ドン・ジュアン (岩波文庫)

著者 : モリエール
制作 : 鈴木 力衛 
  • 岩波書店 (1975年1月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251232

ドン・ジュアン (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この作品は喜劇ですが、喜劇で書かれている作品は、人・モノを風刺的・戯画的に描く作用が強いと思います。戯曲はほとんど会話で物語が進行していくので、読んでいて舞台の上で演戯をしている俳優達・女優達を連想しました。それぞれの場面で、人間の普遍性のある主題を、分かりやすく風刺的に描いていると思います。

    物語の最後、主人公に雷が落ちて、主人公に罰が当たる結末でしたが、この結末は喜劇作品なので通用する方法だと思います。実際の世間・社会や、人間性を追及している文学作品では、最後の主人公の様な振る舞いをする人物に罰が当たる事はないと思います。

  • 傑作だな!

  • それなりに楽しめたが、ストーリー展開などに雑な部分を感じる。急ごしらえな製作だったらしいが、そういう事情を知らないと「???」となる場面は多い。また、解説のなかでしきりに言われているほど「無神論」という印象はなかった。

  • スペインに伝わるドン・ファンの物語をモリエールが脚本化。無節操の限りを尽くそうとすれば最後は偽善者になる、という強烈な風刺。けれど主人公がこれだけテンポよくゲスだと、むしろ爽快で魅力的に感じてしまう。文句なしにおもしろい。

  • 5幕の喜劇。1665年初演。神(天)罰覿面。井原西鶴(1642-93)はこの作者(1622-73)と同時代人、てな経歴に最近気づいた。 128

  • あらら決闘シーンがないよ。エルヴィールのキャラ造形ではダ・ポンテに貢献するが決闘シーンのないドン・ジョヴァンニってのもなあ。

  • 放蕩貴族ドン・ジュアン。痛快すぎる。

    放蕩無頼の貴族たちは己の破廉恥な所業を合理化するために哲学的背景を持たない薄っぺらな無神論に走ってたんですよー、なんて言われるとグウの音も出ないが、「神様にいられると困る(絶対バチ当たるから)」が故に神様を否定したい輩なんて現代に溢れかえっているだろうし、斯く言う私もその一人だ。すみません。矮小な人間ですみません。

    瀆神的な発言・行為を繰り返すドン・ジュアンに軽く引きつつも、末路に「やっぱりな」と少し安堵してしまうところが、矮小な人間の矮小たる所以であろう。

  • 「神々は渇く」を読んでいたらドン・ジュアンが出てきたので読んでみた。面白い。ドン・ジュアンと従者スナガレルの掛け合いも面白い。ギャグマンガの原型みたいな感じ。「危険な関係」を想い起こした。このドン・ジュアンは無神論者の自由人で確かに近代的だ。無神論者で神の奇跡も亡霊も信じない点がポイントなんだろうな。

  • 学生の頃は仏文科に在籍してゐたため、当時は片端からフランスものを読んだのであります。その一冊。
    並び称されたコルネイユ、ラシーヌは、少なくとも日本ではあまり語られなくなつたのに対し、このモリエールはまだ読まれてゐるやうです。

    有名なドン・ジュアンのお話。元元はイタリアではなくスペインが発祥の地ださうです。
    モリエールがドン・ジュアンを題材に芝居を書いたのは、もつぱら商売上の事情のやうであります。別段自らの文学的創造のためといふわけではなく、当時のモリエール一座の金勘定のために一気に書かれたものらしい。これはびつくり。さういはれてみると、書き方や話の展開が少し粗く感じます。いはれなければ気にしないけれど。
    良くいへばスパッと分かりやすく男性的である。三船敏郎の殺陣と同じですな。

    そしてドン・ジュアンの従僕であるスガナレルがよろしい。何かと博識をひけらかし俗物ぶりを発揮してゐます。当時の風潮や時事問題を揶揄したと思はれるせりふもあり、時に毒を含んでゐます。『タルチュフ』が上映禁止になつた腹いせでせうか。
    先入観を持たずに読めば、驚くほど新しい内容に「ほほう」と声が出るところであります。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-282.html

  • 悔い改めなくていいです。そのほうが面白いから。

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    なに? おまえは最初にできた女といつまでもくっついていろ、その女のために世間と縁を切れ、ほかのだれにも目をくれるな、と、こう言うんだな?女房孝行なんて愚にもつかぬ名誉を鼻にかけ、ひとつの恋を後生大事に老いさらばえ、若いうちからほかの見とれるような別嬪たちに目をつぶっていようとは、いやはや結構な了見さね!まっぴらごめんだ。

    惚れ抜くなんて芸当は、ばか者だけに任せておくさ。美しい女はみんなおれたちをとりこにする権利があるんだ。最初に出会ったのを笠に着て、ほかの女たちが男の心をとらえようとする無理からぬ望みを断ち切るって法があるものか。おれはな、美しい女を見たら最後、ぞっこんまいってしまう。女が男をひきつけるあの心地よい暴力の前には、手もなく丸められてしまうのだ。


    そんなことは今日日じゃちっとお恥ずかしくないさ。偽善は流行りの悪徳だし、流行りの悪徳ならなんでも美徳として通用するんだ。現在人に演じられる役割のうちでは、善人役がいちばんの儲け役だよ、偽善者稼業ほど得な商売ってあるものじゃない。こいつはいんちきが尊敬されること請け合いの芸当なんだ。たとえ尻尾をつかまれたにせよ、だれからも文句はつけられない。人間のほかの悪徳なら、みんな非難も攻撃もしたい放題、だれだっておおっぴらにやっつける権利があるんだ。ところが偽善だけは特別扱いの悪徳さ、自分の手で世間の口をおさえつけ、バツを受けないでおさまりかえっていられるのだ。猫っかぶりが嵩じてくると、似た者どうしが寄り集まって、水入らずの組合をでっちあげる、そのなかのひとりとけんかでもしようものなら、あとの全部を相手にしなけりゃならぬ。誠心誠意事に当たる人だの、心から神さまを信じている人だのと、世間だれしもが認めている連中が、きまってこんな輩に引っかかるんだ。たわいもなく猫っかぶりの手に乗せられて、自分のしぐさを真似る猿どもを、わけもわからず尻押しするんだ。

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