守銭奴 (岩波文庫 赤 512-7)

著者 :
制作 : 鈴木 力衛 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 130
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251270

感想・レビュー・書評

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  • 17世紀フランスの劇作家モリエールの喜劇です。モリエールの作品の中では最も上演回数が多いとのことです。
    主人公といっていいのかわかりませんが(笑)、60歳のジジイで、息子と娘の父であるアルパゴンの「ごうつくばり」ぶりが物凄いです。それに、年若い女性との再婚を画策し、息子と娘の方は体よく結婚させて片づけてしまおうとするなど、その自己中心ぶりも半端ないです。しかも、お金をかけずに・・・。(笑)
    今回、モリエールが提示した「けち」で「強欲」なジジイという人物設計は大変に際立ったもので、その圧倒的なキャラは今日でも色褪せることはありません。われわれ観客はその妥協のない「けち」で「強欲」ぶりに面白さを感じ笑うわけですが、人間誰しも「けち」や「欲張り」な面に多少なりとも身に覚えがあるはずで、その増幅された「ごうつくばり」なアルパゴンの姿を笑うと同時に、自らの周囲や自分自身を振り返ることにもなります。そして、それがまた面白い。観客はいつまでも強烈なアルパゴンを忘れないのと同時に、自らや自らの周囲に「アルパゴン」を重ね合わせて笑い続けることで、モリエールは笑いの持続性と横展開をも観客に提供しているわけです。モリエールの人間観察眼の鋭さと、それをネタにいつまでも笑いを記憶させようとする作家魂に迫力を感じさせられます。さらにアルパゴンの周囲を彩るジャック親方やフロジーヌばばあの素っ頓狂ぶりも楽しく、モリエールの人物設計の面白さが存分に味わえる作品になっています。
    上演当初は客入りが悪かったとのことですが、こうした自分に常にはね返ってくるような強い風刺を笑い飛ばすには、まだまだ観客の精神が追い付いていなかったのかもしれないですね。
    舞台劇の作品として、舞台らしい会話と仕草の妙が随所にあらわれ、それがまた楽しいので、これはやはり是非とも観劇したいところです!(^o^)

  • モリエール5作目。吝嗇家のアルパゴンが、息子や娘、そして自分自身の結婚を思い通りにしようとして、結果的に全く思い通りに行かなかったという話。最後の場面は、盗まれた財産を返してもらうことを条件に、自分の娘の結婚相手を承諾するという、いかにもな描写で締めくくられている。話の筋の中にちょこちょこ出てくる笑いの誘発装置が完全にツボに入った。特に、アルパゴンと娘のエリーズとの掛け合いは面白い。あと、冒頭の登場人物の紹介は、もちろん読書の助けにはなるが、この作品に関してはネタバレを含んでいるので読まない方が良い。

  • 守銭奴ことアルパゴンの、滑稽なまでの金への執着がクスりとさせてくれる。

  • モリエールの代名詞と言っていいほどの作品。それなりに楽しめたし、舞台で見てみたいとも思ったが、終盤の展開が唐突なのがちょっとだけ引っかかった。

  • 新書文庫

  • 行き過ぎた性格は端から見ると面白い!モリエールの真骨頂だと思う。
    お金に固執し、お金以外のものを失うけど、お金は守ることができる。幸せってなんだろうって考えさせられる作品。

  • 恋は盲目、金も盲目、ぞなもし。

  • (1976.05.13読了)(1976.05.10購入)
    *解説目録より*
    親がけちん坊なばかりに息子は人並みの身だしなみもできず、恋人と一緒になることもできない。しかも彼の父親アルパゴンは年甲斐もなく息子の恋人に想いをかけている。恋愛すれば金がかかるし、それが守銭奴アルパゴンには身を切られるよりもつらい。モリエールの性格喜劇のうちで最も上演回数の多い作品。1668年。

    ☆関連図書(既読)
    「人間ぎらい」モリエール著・内藤濯訳、新潮文庫、1952.03.15
    「女学者・気で病む男」モリエール著・内藤濯訳、新潮文庫、1952.04.10

  • アルパゴンの滑稽さ。

  • 「性格喜劇」というらしい。よいアイデア。
    割り勘共産主義借金派でケチな俺としては、アルパゴンの至った境地、おそらく人ごとではない。嗚呼。

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