暗黒事件 上 (岩波文庫 赤 529-9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003252994

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  • 19世紀フランスのナポレオン帝政時代にひとつの事件が起きた。帝政打倒を狙う王党派の亡命貴族と、彼らを援助する主人公ローランスは元老院議員が誘拐される事件に出くわす。そして、その犯人として反政府側の面々は疑いをかけられる。政府対反政府の物語が展開される。

  • ジャコバン派の倒れた後、革命の行方がいまだ決着を見ない19世紀初めのフランスが舞台。
    王党派と通じる青年貴族たち、忠実な管理人ミシュー、アンチボナパルトでサン・シーニュ家の女当主ローランス。このあたりの人物を中心として、亡命貴族の土地を買い取った男や王党派の陰謀を書きまわる警察組織の者がそれぞれの思惑で行動するところに事件が起きる。

    裁判の模様はいつの時代も変わらない、人が人を裁くことの難しさを感じさせる。証拠主義もどこまで突き詰めれば真実を明らかにできるのか。真実に反してもそれが社会としては妥当することもある。冤罪はなくならない。

    フーシェやタレイランといった当時の大物も一部登場する。クーデタや暴動によって明日の正義が変わる状況で、身の置き所をどこにすべきか、誰を支持すべきか、迷う人の心がまた陰謀を呼ぶ。

    内容は面白かったのですが読みにくい本でした。
    旧仮名遣いに加えて漢字も旧字が使われていて、特に漢字について知らないものは文脈から推測し、頭の中で変換して読む必要があり、分量のわりに読み終えるのに時間がかかった。
    初版が60年以上前に出ているので仕方がないとはいえ、誰かが新訳をしてくれないものだろうか。

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著者プロフィール

オノレ・ド・バルザック
1799-1850年。フランスの小説家。『幻滅』、『ゴリオ爺さん』、『谷間の百合』ほか91篇から成る「人間喜劇」を執筆。ジャーナリストとしても活動した。

「2014年 『ジャーナリストの生理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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