いやいやながら医者にされ (岩波文庫 赤 512-5)

著者 :
制作 : 鈴木 力衛 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 86
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251256

感想・レビュー・書評

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  • 17世紀フランスの劇作家モリエールの喜劇。とても短いのであっという間に読めます。
    話の筋は本当にばかばかしい限りですが、あまりにもばかばか過ぎて随所で笑いがこみ上げてきます。(笑)これは現代でもギャグマンガとして立派に鑑賞できるような気がします。話の筋は筋として、誰彼となく棒で叩かれたり、お金にコロっと豹変する姿があったり、ごにょごにょとごまかす仕草がたびたびあったり、女性に言い寄ったりと、観客から笑いを取るバリエーションも見もので、モリエールの人間の滑稽な姿をとらえる確かな目が窺えます。
    ギャグマンガとはいえ、話の流れがきっちりとできていて、セリフも舞台特有の言い回しのようなので、これはオペラにしても面白いのではないかなと思っていたら、「あとがき」によるとちゃんとオペラにもなっているようですね。また人気の故、各国で翻訳・翻案され上演もされているようで、日本でも尾崎紅葉の翻案である『恋の病』をはじめ、様々な翻案・翻訳もあるとのことで、実際に舞台で観て大笑いしてみたいですね!(^o^)

  • 亭主に殴られた女が選んだ復讐は、彼を殴らないと働かない医者に仕立て上げることだった。

    カミの『三銃士の息子』の中にモリエールの名前が出てきたので、最近こちらで書名を見かけたこの本を読んでみた。
    フランス喜劇ではあるものの、なぜか落語っぽい。
    荒唐無稽ではあるんだけど、あくまでも常識の範囲内ではっちゃけている感じ。
    これ、吉本新喜劇でやったら面白そうな話だわ。

  • 「ル・ミザントロープ」の不入りを支えるために書かれた作品で、これ単独で上演されることはなかったらしい。ファルスは、あくまでも本格的なドラマの添え物としての存在ということのようだ。世話浄瑠璃のようなものだったか。劇の初演は1666年だから、日本でもまもなく元禄文化の時代だ(もっとも、近松の活躍は18世紀初頭だが)。さて、劇そのものだが、もう徹頭徹尾風刺精神に満ちている。とりわけ揶揄されるのが医者の存在だ。しかし、新興のブルジョワジーもまた、主人公の医者に攪乱されながら相対化され、観客たちに笑いのめされる。

  • ベルクソン『笑い』はモリエール論であるという噂を聞き、とりあえず代表作だけでも読んでから読もうかと思っていたところ、「松岡正剛の千夜千冊」の、同じくベルクソン『時間と自由』の回で本書が紹介されていたため読んでみた。松岡氏の感想を先に読んでしまったからなのかもしれないが、あまり面白くない。個人的には、愛情の裏返しというわけでなく、ただただ笑いをとるための風刺というのは、むしろ不快である。

  • 図書館では読めん...(笑)

  • ◆木こりが妻のたくらみから始まって名医に”仕立て上げられてゆく”さまを楽しむお話。「お笑い」的な、相手の発言にひねくれた解釈を加えるやりとりの面白さに加えて、その専門性を悪用する医者への風刺、その権威を信じる一般大衆の滑稽さが、なんとも面白いのです。ぼくは、読みながら終始ニヤニヤしていました。

    ◆はたして、”いやいやながら医者にされ”た木こりを「名医」に仕立て上げたのは誰でしょうか。それは本書に登場するすべての人たちではないかと思います。片方には、木こりの妻や、いやいやながら医者となった木こりのように適当なことをいう人間がいて、もう片方にはそれを信じ込む人がいる。なんとも滑稽な、社会の縮図です。初演は1666年とのこと。時代を超えた笑いのセンスには驚くばかりです。

    ◆ただし現代だと、唖(おし、発話障害)をネタにすることはタブーなのでしょうね。

  •  いいタイトルだ。
     病院の待合室、30分で読めた。

     戯曲一本。夫婦喧嘩で殴られた奥さんのいたずら(?)によりいやいやながら医者になった木こりが、町の金持ちの娘の病気を治すまで。この金持ちの娘というのが、親の決めた婚約相手と結婚したくないばっかりに唖を装っている。他に好きな人がある。

     金持ち(父親)は男の家柄と貧乏さゆえに娘との婚約を拒んでいたが、男の叔父が死んで、多額の相続金が入ると聴いて態度を一変させる(笑)。舞台は一挙にハッピーエンドへ、と。

     当時の観客は唖然としなかったのだろうか。叔父の遺産が入ったから……って、それはそれでどんでん返しだったとしても「ええーっ」ってならなかったか。それでいいのかモリエール。納得したか皆の衆。

  • たわいのない話でしたが、あとがき(解説)を読むことで理解が深まりました。同じ著者の『ル・ミザントロープ』を読んでみたくなりましたね。

  • コメディーの原点と言ってもいいかもしれないモリエール。けっこうなドタバタは吉本に通じるところもある?教訓らしいものは読み取れないけれど、医者を怒らせると大変なことになる、という最後の一言はなんとなく笑ってしまいました。

  • モリエールの医者嫌いっぷりが見事。

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