ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫 赤510-1)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251010

感想・レビュー・書評

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  • 1.メンタリストDaiGoさんがお薦めしていたので読んでみたいと思いました。
    バカな人の特徴をまとめてくれている本はあまり見かけないので興味を持ちました。

    2.ラ・ロシュフコーという文学者がバカな人と頭がいい人の違いを説いた本です。
    バカな人は自分への理解が浅はかであったり、自分の価値観だけで物事を語ったりしてしまいます。しかし、頭の良い人は自分を理解することに学んだり、他者との関係性について学んだりしています。
    バカは自分の赴くままに生き、賢者は自分の価値観を問いながら生きていくといったことが書かれてます。

    3.読むのは2回目なのですが、理解できてない部分が多くて困りました。理解できる範囲で言うなら、賢者は「常に考えている」ことです。日常生活では多くの選択を迫られます。この選択の仕方でその人のレベルがわかるのではないでしょうか。人間として魅力的になるために、また、人生をより有意義にするためにも学ぶことと思考することが大事だと思いました。

  • クリスチナ女王のコメントがとても良い。

  • 遅効性の毒。

  •  人間とはどこまでいっても利己的で、俗にまみれ、怠惰で、愚かである。そんなことを愛や友情などの面から刺し続けた箴言の数々が楽しめる一冊。口の悪さに圧倒されるので、電車では読まないほうがよいかも……?私は何度も笑ってしまった。
     なにか人生訓や学びを垂れている訳ではないので、「言い得て妙だなぁ」と気軽に読めばよいのでなかろうか。たまに読み返すと、そのときそのときで違う言葉が響きそう。

  • この本を選んだ理由
    ラロシュフコーを知ったから

    この本を読んで新しい学び感想

    ―人間は受けた恩義や、ひどい仕打ちの記憶を失いやすいだけではない。自分に良くしてくれた人を憎みさえするし、自分を踏みにじった人を憎むのもやめてしまう。
     善に報い、悪に復讐しようとひたすら心がけることは、人間にはしかつのように思われて服し難い

    ―小さなことに熱中しすぎる人は、概して大きなことができなくなるものだ。

    ―沈黙は自分自身を警戒する人にとって最良の安全策である

    ―人々が友情と名付けたものは、単なる付き合い、利益の折り合い、親切のやり取りにすぎない。所詮それは自己愛が常に何か得をしようと、目論んでいる取引でしかない。

    ―精神の強さとか弱さとかいうのは、的を得ない言い方。それが実は肉体の諸器官の状態の良し悪しにすぎないからである。

    ―人間の幸、不幸は、運命に左右されるとともに、それに劣らず、その人の気質に左右される。

    ―精神の欠点は顔の欠点と同じで、年をとるほどひどくなる。

    ―人は普通、褒められるためにしか褒めない。

  • 友情や恋愛の本質をペシミスティックに暴くものや、自尊心に関するものが目立つ。
    17世紀後半ころに書かれたもの(1678刊)。
    なので、会社組織や仕事現場など、現代的な状況にも相通じるものはほとんどない。

    それでも少しでも心に響くものを鉛筆で〇印をつけたが、8編を数えるのみであった。

  • 箴言の一つ一つが、一度読んだだけでは、解しにくいが、二度三度読むと、ジワリと思い当たることが出てくる。まるで、するめのようなかみきれなさ、味わい深さ。

  • ゲーテの格言集と違って人間の自己愛や虚栄心などの負の面について扱った本。人間の本性に深く切り込む本。
    露悪趣味というか、ペシミズムが全体的に流れている。人間の負の側面の真実を的確に現しているのは確かだが、「それでどうした?」という思いがどうしてもぬぐえない。
      「批判してれば偉くなった気になれる」という言葉がさすように、言うほど含蓄があるかどうかは疑わしいのが怖いところ。
       自分がペシミズムを嫌うのはそういった「いいっぱなし」「非生産性」という面が嫌いだからだが、たとえ生産性があったとしてもそれは「成長」や「資本主義」に毒された現代人の価値観に根ざしたものでないかと思うと一概に批判も出来ない。時代によっては悲観こそが美徳だった時代があるかもしれない。
     そして著者本人が報われない軍人だったらしいが、それが少なからずこの本の内容に影響を及ぼしていることは疑いがない。著者本人の思想・世界観が年齢によってどのように変遷しているかが知れれば、もっとこの本に深みが出てくるかもしれない。

  • 人間関係に悩んだときに、悩んでいないときに     

    フランス人はいつも答えを用意している。504編の箴言、格言や警句を読んで、唸らない人はいないだろう。17世紀にして答えは出ている。何も怖がることは無い。

    「人は決して自分で思うほど幸福でも不幸でもない」

    1998年、読了。結婚や仕事に悩んだときに出遭った。

  • ・われわれの持っている力は意志よりも大きい。だから事を不可能だときめこむのは、往々にして自分自身に対する言い逃れなのだ。

    ・みちたりた仕合わせは好みの中に存在するので、事物の中にあるのではない。だから人は自分の好きなものを得ることによって幸福になるので、他人が好ましく思うものを得るからではないのだ。

    ・恋は燃える火と同じで、絶えずかき立てられていないと持続できない。だから希望を持ったり不安になったりすることができなくなると、たちまち恋は息絶えるのである。

    ・変わらぬ愛とは一種の絶え間ない心変わりである。つまりわれわれの心が、愛する人の持っているすべての美点に、ある時はここが好き、ある時はあそこが好きというふうに、次々に惚れこんでゆくのである。だからこの変わらぬ心は、同じ一人の相手に局限され、その人の中だけに閉じこめられた心変わりにほかならないのである。

    ・変わらぬ愛には二通りある。一方は、愛する人の中にその人の愛する新たな理由が絶えず見つかることから来ているもの、もう一つは、心変わりしないのを誇りにしているためのものである。

    ・人は皆、相手が自分の中に見つけるあらを相手の中に見つける。

    ・この世で最も仕合わせな人は、僅かな物で満足できる人だから、その意味では、幸福にするために無限の富の集積が必要な王侯や野心家は、最もみじめな人たちである。

    ・物を見るためには距離を置かねばならないのと同じに、交際においても距離を保つ必要がある。どんな人にも、自分をこう見て欲しいと思う角度がある。あまり近くから光を当てて欲しくないと思うのは、おおむねもっともなことだし、あらゆることにおいてありのままの自分を見て欲しいと思う人は、ほとんど一人もいないのである。

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