で賢明と同義だ。愚者は決して心配をしない」

  • 【感想】
    名声を得たのち悠々と余生を送るゲーテが、何を考えつつどのように生活していたかがリアルに分かる。
    特に芸術家や文筆家にとっては、思考し表現するにあたって基本姿勢となるという意味で、参考になる発言が多い。
    完全燃焼型の天才の生き様を垣間見ることができる。

  • 水木しげるの昭和史で紹介されていたんだと思う。繰り返し読みたい。

  • 貴重な言行録・実録か、編集者などがまとめた創作めいた編集本なのか、俄かに判別はつかない。読了するのに時間が掛かった。2刷1969年。図書館本。 121

  • ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749年~1832年)は、ドイツの代表的な詩人、劇作家、自然科学者、法律家、政治家。語学に堪能で、古代ギリシャ文化とシェイクスピアをこよなく愛した人です。彼にインスパイアされた文豪や著名人は数多く、シラー、ショーペン・ハウアー、トーマス・マン、ニーチェ、カフカ、トルストイ、ナポレオン、カール・マルクス、シューベルト、リスト、森鴎外、太宰治、芥川龍之介、尾崎紅葉、三島由紀夫……。

    ゲーテの格言の多くは、実は他愛のない日常会話――ある意味で率直な彼の想いや生き様――から生まれていて、現代人がそのほんの一部を切り取っているにすぎません。この本から少しでも会話の文脈や雰囲気がわかりますと、ゲーテの精神をより身近に感じることができるかもしれません。なんだか彼の隣でお茶でも飲みながら珠玉のお喋りを聴いているような心もち(ときどき疲れますが…笑)。

    「おおよそ、作家の文体というものは、その内面を忠実に表す。明晰な文章を書こうと思うなら、その前に、彼の魂の中が明晰でなければだめだし、スケールの大きい文章を書こうとするなら、スケールの大きい性格を持たなければならないね」

    「詩人は、人間および市民として、その祖国を愛するだろう。しかし、詩的な力と詩的な活動の祖国というものは、善であり、高貴さであり、さらに美であって、特別の州とか特別の国とかに限られてはいない。どこでも見つけ次第にそれを捉えて描くんだ。その点では鷲に似ているね。鷲は国々の上空を自由に眺めながら飛びまわり、捉えようとするウサギがプロイセンを走っていようがザクセンを走っていようが、そんなことはお構いなしだから」

    「芸術には、すべてを通じて血統というものがある。巨匠をみれば、つねに、その巨匠が先人の長所を利用していて、そのことが彼を偉大にしているのだということがわかる。ラファエロのような人たちが土台からすぐ生れ育つわけじゃない。ちゃんと、古代および彼ら以前に創られた最上のものの上に立脚しているんだ」

    ***
    この本は、ヨハン・ペーター・エッカーマン(1792年~1854年)が、彼の日記をもとして、ゲーテとの日常的なやりとりをつぶさに紹介する対話形式の作品です。
    エッカーマン青年は、詩人になることを目指してゲーテに教えを乞うことになり、後にゲーテの秘書的役割も果たすことになるわけですが、じつはエッカーマンという才気溢れる人物がいたからこそ、ゲーテは60年にもおよんだ「ファウスト」を完成させ、この世に異彩を放つことができたのだろうと思えるほどです。

    それにしても、ゲーテという人は、歳を重ねても枯れはてることがないようです。あらゆるものを育む太陽のように、豊かな自然や美や芸術に優しい眼差しをそそぎ続けます。尽きない探求心と向学心とひたむきなその姿は、まるで少年のような素朴さや瑞々しさを湛えています。優れた芸術やそれを創り出した人々に惜しみない称賛を送るスケールの大きさも魅力で、怜悧な合理主義者でありながら、愛や美に生きるホットなロマンチストでもあります。

    また、かなりの自信家ゆえに世間からの妬みや酷評をうけることもしばしば……しかし、彼という人を少しでも知りますと、その苦渋にみちた遍歴や経験、それを乗り越えるための努力と忍耐に裏打ちされていることがわかります。

    とにかく、この人は、なんでもやってみないと気がすまない(笑)。勇気ある人ですね~自信の源泉は決して空虚なものではないのです。自然科学の実験にしても、鉱物学にしても、絵画にしても、実際に自分で行い、探索し、収集し、対象物を目で見て素直に捉えて思索する……そこへもって持ち前の想像力! じつに豊かな世界を構築しています。
    人生を決して飽きさせることなく楽しんでいるよう♪

