愛と偶然との戯れ (岩波文庫 赤 517-1)

著者 : マリヴォー
制作 : 進藤 誠一 
  • 岩波書店 (1977年7月発売)
2.90
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003251713

愛と偶然との戯れ (岩波文庫 赤 517-1)の感想・レビュー・書評

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  • フランス文学史をまなんでいて存在を知り、大学の図書館にあったので読んでみることにしました。タイトルがなんだかユニーク(笑)というのと、「マリヴォーダージュ」なる趣味がどういうものなのか気になったということが興味をもった理由です。

    「マリヴォーダージュ」については、訳者の方が最後の解題で「マリヴォーの戯曲の翻訳にあたって最大の難事は、そのマリヴォーダージュを適当に訳出すすることであった」と言っておられるくらいなのでとても理解できたとはいえません。ですが、よく彼について言われる「繊細な心理描写」なるものは十分楽しめたかと思います。
    訳本もけっこう古いものしかなく(私が手に取ったのは昭和33年の第18刷です)、旧字体ではじめとっつきにくい感じは否めませんが、物語自体はとても面白く、現代人でもふつうに楽しむことができると思います。以前には宝塚でもこの作品を題材にしたものが上演されたようですし。相手のことをよく知りたいがために主人と従者が入れ換わる×2という設定がいささか突飛なようにも思いますが、けっこう笑えます。入れ換わりがあるせいで、たとえば「リゼット」がその侍女であるリゼット本人をさしているのかはたまた彼女に変装しているシルヴィアのことをいっているのか、というように途中こんがらがってしまうこともありましたが、それでも読みやすいと思います。

    印象的だったのは「理性」ということばの使われ方です。作品のなかでこの言葉は「階級の異なるものに対する慕情に惑わされることなく、親たちのすすめにしたがった身分相応の結婚を選択すること」というような意味あいで使われていました。しかし、本当にそういう選択は理性的なのかな…と私は思ってしまいます。フランス革命以前に書かれた作品ということもあって表だってはそういう階級に対する違和感のようなものは感じられませんが、もしかするとそういう階級のようなものに対する皮肉めいた意味あいも含んでいるのかもしれない…なんて深読みをしてしまったりしました。


    とりあえず、面白かったです。もっと簡単に入手できる訳本がでるといいな、と思います。

  • 宝塚でやると聞いて、図書館から借りてきた。筋は簡単だし、登場人物もわかりやすく、舞台でやったらおもしろそう。元々脚本なので、舞台向きなのは当たり前かもしれませんが。

  • シアターコレクティブ実験劇場2008
    『愛と偶然の戯れ』

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