- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003252659
作品紹介・あらすじ
優雅で美しく無垢な青年ファブリス。ナポレオン崇拝のあまりワァテルローの戦いに飛び出してゆく彼の衝動的行動から物語は始まり、波瀾万丈の展開をみせる。恋、政争、冒険、生と死。『赤と黒』と並ぶこのスタンダール(1783‐1842)の代表作は、一生のあらゆる段階で読み返されるに値し、そのたびに味わいを増すとまで讃えられる。
感想・レビュー・書評
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新潮社の大岡昇平訳は読めたものではなかったが、これは読める。
とりあえず上巻を読み終わったが、名作と言われる理由がまったく分からなかった。
ファブリスの行動の動機がよく分からないし、恋をするような情熱が自分の中にはないと言いながら、その辺の女にすぐちょっかいを出すし、トラブルになると叔母や叔母の恋人(伯爵)が助けてくれる。。。そんなとりとめもない話が展開していく。読み進めるのがちょっと苦痛である。
とにかく、がんばって下巻まで読んでみる。 -
下巻にまとめます
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駆け引きが最も面白いところであり、この点はディケンズを越えているが、全体的には。。。。
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ファブリスは、十町ばかり来てからふりかえって見た。だれも追ってはこない。家は炎につつまれている。ファブリスは例の橋を見た。傷を思い出した。… この朝わが主人公は実に冷静だった。多量の出血で、その性格の小説的なところが、すっかりきえてしまっていた。
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作者が地の文で読者に話しかけるのは、古くさい表現かもしれない。
でも、スタンダールの話しは、なんだかついつい耳をかたむけてしまう。 -
上巻読了。ほぼ完璧といって過言ではない展開。
スタンダールのもう一つの代表作である赤と黒以上に人間描写や物語性が優れていると思う。
ナポレオンのワーテルローの戦いを背景とし、伝統的な中世を面影に移り変わろうとする時々や人間の抱く普遍的な愛情や憧れが集約される。 -
ラノベばりに登場人物の年齢が低くて、30過ぎると立派な婆さんな世間で話がまわっている。ざっくりした筆遣いで描かれた油絵のような世界。国境をくぐっての逃亡が面白い。
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こんな男いるかよっていうくらいモテる男の話。作者は全然モテない醜男だったらしい。きっとそのコンプレックスが主人公ファブリスを生みだしたんだろうね。そんなファブリスが19世紀前半のイタリアを舞台に己の感情の赴くまま突っ走る!色々な味わい方ができる名作です。