審判 (岩波文庫)

著者 :
制作 : Franz Kafka  辻 セイ 
  • 岩波書店
3.60
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本棚登録 : 946
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003243824

感想・レビュー・書評

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  • まるで夢のようだ。夢の中の話のようだ。
    荒唐無稽で、迷路のような町に、おかしな状況をそのまま受け入れてしまう思考回路。それでもKは疑問を差しはさまない。なぜ逮捕されたのかも、なぜ裁判沙汰になっているのかも分からず、ただ分からないながらも対処しようと、裁判に詳しい人間に話を聞く。しかし誰も裁判の全貌を知らない。知らないところで審議は進み、判決は下る。
    Kの罪状は何なのか? 誰に訴えられているのか? 一体誰がKを殺したのか?
    何も分からない。しかし、世界はいつだって私たちの埒外ではなかったか? 人間の理解の乏しさよ。絶望こそが世界にふさわしい。

  • 遅刻を指摘されるのはなるほど面白かった。
    Kを取り巻く人間も、無論K自身も巨大な機構・権力のようなものにはほとんど無知で、彼が唯一意識的であるのは情欲についてのみだと感じる。

  • 一ヶ月以上かかったー!笑

  • 再読。未完とはいえ、一応最後の章はあるので結末だけはわかるため、それほどモヤモヤ感はなし。途中ごっそり抜けてる感はあるけれども、むしろをそれを全部読まされたら結構つらかったかも(苦笑)

    ある日突然理由もわからず逮捕され裁判にかけられ処刑される。理不尽だし不条理だけれど、個人的には起こっている出来事の不条理さもさることながら、K自身の行動のほうにもおよそ理解しがたい点が多いことが気になった。

    同じ下宿の女性に対するストーカーっぽいふるまいや(自信満々っぽいけど完全に嫌がれてますよね?)、弁護を頼みに行った先で話も聞かずに初対面の看護婦といちゃついたり、おもに女性が絡んでくるとK自身の行動が非常識になるのであまり同情する気になれない。

    訴訟が気がかりで仕事が手につかないのは気の毒だとは思うけれど、自ら無意識に泥沼にはまりこんでいっている印象も受ける。有能な銀行員であるKは、特別悪人ではないけれど高慢で他人を見下しがちだし友達にはなりたくないタイプ。それが処刑されるほどの罪かどうかは別として、Kに対して同情や共感より苛立ちを感じる自分に驚いた。

  • 唐突な終わり。変身より好きだな

  • 未完成作品。
    最後はあっけなく死んでしまう。
    何の罪かも分からないまま、逮捕、裁判、処刑されてしまうのだ。
     会社の人がリストラされた。本人は本当の理由は知らない。曖昧なことを言われ、本人は納得いかずに辞めていくしかなかった。人生においてこんな審判が下されることには遭遇したくない。
    いろんな解釈のできる小説だけど、Kの短気な性格が心地よくさえ感じる小説だった。

  • 主人公の思考がなかなか理解しがたいところ。
    掟の門のくだりが一番興味深かった。笑

  • F.カフカによる未完の長編小説。

    本書の表紙によると「Kについてはごく平凡なサラリーマンとしか説明のしようがない。なぜ裁判に巻き込まれることになったのか、何の裁判かも彼には全く訳がわからない。そして次第に彼はどうしようもない窮地に追い込まれてゆく」とあります。本当にこんな内容でこれだけ分厚い小説を書けるものだろうか?と思って手に取ってみたところ、まさに表題の通りでした。これほどまでにユニークな小説が成立したということ自体がひとつの事件のように思われました。

    中盤の弁護士と請願書を巡るクソ長いやりとりがなんともいえない感覚を呼び起こします。そして画家ティトレリとの珍妙な問答、挙句の果てにドアを開けるとそこには裁判所事務局が唐突に現れるという、とにかくわけのわからない展開にげんなりしてきます。ある種の精神病的な雰囲気すら感じます。

    いったい自分はなにがしたくて生きているのか?わたしは最近こんな問いをよく自分に投げかけます。そうやって、自分が生きていることについてぐるぐると思いをめぐらしていると、カフカが描いた世界というものが、実は現実世界の一片の真理を抜き出しているような、妙な親近感を感じるようになります。普通の物語ではどうにも表現しようのない何かが描かれているように感じます。

    文字がよく頭に入ってない状態が続いているので、この小説の中で「ここに注目!」みたいなことは言えません。読むだけ時間の無駄だったのかもしれません。しかし、他の本では決して生み出せない愉快な読書時間を作り出してくれた作品ではありました。

  • 30歳の誕生日の朝、逮捕されたヨーゼフ・K。31歳の誕生日に刑が執行されるまでの物語。Kの身に起きる事件と云えば、一度審問に呼ばれるだけ。いわばKは放置されるわけだが、死刑執行の石切場に彼を追いつめたのは、何者ともいえない。「鳥籠が鳥を捕まえに行った」という有名なカフカのアフォリズムがあるが、何とはなしに鳥が鳥籠を求めたとも読める。

  • 【Impression】
    まぁこの唐突な始まり、唐突な終わり。

    これは学生みたいな時間のあるうちに読まないと、終わってから「は?」ってなるような本かと。

    「城」の時もそうやけど、もはや「規則」「機構」がそれ自身で意志を持っていて、伏魔殿状態になってるよな。

    そして誰一人として全体の構造を把握している人はいない、規則に従うだけ。従っていれば物事が進む。
    裏を返せばそれだけ規則が凄いということでもあるけど、途中の挿話にもあるように、それだけに囚われると人生が終わる。

    think outside the box


    【Synopsis】 
    ●Kは目が覚めると監視者と名乗る人に逮捕される。そして訴訟が始まる
    ●しかし、裁判はいっこうに進展をみない。弁護士に弁護を頼むも、一向に進展の気配を見せない
    ●一方で仕事も自由にしてよいということなので、銀行員としての勤めも果たすが、訴訟が頭から離れない
    ●そして遂に、というか唐突に処刑人が現れ、Kは死刑となる

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