群盗 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 久保 栄 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 110
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003241011

作品紹介・あらすじ

18世紀後半、ドイツでは政治経済が沈滞する一方で文化・芸術が異常な活況を呈した。シラーはゲーテと共にこのシュトゥルム・ウント・ドラング期を代表する存在であり、処女作『群盗』は時代の記念碑である。失われた自由を求めるあまり盗賊隊長となって社会に抵抗する主人公カアルの心情は今も現代人の強い共感をよぶ。

感想・レビュー・書評

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  • シラーの代表作である戯曲。おそらく、多くの人にとって、文学史の授業で丸暗記させられるが読んだことはない作品の代表格だろうと思う。登場人物たちは、大げさな身振りで長口上をとにかく語る。そのいちいちが格好よくていい。これは訳者の影響もあるかもだが、メインキャストたちがひたすら熱い。この国ではキリスト教嫌いが多いから、終盤の展開に不快感を覚える人も多いだろうが、個人的にはこれもアリだと思う。

  •  三年ぶりくらいに読みなおした。
     ゲーテと並ぶ、ドイツ疾風怒濤期の文豪シラーの処女作にして最高傑作(だと思う)。聖人君子の主人公が弟の策略から暗黒面に堕ち、しかしそこから這い上がろうとするも、もがけばもがくほど大切なものを失っていくというストーリーだが、台詞回しや人物の思考はシェークスピアにかなり近い。もちろんシラー自身が意識してそうしているのだろう。
     実は、シラーはカント哲学に対してとある批判(”道徳的に生きる”ことに対して彼なりのパラドクス)を加えたりしている。一読前にそこに目を通しておくと、彼の考える正義と悪の背反が見えて面白いと思う。

  • 「疾風怒濤」の代表的作品。

  • ドストエフスキーが十歳の時に衝撃を受けたという文言を読み、ここに至った。なるほど、ここにドストエフスキーの内での『罪と罰』の原型となるものが注入されたのだろうか。

  • ドイツの劇作家シラー(1759-1805)の処女戯曲、1781の作。

    血のつながり、自然の摂理、道徳、神。これらにまとわる形而上的な価値の厳粛さを悉く呪い嘲るフランツに、ニヒリズムの影を、のちにドストエフスキーが抉り出すことになる人間の姿を、視た。「英雄」のカアルよりも寧ろ「悪」のフランツの方にこそ、人間の、「自由」ということの、在りようを垣間見た気がした。

    「おれは、神にせまって、このおれを滅ぼさせてやるのだ、神の畜生を憤らせて、腹立ちまぎれにこのおれを滅ぼすように仕向けてやるのだ。」

    ただ、最後には神を畏れお祈りしてしまうのだけれど。何処までも傲然としていてほしかった。

  • 群盗
    荒削りながらも熱さと重厚さが堪らない。イリアスの翻案、黙示録とエジプト神話らしき描写、オセロー、ハムレットのような展開はいい。5幕の劇で4幕からは勢いが加速する。まさに疾風怒濤。ただラストはいただけなかった。熱さが足りないのだよ。勢いに任せて思い切り…

  • いつの世もカイン・コンプレックスには逆らえん。

  • 2007/12/11

  • 何で私はこんなにフランツがすきなんだ

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