レ・ミゼラブル〈4〉 (岩波文庫)

制作 : 豊島 与志雄 
  • 岩波書店
4.02
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  • レビュー :17
  • Amazon.co.jp ・本 (623ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253144

作品紹介・あらすじ

1832年6月5日、パリの共和主義者は蜂起した。激しい市街戦が展開する。バリケードにたてこもった人々の中にはマリユスとジャン・ヴァルジャン、そして今やスパイとして捕われたジャヴェルの姿があった。物語はいよいよ大詰にむかって進展する。

感想・レビュー・書評

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  • 姿形は違えど、現代の日本社会にも確実にレ・ミゼラブルな現状あり。人類が滅びる日まで、ユゴーが投げかけた主題は消えないんだろうな。

  • ABCの友たちは暴動を企て飯屋に立てこもった。
    マリユスはコゼットへの遺書の手紙をガヴローシュに彼を逃がす目的も込め預ける。受け取ったジャンは喜ぶが、考えて彼も暴動へ参加する。ジャヴェルが捕まっていたが、砲撃手を倒した功績でジャンは彼を撃つ権利を得る。しかし外に出た所で逃がし、空砲を撃つ。ガヴローシュもABCの友もみんな死んだがジャンはなんとかマリユスが撃たれ気を失ったところを下水道へ引き込み彼を抱えたまま脱出をはかる。下水道についての執拗なまでの凄まじい説明と描写。困難を極めたがテナルディエが鍵を持っていて偶然外に出られる。そこでジャヴェルに遭うが捕まえる前にマリユスを家に送らせてくれと頼み、また家にコゼットへのメッセージを残させてくれと頼み家に着くとジャヴェルの馬車はいなくなっていた。良心の呵責に耐えかねジャヴェルは自殺する。
    マリユスが目を覚まし養生とともにジルノルマン氏は全てを許しコゼットとの結婚も許し祖父と孫は和解する。コゼットとマリユスは再会し婚約する。ジャンは器用に二人の婚姻や相続財産の中に名を残さぬよう立ち回り、結婚式翌日マリユスに自分が徒刑囚であることを明かす。コゼットに毎日逢いに来るがマリユスはそれを避けるようにさせ、また財産の出処を恐れ使わない。ジャンは苦しみながら会わないようにして病気となり遺書を書く。
    テナル氏となる者がマリユスに会いに来てジャンのことを言って金銭を要求する。そこでマリユスはジャンがジャヴェルを殺していないことを知り、また自分の命を救ったことを知り父の恩人であり悪党であるテナルディエに金銭を投げつけ追い払い、コゼットと彼に会いに行く。そこでジャンは最後、幸せに死ぬ。

    大作だ。ただの娯楽小説ではなく、フランスで起こった暴動への動機など、当時若者や民衆が抱えていた想いなど社会的な問題にも深く込み入っている。また信仰、善行、無私についてはこの物語に貫かれているテーマだろう。ジャンの生き方には胸を打たれる。またマリユスの父の恩人たるテナルディエと愛するコゼットを巡る葛藤など、深く張られた人間関係の巡り合わせも大変に面白かった。名訳でした。大満足です。

  • 映画を見たとき、ジャヴェルが自殺する動機がいまいちよく分からなかったが、原作を読んで納得。
    フランス革命の頃のフランスの風土、文化、政治、民俗などが非常に濃厚に描かれ、読者は引っ張りこまれる。
    エポニーヌの死の場面、ジャヴェルが自殺に至る心理、コゼットの服に泣き崩れるジャン・ヴァルジャンなど、原作にしかない場面こそ、この小説の白眉だと思う。
    (2015.5)

  • 当時の社会情勢もわかる。

  • 全体を通じて。
    薀蓄が長いところがやや気になるが、物語としては最高。
    マリユスがテナルディエと初対面し、全てを知るところから大団円に迎えるところは素晴らしい。

