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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784003252017
作品紹介・あらすじ
原タイトル: Histoire de Gil Blas de Santillane
感想・レビュー・書評
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「気が沈み、宿命を信じないでいられない時があったら、ある種の異常な事柄が自分だけにしか起こらないと思うことがあったら、『ジル・ブラース』を読みたまえ。ジル・ブラースもそんな不幸をないしは似たような別の不幸を経験したのであり、彼はそれを単なる不幸として受け取り、あきらめをつけていることを、諸君は発見するであろう。また、道徳、政治、趣味の各領域において混乱が生ずるたびに、なんらかの侵略が行われるたびに、気分をしずめ、精神の焦点を合わせ、言葉を更生させるために読み返していい本がフランス文学史上 にあるとすれば、それは『ジル・ブラース』である。」(サント・ブーヴ)
旅のはじまりはドン・キホーテみたいでほんとうにわくわくする。いろんなところでいわれているとおり、たしかに、ジル・ブラースの人物像に関してはかなりぼんやりとしている(いまのところ)けれど、それはおそらく、彼が、善と悪のあわいをゆれる、かなり普遍的な人物であるからかもしれない。そして関わってゆく人々の言動を通して、彼の輪郭が浮かび上がってくる、或いは、わたしたち読者の心の奥底を浚ってゆく、という効果もあるかもしれない。そうしてわたしは知らず知らずのうちに、幾つもの選択肢がありながらも運命に流されてゆくジル・ブラースとして、旅をつづけていることに気がつくのだった。
世間知らずだったジル・ブラースが旅をして様々なことを知ってゆくのも(その描き方そのものも)おもしろい。そしてわたしも一緒にその風俗をしってゆく。蒙昧はおそろしい。知識や智慧(や悪知恵。もとい処世術)は、この世を無事に渡り歩くための防具であるのだ。
「まさか泥棒と一緒にいるのを苦にするほどお前が馬鹿でないと思うからそう言うのだが。それに!世間には泥棒以外の人間がおいでなさるかい?断じていないぜ。どいつもこいつも他人様のものを失敬することが好きなのだ。これは人情さ、ただそれをするやりかたが違うだけだ。たとえば、征服者は隣の国を失敬する。身分ある連中は金を借りて返さない。銀行家、財務官、両替人、稅吏、小売、卸を問わずすべての商人は、甚だ謹直であるとはいえないからね。司直を司る人間に至っては、また何を言わんかや。彼らにどんなことができるか、知らぬ者はいない。しかし、彼らの方が我々より人間的だということは認めなければならんな。ほかでもない。しばしば我々は罪のない者の命を奪うことがあるが、彼等は、時に、罪のある者の命さえ助けることがあるからな。」
「ねえ、君、人生のすべての不幸を、我々は大悟一番諦めるべきだよ。諦めるかどうかという点で強い勇気のある魂が弱い群小の魂から区別されるのだ。」
「徳の中身を手にいれるのは高くつくから、今日はみんな外見だけで満足しているのです。」
2025/3/4詳細をみるコメント0件をすべて表示
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