ウィーン世紀末文学選 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 98
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003245415

作品紹介・あらすじ

学問・芸術が絢らんたる花々を咲かせた「精神の世界都市」ウィーン。文学界にはシュニッツラーやホフマンスタールなど、いずれも一筋縄では行かぬ文人たちが輩出し才を競いあった。その多彩な世界を一望し、特異な精神風土を浮び上がらせる待望のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 様々な作家の、いろんなジャンルの作品が楽しめるお得な一冊。
    「すみれの君」と「ファルメライアー駅長」が面白かった。
    (2016.2)

  • シュニッツラー『レデゴンダの日記』とツヴァイク『落第生』、フリーデル『オーストリア気質』のみ。後で調べたら他のも評価が高かったので読んでないものを読みたい。
    ツヴァイクのよりシュニッツラーのが素晴らしかった。予想外の最後。

    翻訳、面白さが損なわれるわけではないけど、「やにわに」などの今ではほぼ使わない言葉が出てきて、訳者が40年生まれだったと思いだした。

  • 400 マケプレ

  • 19世紀末のウィーンの作家の短編を集めたアンソロジー。「世紀末」という言葉とクリムトやエゴン・シーレの挿画から想像する退廃的で耽美なイメージを期待していると、案外肩すかしを食らわされる感じ(苦笑)。編者の趣味もあると思いますが、どちらかというとシニカルだったり、諧謔的だったりという作風の作品のほうが多く収録されています。なかにはいくつか幻想的な作品も混ざっていますが、全体的にはそうでもないので、個人的にはいまいち期待はずれだったかな。

  • 編者が解説で言っているように、時代を横に切ることで、一つの都市を軸とした知的断面図を俯瞰することができる、素晴らしい短編集。
    シュニッツラーやホフマンスタールなど、ウィーン世紀末を代表する作家の著作に混じって、クリムトやシーレの挿絵が花を添える。
    同時期に、同じ場所で花開いた現象を比較することでそこに共通するものが自然と浮かんでくる構成になっている。
    多くの作品から、クリムトの絵画に見られるような、生と死の入り混じった不思議な感覚を味わった。

  • シュニッツラー、ホフマンスタール、クラウス、ツヴァイク、ムージル……、すごいアンソロジーです。アンソロジーがすごいというより、世紀末ウィーンは特別だったということかもしれません。オーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーン、クリムトやエゴン・シーレやココシュカが活動を始めた世紀末。マーラー、シェーンベルク、アルバン・ベルクの音楽、それからフロイト、ヴィトゲンシュタイン……、とにかく、すごいとしか言いようがありません。16人の作家の真ん中にブライの「文学動物大百科(抄)」(これなんか稲垣足穂みたい)が配置されているところに、この編訳者ならでは機智を感じます。ところでウィーンも「独逸文学」の中に入れていいのですよね?プラハ生まれのカフカのドイツ語も、ちょっと変わったものだったように記憶していますが、とりあえず岩波文庫の赤の4で始まるものは「ドイツ文学」に分類します。さて、世紀末といえば19世紀末だったはずなのに、私たちはいつのまにか21世紀に生きています。すでに20世紀末を体験してしまいました。(ノストラダムスの予言書には、本当は何が記されていたのでしょう?)私のこの本、後半部分にシミがあります。いったい何を零したのやら。ほとんど色がついていないからコーヒーではない、さりとて水を飲みながら読書したはずもないから、やっぱりお酒でしょうね、お恥ずかしい限り。

  • デカダンスの魅力に満ちた世紀末のウィーンの香りを思いっきり嗅げる短編集。その時代の空気、そしてウィーンの町が好きな人にはお勧めです。『フェルメライヤー駅長』『楽天家と不平家の対話』が好きです。クリムト等の挿絵も素敵。

  • すごいがんばって古本屋探してみつけたのに復刊されましたー(ぱちぱち)
    全体的に漂う腐敗しきったけだるい感じがなんともいえません。意外とこうゆうのも好きなんです。ここらへんがきっかけになってクリムトとか、マーラーに興味が。

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著者プロフィール

1940年兵庫県生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。著書に『諷刺の文学』『海山のあいだ』『出ふるさと記』『池内紀の仕事場』他。訳書にE・カネッティ『眩暈』、『カフカ小説全集』,G・グラス『蟹の横歩き』他。

「2018年 『澁澤龍彦の記憶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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