- Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003252642
作品紹介・あらすじ
この小説は一平民青年ジュリアン・ソレルの野心をとおして、貴族・僧侶・ブルジョアジーの三者がしのぎをけずる7月革命前夜の反動的で陰鬱なフランス政界と社会を、痛烈な諷刺をこめて描き出した社会小説である。
感想・レビュー・書評
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初めて読んだフランス文学 こういうわけわかんないちょい気持ち悪いのがフランス文学か なるほど と思ったらヤツ ごく浅い知識で
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ジュリアン…
最後まで心配が尽きない… -
東京都杉並区・武蔵野ゼミナールの根岸先生に勧められて。
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まさにカオスというに相応しい小説。村上春樹のいう総合小説とは、ドストエフスキーのようにその時代の流れのようなものを掴み、物語という形に変換することでその一切を語り尽くすというものであるが、赤と黒を敢えて何かの枠組みに当てはめる試みをするのであればこれは総合小説ではなく、むしろその時代にあるものをさながらイギリスの自然公園のようにそのまま移し込んだといった具合に感じる。それは不可能のようにも無意味のようにも見える。しかしながら、スタンダールはこの所業をやってのけた。出版当時人気が出なかったのは当時の人々にとっては少しも夢を感じなかったからではないだろうか。夢の中で現実を見ても大して嬉しくないのだ。だが、スタンダールは貴族、聖職、第三階級の関係性を綴るとともに男女の愛を描き、その2つの軋轢から生まれる自尊心と野望の滑稽さを浮き上がらせている。そして、その事象は単なる偶然で片付けるものではなく、階級から生まれる問題であることを多義的に表している。スタンダールの小説が後から賞賛を浴びるようになったのは時が経てば経つほどその問題の根源が理解されるようになったからではないかと感じた。
著者プロフィール
スタンダールの作品





