レ・ミゼラブル 2 (岩波文庫 赤 531-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (611ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253120

作品紹介・あらすじ

軍艦から海中に身を投じて巧みに官憲の目をくらましたジャン・ヴァルジャンは、コゼットの前に姿を現わし、彼女を悪辣なテナルディエ夫婦のもとから救い出す。2人はパリの一画に身をひそめるが、執拗なジャヴェル警視の追及の手はついにここにものびてきた。

感想・レビュー・書評

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  • コゼットをジャン・バルジャンが救い出し、二人でジャベルに追われながら修道院に逃げ込む。
    「獲物をつかむ爪牙は奇怪な快感を持っている。それはつかんだ獲物の盲目的な運動を感ずることである。そのなぶり殺しはいかにおもしろいことであるか!」執念深いジャベルをかわして、偶然にも以前助けたフオーシュルバン老人が庭番として働く修道院にであった。
    次にここで、作者の宗教的問題についての解説が異常に長く続くことになる。それは「ここに吾人をしてそれを凝視することをゆるしていただきたい。」と但書をする程長い。時の社会状況、精神風土をここまで描写しなければならないのか。この諄すぎる拘りは何なのか、飽きを誘い疑問と共に怒りをすら感じさせるところであった。
    そして、修道院を抜け出した二人がマリエスに遭遇し、コゼットとの運命の出会いになるところまでの話へと続く。
    マリエスに関する境遇や背景の政治状況の描写も相当丁寧だ。
    文学全集レベルの大まかなストーリーに慣れた頭には、所々の極端に精密で冗長にもうつる描写が結果的にリアリティ溢れる別次元の壮大なドラマを作り上げていくという感じにさせられる。
    3に続く

  • 読みごたえがありますが、ロングセラーであるということが実感できます。ジャンヴァルジャン、コゼット、マリユスの3人がそろいました。フランスの激動の時代に翻弄され、その中で、この3人がどのような心の動きを見せてくれるのか楽しみです。
    その根幹のストーリーに時代をしっかり描写されている(ここが読むのがちょっとつらい)。
    しっかり読み切りたいと思います。

  • 人物像の厚みが素晴らしく、奥行きのある大作。ある青年の思想を語るには、その人の祖父の思想と対峙させなければならない。ある娘の研ぎ澄まされた美貌を語るには、かつて醜く思われた一瞬を描かなければならない。

    フランス革命については一辺学んだはずだが、時系列や登場人物が怪しく、本作を読んで再び通読したい気持ちになった。

  • あの登場人物と、この登場人物が出会う。人々の人生の縦糸が大胆に交錯する。世間が狭すぎるのでは…? という感もあるが、面白いのでゆるす。

    だが、本巻でも、19世紀の修道院の現状についての記述が長々と続く。 

    ******
    【要注意】
    <以下、本巻のあらまし・ネタばれ含むメモ>


    再び虜囚となったジャン・バルジャンが、懲役の軍艦から脱出。その後コゼットをテナルディエの居酒屋から救い出し、二人で人目を避けるようにパリ市街でつつましく暮らす。だが、そこにふたたび官憲(ジャヴェル警視)の追手。路地に追い込まれたジャン・バルジャンが高い塀を越えて逃げ込んだのは修道院。社会から隔絶された修道院は、ひととき二人にとって安全な隠れ家となる。
    そして、本巻で新たに、マリユス青年が登場。なんと、マリユスは、ワーテルローに参戦した将校ポンメルシーの息子なのであった。さらには、ジャン・バルジャンとコゼットのらしき二人と出会い、やがて、娘に恋をする。だが、その「父娘」は、マリユスを官憲と勘違いして夜逃げ。コゼットらは、マリユスの前から姿を消すのであった。

    の行方を見失う。

  • 読書日:2017年5月25日-6月7日.
    Original title:Les Misérables.
    Author:Victor Marie Hugo.
    CosetteとMariusが主人公となり物語が紡がれます。
    Cosette(本名:Euphrasie)編でJean ValjeanがParisで
    Inspecteur Javertに見付かった時再度刑務所に入れられる恐怖と
    棺の中に入る事となった時に結果を知るのが恐ろしくて
    数日間は読む事が出来ずに読了に時間が掛かりました…。

    Marius編ではMarius Pontmercyは母方の祖父と伯母との暮らしで
    父に会えずに憎みながら成長しました。
    父が死の床で息子に会いたいと願っても会えず、父に対する評価を父の死後に改めたので、
    きっとCosetteに恋をしても後悔の念は消える事は無いと感じました。

    これからもJean Valjeanに彼が亡くなる時まで、幸福な時間が続く様に願うばかりです…。

  • コゼットをテナルディエ夫妻の元から救いジャンは二人暮しを始める。しかしジャヴェルに見つかり修道院に逃げ込む。そこでかつて救った庭師の、その修道院唯一の男、フォーシュルヴァンに匿ってもらう。そしてフォーシュルヴァンの弟として置かれ、コゼットを修道院に入れる。
    マリユスは祖父のジルノルマンに育てられていたが父ポンメルシーの死を契機にその思想に触れ、家出する。そこでABCの友に出会い、驚き悩み、しかし貧しい生活を送ることを決める。ある日ジャンとコゼットを公園で見かけ、コゼットに恋する。住まう所が知りたくて後をつけ、門番に彼らのことを聞いたが為二人は引っ越してしまう。

    粗筋だけだとつまらないけど、ジャンが修道院に入る為のフォーシュルヴァンの頑張りとか、危機の脱し方とか、手に汗握る展開で本当に面白いです! 大衆小説だけど、布石が重層で、展開が気になります。

  • 2015.5

  • 細部が面白い。

  • 第二巻は,再び脱走したジャン=バルジャンがコゼットを引取り,マリウスとコゼットが出会うところぐらいまで.ようやく話が回り始めた気がする.第一巻はひたすら長かったように思ったが,慣れてきたのか,第二巻はそれほど苦痛に感じず,読み進めることが出来た.尻上がりに面白くなってゆくことを望む.

  • 悪の根源は、無知。

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