- 岩波書店 (1970年4月16日発売)
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感想 : 12件
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Amazon.co.jp ・本 (124ページ) / ISBN・EAN: 9784003251294
作品紹介・あらすじ
医者や薬剤師のくいものにされ、自分は重病だと堅く信じこんでいる男。若い後妻は財産を手にいれようと夫の死を指折り数えて待っているが……。モリエールは新しい学説や実験を受け入れない医師たちを痛烈に諷刺しながら、歌と踊りをふんだんに盛りこんだ陽気な笑劇を作り上げた。現代もなお上演され続けている名作。
みんなの感想まとめ
ブラックユーモアが光るこの戯曲は、頑固で間の抜けた主人公アルガンが病気と思い込む姿を通じて、医者や医学を痛烈に皮肉ります。周囲の人々に翻弄されるアルガンの様子は、笑いを誘う一方で、彼自身の神経質な性格...
感想・レビュー・書評
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相変わらずモリエールの戯曲は面白いです。特に今回の作品はブラック気味なシニカルなユーモアに彩られていて、いつも以上に可笑しみが増していたように思います。どちらかというと自分向きな笑いであったようにも思います。(笑)
話の基調は、頑固ながら間の抜けている主人公の父親が病気と思いこんで周囲からさんざんに食い物にされているのを笑い飛ばすということですが(笑)、悪医者からさんざんどうでもいいような薬を処方されたり、それを背景に医者の息子と自分の娘を強制的に結婚させようとして娘を困らせたり、一方で、後妻からは遺産を巻き上げられる陰謀を仕掛けられたりと、話のネタは尽きなくて、これだけでもどれも悪いジョークだらけの設定ですね。(笑)解説によるとモリエールは、本作の上演の数年前から悪質の胸部疾患に悩まされていたそうですが、その治療の効果もなかったためか、主人公の患者?を通してこうまで悪しざまに当時の医者と医学をも嘲笑しまくるような作品に仕上げるとは、モリエールも相当、人が悪いと思います。(笑)(ちなみにこの第4回公演直後に喀血してそのまま亡くなったとのことです・・・。)
劇自体もこうしたブラックなユーモアに合わせるようにアップテンポでリズミカルなセリフと展開で、楽しさ満載の笑劇だったといえるでしょう。現代にいたるまでなおも上演され続けられている作品とのことで、これは是非とも舞台で鑑賞したいものです。頑固で間抜けな主人公の親父アルガンの配役もそれ相応の役者さんが必要ですが、何と言ってもキーマンのコミカルで機知に富んだ女中トワネットの配役は難しそうですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
医者嫌いのモリエールが。痛烈に皮肉りまくった1冊。
ヤブ医者にその間抜けで頓珍漢な息子、有能な女中に笑ってしまう。
アルガンはもしかしたら精神病か、異常な神経質といった様子が見られる。
嘗て、アルガンの役をモリエール自身が舞台で演じたみたいだけど、著者を痛烈に罵倒したシーンにて、モリエールがモリエールを貶すというカオスなシーンが何処かで残っていたら見てみたいものだ。 -
154P
初版発行: 1673年
モリエール
(1622-1673)フランスの俳優、喜劇作家。本名ジャン=バチスト・ポクラン。オルレアン大学で弁護士の資格を取るが、女優と恋に落ち、劇団を結成。13年余りの巡業生活の後、1659年に風刺劇「才女気取り」で成功を収め、パリに定着した。「ドン・ジュアン」「守銭奴」「人間ぎらい」など、現在も国立劇場コメディ・フランセーズで上演される作品を数多く残している。
病は気から
by モリエール、鈴木力衛
自慢するわけじゃありませんが、この子は、すでに二年間、インターンの学生として勤めておりますけれど、学校でなにか論争のあるたびに、この子ほど活発な意見を吐く医者の卵はないでしょう。この子はいまや恐るべき論客となり、議論のたびごとに、反対意見にたいしては、徹底的な痛撃を加えるのです。自説を守って譲らず、自己の主張はトルコ人のごとく、かたくなにつらぬきとおし、自説をひるがえしたことは一度もなく、論理のすみずみにまで考察を押しすすめます。しかし、この子のなかで、なによりもわたしの好きなのは――そしてその点、この子はわたしを見習っているのですが――盲目的に古人の学説を遵守している点であります。
モリエールは初期の『飛び医者』以来、『恋は医者』、『ドン・ジュアン』、『いやいやながら医者にされ』などで、医学と医者をくり返し槍玉にあげてきたが、とりわけ『病は気から』においては、新しい学説や実験を頑として拒否する保守的な医師たちにたいする諷刺がいっそう痛烈になっている。だが、この戯曲を執筆し舞台にかけたころ、モリエールの健康は最悪の状態に達していた。公演の四回目、かれは激しい咳の発作に襲われ、苦痛に堪えながら最後まで演技を続けた。幕が降りると同時にモリエールは舞台に倒れ、リシュリュー街の自宅にかつぎこまれたが、間もなく胸の血管が破れ、大量の喀血をし、妻が迎えに行った司祭の到着をも待たずに息を引きとっている。
歌と踊りをふんだんに盛りこんだ陽気なファルス『病は気から』は、モリエールの死後もしばしば脚光を浴び、国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は、一九六四年までに千六百回を越えている。見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居ではあるまいか。 -
アルガンは自分は重い病気だと信じ込んで医者や薬剤師の言いなりになっていた。若い後妻は彼の死ぬのを待ち構えていて、邪魔な娘達を尼寺へ送り込もうと企んでいる。
医者と親戚になれば何かと便利だと、長女を医者と結婚させようとする。しかし長女には相思相愛の相手がいる。
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現実世界にも自分が病気だと思いたがる人って時折いらっしゃいますね。一つにはかわいそぶりっ子、もう一つは医者とか病院といった存在が好きで、そこに係わっていたがる人。いずれにしても誰かに親切にされたり世話を焼いてもらう事に小さな喜びを得ているのでしょう。この主人公も正にそんなオジサン。
この戯曲に登場するトワネットという女中が凄くいい味を出しています。言いたい事をズケズケ言うのに不思議と嫌われずクビにならない。場合によりけりで心にもない事を言う。でも不思議と主からも夫人からも娘からも何かと頼りにされている。彼女の存在が、この喜劇をより面白くしている。舞台で演じるなら、是非どんぐりさんにやってほしい。 -
自分を重病だと思い込んでいる男をめぐる、医学批判がテーマの笑劇。作者も病身で本作の舞台公演後、喀血死したらしい。芸人魂…!劇中の台詞で「モリエールはどうかしてる」とか言わせちゃうのもツボです。
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モリエールに関しては「とにかく面白い!」これに尽きる。
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読んだのは、病院の待合室。娘を連れて行った夜間の救急センターにて。不謹慎かとは思ったんだけどね。初めてのモリエールだったんだけど、フランス喜劇ってこんなん?と目が点。吉本的なドタバタにすっかりハマった。
痛烈な医者批判もスゴイけど、著者本人がこの舞台上演中に病で倒れ、そのまま亡くなったというエピソードに心底驚いた。
モリエールの作品
