赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9

制作 : Stendhal  桑原 武夫  生島 遼一 
  • 岩波書店 (1958年8月16日発売)
3.42
  • (23)
  • (56)
  • (139)
  • (5)
  • (1)
  • 本棚登録 :515
  • レビュー :20
  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003252642

作品紹介

この小説は一平民青年ジュリアン・ソレルの野心をとおして、貴族・僧侶・ブルジョアジーの三者がしのぎをけずる7月革命前夜の反動的で陰鬱なフランス政界と社会を、痛烈な諷刺をこめて描き出した社会小説である。

赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 上巻に比べて下巻は読むのがしんどかった。ジュリアンも高慢だけど対するマチルドも鼻持ちならない高慢ちき。お互いプライドばかり高くて相手を振り回すことにゲームみたいにムキになって、あまりいい印象を持てない。不倫だけどレノール夫人との関係のほうがむしろ微笑ましい。

    ラ・モール侯爵の秘書になってからはジュリアンの人生、マチルドの件を除いてトントン拍子に進んでいた。けど転落も早かった。あれだけ野心を持っていた男が生きる気力をすっかり無くしてしまう様もなんだか解せない。

  • 主人公ジュリアンがパリに向かう場面から始まる。この巻にはいると、レナール夫人とマチルドに対する愛が極めて対比的に語られる。前者では「自然」な感情が語られるのに対して、後者では勝利や支配、征服といった極めて策略的な関係が描かれる。もはや、後者の愛は偽善でしかない。
     加えて、この小説は、フランス革命やナポレオン戦争のモチーフが大量に動員され、なおかつ、マチルドはジュリアンにユグノー戦争時の英傑たちの精神を見ようとする。しかし、実際にやっていることというのは、上流社会での駆け引きと恋愛沙汰であり、そこには議会での討論もクラブでの活動も戦争も存在しない。だから、マチルドとジュリアンの関係はただちぐはぐなもののように感じられる。――最後の数章でのレナール夫人とマチルドに対するジュリアンの応対の差は、このちぐはぐさの表現なのではないかと思われるほどであった。

  • (こうやって死の二歩手前のところで自分と語り合っていてすら、おれはまだ偽善者だ……おお、十九世紀よ!) 446
    (…
    一、おれは誰か聞き手があるかのように本心を偽っている。
    二、もう余命いくばくもないおれが、生き、恋することを忘れている……ああ! レナール夫人がいない。多分、あのひとの夫は妻がここへ来て、ますます不名誉の上塗りをすることを許すまい。

    このことが俺に孤独の感を与えるので、公正、善良、万能の、悪意なく復讐心に渇していない神のいまさぬことではないのだ……)447

    「…あたしはあなたに、本当は神さまだけに対してもたなければならない気持をもっているのよ。尊敬と、愛と、服従の心のまざったもの……」(431f.)

  • ジュリアン、パリのサロン編。

  • 色々読みとるべきところはあるんだろうけどやっぱり恋愛の描き方のすごさに目が行ってしまう…。描き方っていうか駆け引き(無意識)っていうか…。
    アンナカレーニナのもっているようなキラキらしたロマンス要素は薄く、よりリアリティのある恋愛でした。

  • 当時(高3?)は、情熱的な若者の恋愛小説、としか記憶がなかったが、
    権威、権力に対する政治小説だったんだね。
    時代背景を気にするようになったのは、20代になってから。

  • ジュリアンの考え方が自分に似ていると言われたけど、確かに似ている…
    いろいろなことを頭で考えて行動しようとする癖に最終的には感情で行動する部分とか。根本的に自尊心で動く部分なんかはずいぶんと違うと思うけど。

    18,19世紀のフランスを知らないし、特に当時の階級文化やら、恋愛感情なんかが理解に苦しむ部分が凄く多かった

    読みにくい部分と読みやすい部分がはっきりとわかれたけど、全体としては読みやすく全体に魅了される作品でした。

  • 上巻の途中から面白くなってきたので、早く続きが読みたかった。

    最後のシーンは非常に引き込まれるものがあった。

    長かったが、最後まで読んでよかった。

  • 結局のところ、こういうオチになるのもわかる気がする。
    それだけのテンション持った男だよね、ジュリアンって。
    腹をくくった姿はなかなか男らしくて見直した。

    しかし令嬢は気丈だ。
    デュマの「王妃マルゴ」を読み返したくなった。

  • ナポレオン没落後~七月革命前までの、反動的なフランスが舞台。
    田舎の山奥の貧乏人の息子ジュリアンが学問に対する能力とものすごい野心を持って、遂には上流貴族の仲間入りをする話。

    そこに至るまでの恋愛模様は上流の女性に恋?をして結局はその愛を勝ち得るというもの。
    ジュリアンの恋愛の仕方はあまりにも理性的でその上自分が燃え上がってくると奪い取ろうとするような姿勢で共感が全く持てず、また上巻で出てきたそのパターンが下巻でもより上級社会でのステージで登場しているだけで、まったく同じことの繰り返しのように感じた。

    そのため、下巻の途中までは「ああまたか」という感じで少し飽きていたのですが・・・
    …まさかこういう結末になるとは、という感じでした。下巻の437ページで私のこの小説に対する評価が180度変わった気がする。やはりすごいねスタンダールは。フランス心理小説の最高峰と言われているだけあった。

全20件中 1 - 10件を表示

スタンダールの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ドストエフスキー
フランツ・カフカ
フランツ・カフカ
ドストエフスキー
ドストエフスキー
ヘルマン ヘッセ
三島 由紀夫
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印

赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9に関連する談話室の質問

赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9に関連するまとめ

赤と黒〈下〉 (岩波文庫 赤 526-4 9を本棚に登録しているひと

ツイートする