パルムの僧院 下 改訂 (岩波文庫 赤 526-6)

制作 : Stendhal  生島 遼一 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 158
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003252666

作品紹介・あらすじ

城の牢に幽閉されたファブリスをめぐってパルム宮廷の政争はさらに激しく展開する。才気と美に輝く叔母サンセヴェリナの情熱、モスカ伯爵の精妙な政治学、政敵コンチ将軍の娘クレリアの可憐な恋。個性的な多くの副人物を配し、19世紀前半、動乱期イタリアの小公国パルムを描いて「広範な社会的真実」を見事に浮かび上がらせた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • これは素晴らしいな。面白いとは違うんだけど、読んでよかった。物語が進むにつれて高まっていくあまりに苛烈な情熱の奔流。最後の数章の高まりっぷりは本当にやばい。
    やっぱり古典はちゃんと読まないといけないな。

  • 翻訳は新潮文庫版よりこちらの岩波版の方が理解しやすかった。なんと言うか赤と黒もそうなんだけど、すごくいわゆる恋愛小説ですよね。当時の倫理観的にはどうだったんだろうと思うけど、メロドラマって感じだなあ。最後の数ページでの怒涛の展開にはあっけに取られましたが。

  • こういういっさいの名誉に少しもうれしい気持ちが起らず、我が家の従僕服をきた十人の召使にかしずかれ壮麗な邸宅に住みながら、見るもきたならしい獄吏にとりまかれて常に生命の危機を感じつつファルネーゼ塔の木造部屋にいたときよりはるかに不幸だということは、ファブリスにとってひとつの大きな哲学の教訓だった。

  • 人間描写、そしてその関係の描き方が秀逸。
    そのおかげで、なじみの薄い世界の話しもすんなり読めた。
    幾つかの詩的な場面が印象に残っただけでも、読んで良かったと思えた。

  • 解説にもある様に、同作品と『赤と黒』は、甲乙つけがたく、結局再読した記憶の新しいものに軍配が上がる。スタンダールのこの代表二作品は、小説全ての肯定的要素が鏤められ、幾度の再読にも耐えられる至高の作と謂えるのではないか?少し唐突な終幕も一見悲観的な幕引きに視えて、主人公の裡の幸福感をはすかいに感じさせる(赤と黒も同様に)
    スタンダールの作品は、正しい小説 なのだと思う。

  • パルム大公国という小国を舞台に繰り広げられる権謀術数の政治的駆け引きと錯綜する恋愛。上巻では戦争と平和が浮かんだり、赤と黒のジュリアンと比べて歯がゆく思ったが下巻になって俄然面白くなった。政治家として尊敬できるモスカ伯爵は純真で一途だし、ジーナ、クレリアも魅力的。ファルネーズ塔のファブリスとクレリアはまるでラプンツェルを逆にしたようだ。イタリア人らしい激しい情熱とすれ違う想いの心理描写をそれぞれ知ることができるなんて読者の特権だと思う。

    ジーナの物思いにふけるさまはグインサーガ中期を想い出し、ワーテルローでのファブリスは戦争と平和のピエールを、ファルネーズといえばベルセルクのファルネーズ様が…

  • 読むのに手間取った。
    宮廷での陰謀とかあれこれごちゃごちゃした駆け引きみたいの多くて、事実関係追うので必死だった。そこのごちゃごちゃがまた面白いとこなんだろうけど(作者スタンダールもそういった宮廷全盛期な時代のイタリアを愛していたのだとか)、正直キツイ。
    まあでも話の本筋はごちゃごちゃした陰謀のなかでの一途な恋愛て感じでよかった。
    なんでもリアリズム文学の先駆けなんだとか。主人公はあれこれ悩んだり動揺したりと多感なんですね。つまるところそれがリアルなんですw

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