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    カバーから:1832年6月5日、パリの共和主義者は蜂起した。激しい市街戦が展開する。バリケードに立てこもった人々の中にはマリユスとジャン・ヴァルジャン、そして今やスパイとして捕われたジャヴェルの姿があった。物語はいよいよ大詰めに向かって進展する。
    Wikipediaから
    1832年6月5日、ヴィクトル・ユーゴーが、レアール(フランス語版)方面に銃声を聞いたのは、テュイルリー庭園で戯曲を執筆しているときであった。公園は閉鎖され、管理人はわざわざ解錠してユーゴーを外に出したが、彼は家に急いで帰らず、閑散とした通りを音の方向へ向かった。その時には、パリの半分は叛徒の占拠するものとなっていた。レアールのほとんどはバリケード封鎖されていたので、ユーゴーはモンマルトルを北に向かい、サーモン小道を右に進み、ブ・デュ・モンド通り前で曲がった。路地を半ばも行くと、両側の鉄格子から威嚇の銃口が突きつけられた。店という店は閉まっていたので、バリケードに囲まれたユーゴーは、壁に向け身を投じ、柱の間に身を隠した。15分の間、両側から銃弾が飛び交った[14]。
    1862年に出版された『レ・ミゼラブル』は、ナポレオンの敗退から六月暴動までの20年を描き、六月暴動は終章のクライマックスとなっている。ユーゴーは歯に衣着せぬ活動的なレプブリカンであったので、革命を支持していたことは疑いない[15][16]。
    カリスマ的なアンジョルラスに率いられ、パリの学生と貧民層により組織され、ラマルク将軍の死亡前夜に暴動を謀議する秘密結社『ABC(ア・ベ・セー)の友』は、実在の秘密結社『人権協会』の下部組織として描かれているし、パリの狭い路地のバリケードは現実の体験から描写されたものである。ABCの友は、彼らの拠点とした居酒屋コラント (Corinthe) のあるサン=ドニ通り(フランス語版)に出る、シャンヴルリー通り(rue de la Chanvrerie, 現在のランブュトー通り(フランス語版) (Rue Rambuteau))にバリケードを築いた。 物語のクライマックスの場面として、この暴動に主要登場人物が会し、多くの者が斃れるのである。
    フィクションながら、『レ・ミゼラブル』がこのあまり目立たなかったであろう事件を有名にしたといっても過言ではない[17]。
    コゼットとユリウスが結ばれたあとジャン・バルジャンは身を引いてしまうが、最後にはユリウスの命の恩人であることが明らかになりユリウスとコゼットが彼のベッドに駆けつける。しかし、そこで彼はコゼットにまた会えた喜びにうち震えながらも、自分の死期の確信の中で最後の言葉を二人に与え静かに息を引き取る。最も涙腺のゆるむ部分である。
    彼の生き方は男のあるべき姿に近いのではなかろうか。自分も見習いたい姿である。

  • 4巻は一気.3巻までのレビューで「長い」とか「要らない情報が多すぎる」とか書いて,ほんま,すんませんでした.4巻の特に後ろ半分は涙,涙です.ああ,ジャン・バルジャン!
    これまで色々張り巡らされたラインが,全部最後に終点へと結実するという点で,爽快であるし,読み止まらない.こうして読了してみると,長々と説明されていた当時の風俗や,政治の状況なども,全部必要な情報だったように思えてきた.それから,ナポレオンとその後の一連の革命は,人類史上において極めて重大な事件です.
    しかし,「戦争と平和」を読んだときにも思ったんだけど,こういういわゆる名作っていうのは,文学史上に偉大な足跡を残していて,後の時代っていうのは,それらの影響から免れられないんだなあ,とつくづく感じました.

  • 壮大な物語だった。伏線も丁寧に回収されていて、大筋にはあまり関係しなさそうなところまで手を抜かない姿勢に好感が持てた。
    ラストは感涙。いわゆるハッピーエンドではないかもしれないけれど、このラストにほっとした。長い長いジャン・バルジャンの人生。偶然出会った司祭によって、180度の転換を成し遂げた人生。たくさんの苦難。そういうことが一気によみがえってくるような、そんな終わり方だったと思う。
    そして、そんなジャン・バルジャンによって変化を余儀なくされたジャヴェルもまた、悲しい最期だけれども、彼なりの信念を貫いていて、良いエピソードだった。
    一方、マリユスとコゼットはどうなんだろう。マリユスは最後の最後でジャン・バルジャンの徳に気付くからまだ良いとしても、コゼットはなんだかあまり物を考えない頭の悪い子にしか見えなかった。ジャン・バルジャンに助けられなければ、ひどい人生を送っていたのだろうな。作者は二人のことをかばっているようだったから、本当にせめて二人だけは幸せになってほしいと思っていたのだろうけれど、世の中はこういう無知なる善人が幸せを享受するように出来ているのだな、と少しむなしくなった。他にも幸せになってしかるべき人はいただろうに。悪意が無いっていうだけで罪は許されるのだろうか。

  • 読む機会を持てずにいたが映画に刺激を受けようやく読破。フランス古典らしいさすがの人間ドラマと舞台背景の面白さで、映画で得たストーリー知識をリセットしたいと何度も思わされる内容の濃さだった。誰しも銀の燭台を心に持ち続けられる強さがあれば、と思う一方でテナルディエもまた憎みきることができない。人の強さや高潔さ、信仰心というものに自ずと頭が垂れるような作品でありながら同時に人の弱さの魅力をもまた描ききっている点が味わい深い。

  • 読み終わると「すー」っと心が洗われた感じがした。
    ラスト150ページくらいは夢中で読んだ。
    テナルディエは悪党だけどそれも1巻からの伏線となっていてラストクライマックスで「そんな働きすんの」と驚いた。
    「惨めなる人々」とは抽象的に指す人々のことではなく「ジャンヴァルジャン」そのものだった。ジャンヴァルジャンを通じて”レミゼラブル”を表現していた。小説だから題名と主人公で物語を書いていくことは当たり前なのだが、ペンで社会と勝負する人の力とかかっこよさとかを感じた。小説もいろいろあるけど、ただ楽しみのために読む小説ではなく、思想があり主張がある小説の方が好きだなと思った。

    誠実を極めればドラマになる。人生でもっかい必ず読もう。この本は字も多いし大変だけど絶対挑戦した方がいい一書です!!

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