セビーリャの理髪師 (岩波文庫)

制作 : 鈴木 康司 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 76
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003252222

作品紹介・あらすじ

深窓の令嬢のロジーヌに、一目惚れしたアルマビーバ伯爵。早速身分を隠して熱烈な求愛開始、ライヴァルはなんと彼女の後見人!街の理髪師フィガロの加勢で、あの手この手で攻める伯爵、宝は渡さじと守る老医師、二人の恋の知恵比べはいかに。「フィガロ三部作」の第一作、痛快無比の傑作喜劇。ロッシーニ歌劇の原作(新訳)。

感想・レビュー・書評

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  • 原作を読んだのは初めてだが、1775年チュイルリー王宮での初演といえば、バスチーユの襲撃までは10年余りと迫った時期。本編には直接そうした危機感は見られないが、アンシャンレジームの揺らぎは、劇にも影を落としているようだ。もっとも、劇はフランスを舞台とはせず、遠くセヴィリヤの物語として描いているのだが。ただし、ボーマルシェの原作よりも、軽快でいて陰影に富む序曲に幕を開けるロッシーニのオペラの方がはるかに有名。これがなければ、後世に知られることはなかっただろう。オペラは冒頭こそ幾分違うが、概ね原作には忠実だ。
     この作品は、『フィガロの結婚』の20年くらい前のお話ということになる。順序は逆だが、ロッシーニはいわばモーツアルトに挑戦した。彼がオペラにおいて(とりわけブッファでは)モーツアルトの後継者であったことは明白だ。ベートーヴェンも、さぞやこんなオペラを作りたかったことだろう。
     ちなみに「町の何でも屋」フィガロについてだが、この頃のヨーロッパでは理髪師が外科医の仕事も兼ねていた。その名残が床屋さんの店先でくるくる回っている、あの赤と青のシンボル。赤は動脈、青は静脈を現わしている。

  • 「そんな陽気な悟りをだれがお前に教えたのだ?」
    「不幸の習慣です」




    オペラは行きたくても、そもそも通常の演奏会等と違い頻繁に開催はされないし、必ずしも観たい演目が行われるかどうかすらわからない。希望の演目が観られるチャンスは数年に一度ということもある。
    しかしこうやって本で一気に読むと、ひとつのオペラを観劇した気分にもなる。

  • Moliere

  • 最近オペラに興味を持ち始めたので、オペラの<セビリャの理髪師>を観る前に読んでみました。
    内容は単純で非常に軽いタッチです。人間を描くと言う点では個人的には同じような劇でもシェークスピアの方が面白い気がします。
    本自体の内容は軽い喜劇なのでオペラがこの本を基にしてどの様に演出されているのか観てみたいです。
    ちなみにタイトルの『セビーリャの理髪師』と実際の内容はほとんど関係がないような・・・と思うのは私だけでしょうか?

  • テンポの良い喜劇。
    老医師の欲望の片棒を担ぐオルガン奏者の小物っぷりで笑わせていただきました。
    結局のところ全ては金貨で解決。何とも分かりやすい小物で。

    しかし、この話よりも訳者解説のボーマルシェ自身の波乱万丈な人生の方がすごくて作者の人生と作品、どちらがフィクションのようにドラマティックなのだか…と思ってしまった。

  • 非常に巧みな喜劇。
    また単純な経歴の羅列でさえも飽きさせない波乱万丈な人生っぷりも見事。

  • フィガロの結婚の方が面白いよ。
    ボーマルシェの生き様の方がドラマティックだよ。

  • 老人バルトローが自分の後見人下にある美しい処女ロジーヌを妻にしようとして、嫉妬ぶかく世間の目をさえぎって閉じ込めていたのを、若きアルマヴィヴァ伯爵が垣間見て恋し、一人の下僕フィガロの助けを借りて、コロコロと変装したりこっそり手紙を届けたりと、様々な奇策を用いて、ついにロジーヌと結婚するという物語。
    読みやすいし、テンポが良くて楽しかったです。
    あとがきにある作者の多才っぷり(?!)にもびっくりしました。

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