影をなくした男 (岩波文庫)

制作 : Adelbert von Chamisso  池内 紀 
  • 岩波書店
3.58
  • (35)
  • (65)
  • (101)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 547
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003241714

作品紹介・あらすじ

「影をゆずってはいただけませんか?」謎の灰色服の男に乞われるままに、シュレミールは引き替えの"幸運の金袋"を受け取ったが-。大金持にはなったものの、影がないばっかりに世間の冷たい仕打ちに苦しまねばならない青年の運命をメルヘンタッチで描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 影とお金が無限に出る袋と交換してしまった男の話。
    「影がない」ということは西洋キリスト教文化において、その者が悪魔と取引したか、魔性のものかを意味するから忌避されるのはある意味当然である。
    彼はそのことに思い至らず、軽率に取引に応じてしまうが、その後の度重なる誘惑を断ち切り、神に再び迎え入れられる。

    キリスト教文学的にはこんな読み方が妥当ではあろうが、キリスト者でない人にとっては面白いファンタジーとして読んだ方が楽しいだろう。あまり深読みせず、冒険譚として読むのがオススメ。

  • 自分の影をうっかりお金と交換してしまった男の物語。
    読み始めの時は、影ぐらい、いいじゃん、と私も思っていたのですが、
    読み進めるにつれて、影がないと…どういうことなのか、
    ちょっと考えさせられました。
    実態のない、悪魔のような存在?幽霊?のように思われて
    恐れられてしまうのでしょうか。
    大人も楽しめる寓話のような
    さらっと読める物語でした。
    文庫は薄いので、ちょっと本をカバンに入れてでかけたいけど
    重いのはいやだ、って言う時にもぴったりです。

  • 不幸に対してポシディブタッチ。僕、そういう軽さがある文大好き。

  •  明言は出来ないけど、影がなんなのか知っていると感じた。その上で、私は影をなくしそうなんだろうとも。
     人間社会を捨てるなら影を気にしなくてもなんとかなるらしいんだけど、それを明るいメッセージとして受け取るか否か。
     七里靴を手に入れてからのペーターはそれでも確かに、充実しているように思えたな。

     訳者のあとがきがけっこう好き。

  • 岩波文庫赤帯417-1

    帯は無くて、背表紙がピンク色のような赤色になっていた。

  • 影、ありそうであんまなかったかも。
    話の展開も面白いし、特に何も考えずに読んでもじゅうぶん楽しめる。何より気軽に読めるのがいい。
    語りかける相手と相手が死んでたってのは気になるところ。あと鉱山に行こうとするのはドイツロマン主義のあれなのかしら。

  • 小説として読むか寓話として読むかによって感想は異なるのかもしれない。メッセージを説教と捉えるかどうか、というか。また、これはハッピーエンドか否か?そんなことも話題にできそうだ。

  • タイトル買いして積んでいたもの。ページ数も少ないしさらりと読めた。
    尽きぬことなく金貨があふれ出てくる不思議な袋と引き換えに、己の影を譲り渡してしまった青年。彼が辿る数奇な運命を物語った作品。
    「小説」というよりも語り口含め、おとぎ話に近い話だと思った。シュレミールに必要以上に感情移入せずにすんだのはそのおかげだろう。
    彼は色々な不運に見舞われるが、言うまでもなく、それは対価として影を売り渡してしまったからだ。
    ただ一方で、影を渡さなければ、最終的に彼が選んだ道に辿りついたかどうかも分からないなあ。
    まあそれは結果論で、どう考えても影を手放さない方がいいんだろうけどね。

    「影」が何の暗喩なのか、ということは発行当初から色々言われていたらしい。
    ただそういったことはあまり深く考えず、単に話の筋を楽しめばいいと思う。
    作者もそれを望んでいるようだし。

  • 影って何を意味しているんだろう。普段は自分の中に当たり前のようにあって、絶対必要なものなのにその重要性に気が付けない。
    話としても面白いし、最後の救いの方法も好き。

  • 表紙を見て、好みに違いないと確信した本。まあまあかな。

全73件中 1 - 10件を表示

シャミッソーの作品

影をなくした男 (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする