車輪の下 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003243527

感想・レビュー・書評

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  • あらすじ
    秀才のハンスは周囲の期待に応えようと、ひたすら勉強に打ち込み、難解な試験に合格して神学校に入学するが次第に押しつぶさていく…。

    休暇も勉強に費され、大好きなものまで取り上げられてしまう。
    ハンスは真面目で良い子過ぎるがゆえに、嫌なことも言えず、好きなことをやりたいとも言えず、周りの期待に応えようと頑張ってしまう。
    大人達はハンスのために「良かれ」と思ってやっている。

    ・得意で好きだった勉強が、どのようにして辛くなっていったのか。
    ・大人達のどのような言動がハンスの心を潰していったのか。
    その時々のハンスの心理描写がとても詳細にわかりやすく書かれている。

    私は親なので、自分がハンスの親ならばどうしたら良かったのかをつい考えてしまう。

    ・親の顔色を伺うのではなく、自分の意見を持つことの大事さを伝える。
    ・子供時代に思いっきり遊ぶのは1番大切で貴重な経験で、大人になってからはできないことなのでそれを取り上げない。

    私も子どもたちにもっとこうすれば良かったと思うことはたくさんある。
    一人一人性格も個性も違うし、正解が何かはわからないから子育ては本当に難しい。

    この作品はヘルマン・ヘッセの自伝小説ということを読後に知った。
    リアルな心の叫び声が苦しくて読むのが辛かったけど、読んで良かった。
    Audibleにて。

  • 親のエゴを押し付けられた子供が、落ちていく姿を見るのが辛かった、大好きな作品
    自然の描写や主人公の繊細な感情表現が細かく読みやすかった。

  •  3回読んだ

  • 自然や風景の描写や心情表現がとても美しくて、魅力的だった。車輪はギリシア神話(?)の、運命を象徴するもののことで、心身ともに健康で美しい思い出に溢れた時代と、知識。おとなからの押し付けでからだも心も壊していく神学校時代のことを車輪の下にしているのかなと思ったが違った。
    何度か読み返したくなる本。

  • 少年時代に読むもの

  • 海外の有名な作品を読んでみよう!という安易な動機で選んだ作品です。今でも学生に推奨されている古典文学な気がしますが、今の若者とは価値観や感性が違い過ぎて面白さが理解されないのでは、と思いました。いらぬ心配ですが。
    若い時代って濃い分生きるのしんどいと感じることが多かったな。多感だったな。とか思いました。

  • 小学4年頃のお気に入り

  • 主人公の感情変化や自然の描写が印象的。
    最後まで展開が読めず、楽しめた。

  • 風景の描写がとても綺麗。森の中の様子がイメージしやすかった。ヘッセの自伝的小説。ハンスとハイルナーそれぞれが自伝。教育ママなんかは耳が痛くなるような内容もあったんじゃないかと。繊細な心理描写もとにかくどこをとっても綺麗だった。

  • ノルウェイの森にてワタナベが緑の家の書店で見つけて読んでいたので自分も読んでみることにした。
    内容はヘッセの自伝的な面持ちがあり、作者の少年時代の苦悩がしみじみと伝わってくる感じ。
    勉学の詰め込みはいかがなものか、勉強を人と競わせ評価するのは正しいことなのか、規則に沿ったような模範的な人間を育てるだけが正解のレールなのか、といったようなことをハンスがノイローゼになったり、ハイルナーの天性というか個性が尊重されずに除け者扱いされていたことから、暗黙の了解的になっている世の中のルールについていろいろ考えさせられた。
    人の精神が壊れていくのは意外と積もり積もっていく中で自然に生じてしまうことを感じたし、どんな人の中にもそういった影なる点が存在しているから恐ろしいなと思う。

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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