カフカ寓話集 (岩波文庫 赤 438-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003243848

作品紹介・あらすじ

「カフカ伝説」といったものがある。世の名声を願わず、常に謙虚で、死が近づいたとき友人に作品一切の焼却を依頼したカフカ-。だが、くわしく生涯をみていくと、べつの肖像が浮かんでくる。一見、謙虚な人物とつかずはなれず、いずれ自分の時代がくると、固く心に期していたもの書きであって、いわば野心家カフカである。

感想・レビュー・書評

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  • 今日6月3日はカフカの命日ですね。
    カフカ寓話集の題名に成っていますが、他に短編集の題名の作品が有るのであえてこの題名にされたとの事でした。
    小品を中心に30話収録されています。
    カフカは妹さんの下宿に転がり込んで創作に明け暮れたそうですが、書いては捨てるの繰り返しで、しっかり物の妹さんがカフカの捨てたものを拾っては隠し持っていたそうです。そのお陰で後世の我々がカフカの作品に浸れるからありがたい事ですね。
    この本にカフカの絵が紹介されています。カフカは友人にも自分の作品を焼却するように依頼したそうですが、しっかり物の友人にも感謝ですね。
    カフカの作品が後世の作家さんにもかなりの影響を与えた事を知るよしも無く世を去ったことは残念ですが、カフカの作品に目を通す機会になれば幸いです。

    • 111108さん
      ひだまりトマトさん、こんばんは。

      6月3日がカフカの命日とは知りませんでした。昔カフカが大好きで『城』や『審判』などにハマってましたが、こ...
      ひだまりトマトさん、こんばんは。

      6月3日がカフカの命日とは知りませんでした。昔カフカが大好きで『城』や『審判』などにハマってましたが、このレビュー読んでまた再読したくなりました。
      ありがとうございます♪
      2022/06/03
  • 「断食芸人」と「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族」、「最初の悩み」、そして未完のままに終わっている「巣穴」がよかった。

    「巣穴」の主人公は未知なる外敵に怯え、完璧に作り上げた彼の巣穴をめちゃくちゃに掘り返しはじめる。
    しかし読者には、静謐な巣穴をこの上なく愛するこの「私」が誰なのか、いったいどのような獣なのか、まるでわからない。
    取るに足らないことに思える妄想に振り回され、ひたすら穴を掘り続ける「私」に、つい自分を重ねてしまったりする。

  • 全体にシニカルさを感じる短編集。
    「走り過ぎる者たち」や「ある学会報告」にとても共感した。
    様々な解釈が可能なので読み返せば別の感想を抱く気がする。買って良かった。

  • 世界一好きな短編、「皇帝の使者」が収録されているという一点で迷わず購入。他のものもカフカらしさ満載で満足です。

  • 全く、全然、面白くない。
    カフカというバイアスかけても、意味不明。

  • 短編がメインです。1Pで終わっちゃう話も……(1Pってなんだよ)。
    一番印象に残ったのは「巣穴」。やたら長いくせに、主人公が「あああ、どうしよう、あああ」ってな感じでそのままフェードアウトする。読んでてかなりイライラした(悪い意味ではなくてです)。

  • フランツカフカの短編集。

    長編はちょっとまだ荷が重いのかいつも途中で断念してしまうのでこちらを読んでみたら無事読破。

    摩訶不思議なカフカワールドに浸れました。

    「巣穴」、「アレクサンドロス大王」、「断食芸人」が好み。

  • 「巣穴」の自意識の書き方は、
    実際に人がものを考えるときの感覚に、すごく近いと思った。

    最後のお話に、やたらとチュウチュウって書いてあるのに思わず微笑ましくなった。笑

  • 面白い!カフカの頭の中見たい。

  • 2024/2/1読了
    収載作品の中でも特に長い『巣穴』は、人間とも動物ともつかない主人公が、安全な巣穴を作っても、食料はまとめておこうか分散させようか、侵入者が来たらどうしようかetc. ウダウダ迷い続けているお話。常に何かしらの不安に晒されている現代人の心象を表わしているのか、妙に共感してしまった。

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著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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