モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)

制作 : Alexandre Dumas  山内 義雄 
  • 岩波書店 (1956年2月5日発売)
3.99
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  • レビュー :200
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253311

モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 注:全7巻のうちの1巻の段階でのレビューです。

    フランスの文豪の大文学の序曲…と書くと尻込みしてしまう人もいるかもしれないが、その内容もさることながら、セリフや改行の多い言ってみれば純文学らしからぬ文体なので、意外とかなり読みやすい。ただ僕としては、この作品のレビュアーがしばしば言うところの「一気に読んでしまえる特性」や「物凄い楽しさ」は少なくともこの1巻ではあまり見出すことができなかった。

    というのは一つには、この物語ので出しが当時のフランスの政治に強くかかわっているところによると思う。僕は世界史を勉強していないので、ナポレオンやルイ18世、ロベスピエールと言った人物についてあまり知るところがなかった。それゆえその時代の彼らの背景をWikipediaで検索するなどして、知識を補うことを余儀なくされたわけだ。これらの部分も世界史を学んだ人には、楽しめる一つの要因になるのだろうが、そうでない人にはあらかじめこれらの人物の知識をつけたうえで読まれることが望ましいと思われる。

    また、翻訳は少々古いものの、おそらく原文が良いのであろう、上記のとおりあまり突っかからずにすらすらと読める。名訳とまではいかなくとも良訳と言っていいだろう。

    さて、ここまで書くと当時のフランスの知識がないと楽しめない文学かと思われるかもしれないが、そうではない。主人公のダンテスは初めおよそ復讐などというものをするような人間とは思えない素直な好青年として描かれている。ゆえに彼を取り巻く周囲の劇的な変化に、彼がどのように対応していき、また影響を受けるかということは大きな興味を持って読めるのだ。

    また、ダンテスを牢に入れるいわゆる悪役にも、その台詞などの中に思いがけぬ憎めなさがあったりする。要するに主だった登場人物皆が魅力的に書かれているのだ。

  • 復讐劇の古典。
    とにかく圧倒的におもしろく、随所に非現実的で、ご都合主義的な展開もあるものの、そこはご愛嬌。
    まずは主人公エドモン・ダンテスが幸福の絶頂から転落するまで。自身が謀略にかけられたなどと疑いもしないエドモンの純粋さがもどかしく、痛ましい。続く獄中での絶望、脱獄の緊張、モンテ・クリスト島で宝を発見したときの高揚もたまらない。物語の核心をなす復讐計画も、真綿で首を絞めるようにじわじわと遂行されるさまがみごと。一見まったく関係のなさそうな多くの挿話が1つの復讐計画に収束してゆき、かつてエドモンを陥れた悪人たちが1人また1人と滅んでゆく展開は、ぞくぞくするような興奮とカタルシスを得られる。
    モンテ・クリスト伯が単なる復讐鬼に終わらず、人間的な魅力にあふれるところもみどころ。自身を救おうと奔走してくれたかつての恩人モレル氏には義理と温情を尽くし、復讐を止めるようかつての許嫁メルセデスに哀願されたときには「復讐しようと決心したとき、心臓をむしり取っておけばよかったんだ!」と弱音を吐き、無関係の子供を巻き込んでしまったことには大いに苦悩する。復讐鬼モンテ・クリスト伯=快男児エドモン・ダンテスであることを思わせる描写が随所にあらわれる。
    長い物語ではあるが、復讐、冒険、恋愛、決闘、相続、逃走劇や法廷劇など、それぞれの挿話にドラマがあるので、最初から最後まで中だるみせずに読み切れる。
    名作。

  • 作者は三銃士も手がけている人物。岩波文庫全八巻。
    古典文学の中でも非常に読みやすい作品で、ストーリーに躍動があり、テンポもよい。
    その中に復讐と正義とは両立するのかを問いかけるように感じる。
    気が狂う程の長い年月の幽閉を経て、一体主人公は何を思ったのか。
    正義と呼ぶにはあまりに私的な復讐を通して、一体何を得るのか。
    古典文学を読み始めたばかりと言う方にはオススメの一冊。
    ただ初めてならもっと短編の物をお勧めする。

  • 面白すぎるよ。夢中です

  • とにかく面白い!

    1巻の最後の100頁は頁を捲る手が止まらなかった!

    老神父とダンテスとの脱獄劇!その時に芽生える師弟感絆!

    そして老神父の壮絶で麗美な最期!

    海外文学で1番好きな1冊!震えが良い意味で止まらなかった!

  • 大河ロマンっぽい本が読みたくなって、まず一巻目に挑戦。マルセイユが舞台ということで、地中海の話題が多く、またスペインに近い町という雰囲気も楽しい。地図を確認しながら読み進む。ダンテスが獄中の人となってからは、苦しい話になるが、ファリア神父の存在が救いだ。長期に渡る物語には、メンター的な人が必要だ。

  • 7巻まで読了済。
    すべての始まり。ここから物語が始まっていきます。メルセデスが思っていたよりも意志の強い女の子でびっくりしました。
    翻訳も年月が経っているものなので漢字や言い回しがわかりにくい部分がありますが、のめりこむほどに気にならなくなっていきます。kindleでも検索して出てこない旧漢字とかもありました。
    今の時代、読み方がわからなくても調べやすいですしね。

    やはり舞台になった時代なだけに時代背景を知らないとのめりこむのに時間がかかったりします。ボナパルト派とか。1巻ではちょいちょい単語を検索したりしました。再読したらもっと面白そう。

  • 長そうなのでなかなか手を付けられなかったけど、昨年読んだ三銃士が非常に痛快で面白かったのと、「モンテ・クリスト伯は面白い」と聞いていたのとで、ようやく読む機会が回ってきた。ストーリーが大変わかりやすい。こんなにすいすい読めるならもっと早くに読んでいればよかった。
    主人公のダンテス君は幸も不幸も転がり込んでくるまま、運命に振り回されるしごく平凡な青年。こういう人物が主人公の小説って、脇役が魅力的なことが多いんだよね~と思っていたら、やはり出てきた。囚人仲間のファリア司祭。自分の道は自分で切り開く、そのことの大切さをダンテス君に教えてくれる、大事な役割を果たす人物。独房の中で様々な道具を作り出す発想力に脱帽。「人智のなかにかくれているふしぎな鉱脈を掘るためには、不幸というものが必要なのだ」、なるほど、不謹慎だけどワクワクする。
    ダングラール、カドルッス、フェルナンは典型的なやられ役の三人組だし、検事代理のヴィルフォールはライバル役?なんとなく先の展開は読めるけど、それでもやっぱり面白い。フランス版時代劇みたいなものかなぁ。

  • 知ってはいるが読んでいなかった名作。
    正直言って訳文がこなれていないので、今の翻訳小説に比べると読み辛いが、さすがに原作の力でグイグイ読み進むことができる。

  • 生き生きとした時代描写、豊かな情景描写、人の内面を抉るような心理描写に惹かれた。
    続きが楽しみ!

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