    「私の考える想像力とは、現実の基盤から遊離したものではなく、現実的な周知のもとに照らして、物事を予想し、推測しようということなのだよ。その場合、想像力は、この予想したものが可能であるかどうか、他の既知の法則と矛盾しないかどうかを吟味するだろう」

    「結局のところ、何を自分で得るのか、それを他人から得るのか、また自力で活動するのか、他人の力を借りて活動するかというようなことは、すべて愚問だね。つまり、大事なことは、優れた意志をもっているかどうか、そしてそれを成就するだけの技術と忍耐力を持っているかどうかだよ」

    やれやれ……この人の魂のパワーはひたすら強く、その放つ光は、ときとしてぎらぎらとした太陽のようです。そのため、あまりにも人生に落ち込んだときにこの本を読みますと、余計落ち込みます。そんなときは、クールな月の光を放つ人――そう、たとえばカフカとか♪――をお薦めすることにしまして、この本は、ゲーテという人を知りたい方はもとより、人生のあらたな視点が欲しいな~と思っているポジティブ状態にある方にお薦めしたいと思います(^^♪

    さて冗漫なレビューの最後に。
    生涯にわたって挫折も味わい情熱的な愛に生きたゲーテらしい言葉をご紹介します。ちょっぴり辛口で♪

    ――もはや愛しもせず、迷いもしない者は埋葬してもらうがいい――

    やれやれ……

  • ポータブルの美大。
    芸術の才能はまず、いろいろな芸術全般に対する才能として発現するので、絞り込むことが重要。

  • ゲーテの教養と知性の高さに脱帽。

  • エッカーマンによる晩年のゲーテの言行録。一八二三年から一八二七年まで。当時の文学に対するゲーテの見解、色彩論にはまりこむゲーテとエッカーマンの様子、ゲーテが見聞した政治的事件についての感想など、「はざま期」(コゼレック)を生きた人間による貴重な証言が豊富に詰まった作品。「いちばん合理的なのは、つねに各人が、自分のもって生まれた仕事、習い覚えた仕事にいそしみ、他人が自分のつとめを果たすのを妨害しないということだ」という言葉には、革命以降のゲーテの作品――『ヘルマンとドロテーア』や『ヴィルヘルム・マイスター』――に一貫して流れる彼の思考が読み取れる。確かにこれは民主主義革命の時代に対する反発であり、現代人が納得できるかどうかはともかくとして、一つの見識であろう。

  • 文豪ゲーテの晩年に約10年身近で過ごした若き詩人エッカーマンが、ゲーテとの談話や対話を日記のように書き綴った手記。1823年6月~1827年9月を収めた、三分冊の上巻。
    そのテーマは、文学、芸術、科学から人生の過ごし方に及び、優れた上達論として読むことができる。
    「一方をやれば、他方はおろそかになり、忘れられてしまう。だから、賢明な人というものは、気を散らすような要素は一切しりぞけて、自分を一つの専門に限定し、一つの専門に通暁するわけだよ」
    「趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみつくられる・・・だから、最高の作品しか君には見せない」
    「重要なことは・・・けっして使い尽くすことのない資本をつくることだ」
    「ほんとうに他人の心を動かそうと思うなら、決して非難したりしてはいけない。間違ったことなど気にかけず、どこまでも良いことだけを行うようにすればいい。大事なのは、破壊することではなくて、人間が純粋な喜びを覚えるようなものを建設することだからだ」
    「シェークスピアは、あまりにも豊かで、あまりにも強烈だ。創造をしたいと思う人は、彼の作品を年に一つだけ読むにとどめた方がいい。もし、彼のために破壊したくなければね」
    「芸術には、すべてを通じて、血統というものがある。巨匠をみれば、つねに、その巨匠が先人の長所を利用していて、そのことが彼を偉大にしているのだ、ということがわかる。ラファエロのような人たちが土台からすぐ生いそだつのじゃない。ちゃんと、古代および、かれら以前につくられた最上のものの上に立脚しているのだ」等
    200年前に生きた巨人ゲーテの言葉が生き生きと伝わってくる。

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