ドン・ジュアン: 石像の宴 (岩波文庫 赤 512-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251232

感想・レビュー・書評

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  • 我が家の納戸に何故かモリエールの本がたくさんあるんです。若い頃買ったんだと思うけど…たぶん、モリエールの本ってどれも薄いので、なんかすぐに読めそうな気になって買っていたんでしょうね。で、何十年も放置。

    ドン・ジュアンはドン・ファンをフランス語にしたもの。スペインの伝説のプレイボーイ、ドン・ファンを扱ってる。読み始めはなんとなく憎めないやつだったけど…読み進むうちに、厭な気分になってくる。

    モリエールらしくコミカルな部分もあるものの、これはかなり皮肉が効いている。

  • ミュージカルのドンジュアンを観たので、原作を読みたくなり手に入れましたが。
    喜劇だったのか⁈
    ロマンスや、ジュアンや登場人物はミュージカルとは違って、シグナル的な印象。
    自分の欲望に正直な人は劣悪だが、喜劇なのか?

  • 「なんだこいつは⁉」と引いてしまうほどどうしょうもない主人公でした。しかし、最後の彼の主張で見方が一気に変わってしまいましたね。現実にいたら非常に困る人物ですが、こういう主人公はいてもいいんじゃないかと思います。

  • 400年前に書かれたものとは思えない程情景描写があった。

  • この作品は喜劇ですが、喜劇で書かれている作品は、人・モノを風刺的・戯画的に描く作用が強いと思います。戯曲はほとんど会話で物語が進行していくので、読んでいて舞台の上で演戯をしている俳優達・女優達を連想しました。それぞれの場面で、人間の普遍性のある主題を、分かりやすく風刺的に描いていると思います。

    物語の最後、主人公に雷が落ちて、主人公に罰が当たる結末でしたが、この結末は喜劇作品なので通用する方法だと思います。実際の世間・社会や、人間性を追及している文学作品では、最後の主人公の様な振る舞いをする人物に罰が当たる事はないと思います。

  • それなりに楽しめたが、ストーリー展開などに雑な部分を感じる。急ごしらえな製作だったらしいが、そういう事情を知らないと「???」となる場面は多い。また、解説のなかでしきりに言われているほど「無神論」という印象はなかった。

  • スペインに伝わるドン・ファンの物語をモリエールが脚本化。無節操の限りを尽くそうとすれば最後は偽善者になる、という強烈な風刺。けれど主人公がこれだけテンポよくゲスだと、むしろ爽快で魅力的に感じてしまう。文句なしにおもしろい。

  • あらら決闘シーンがないよ。エルヴィールのキャラ造形ではダ・ポンテに貢献するが決闘シーンのないドン・ジョヴァンニってのもなあ。

  • 放蕩貴族ドン・ジュアン。痛快すぎる。

    放蕩無頼の貴族たちは己の破廉恥な所業を合理化するために哲学的背景を持たない薄っぺらな無神論に走ってたんですよー、なんて言われるとグウの音も出ないが、「神様にいられると困る(絶対バチ当たるから)」が故に神様を否定したい輩なんて現代に溢れかえっているだろうし、斯く言う私もその一人だ。すみません。矮小な人間ですみません。

    瀆神的な発言・行為を繰り返すドン・ジュアンに軽く引きつつも、末路に「やっぱりな」と少し安堵してしまうところが、矮小な人間の矮小たる所以であろう。

  • 「神々は渇く」を読んでいたらドン・ジュアンが出てきたので読んでみた。面白い。ドン・ジュアンと従者スナガレルの掛け合いも面白い。ギャグマンガの原型みたいな感じ。「危険な関係」を想い起こした。このドン・ジュアンは無神論者の自由人で確かに近代的だ。無神論者で神の奇跡も亡霊も信じない点がポイントなんだろうな。

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