モンテ・クリスト伯 1 (岩波文庫 赤 533-1)

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  • / ISBN・EAN: 9784003253311

感想・レビュー・書評

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  • 全7巻の作品
    こういう長編作品はなかなか再読が難しいであろうから備忘録としてレビューしたい
    そのため一部ネタバレあり

    フランス革命後の激動の時代
    ナポレオンが失脚しエルバ島へ流刑され、ルイ18世が王権を取り戻した頃…
    世間ではナポレオンを支持するボナパルト派とルイ18世を擁立する王党派がにらみ合っていた

    何とも純朴な好青年という印象の主人公ダンテス
    「父」と「婚約者」と「船乗り(一等運転士)の仕事」という狭い世界で十分満ち足り、人を疑うことも知らず幸せに生きていた
    もうすぐ結婚を控え、仕事においては船長に昇格か⁉︎というまさに幸せ絶頂ともいえる矢先
    船乗り仲間のひがみ、ダンテスの婚約者メルセデスを愛してやまない従妹の嫉妬
    そして全く無頓着であった自分の世界とは関係のない政治絡みに巻き込まれる
    それらが出来過ぎたようにうまく絡み合い、まさかの反王党スパイ容疑で逮捕されるのである
    しかも婚約パーティーの当日…である
    そんな皮肉な運命により天国から地獄へ真っ逆さまとなるダンテス

    さてダンテスの運命を狂わせた非常に厄介な検事代理の男ヴィルフォール
    彼自身は王党である
    そして父親はボナポルト派であるジロンド党
    その父親が策士となった手紙
    まったく手紙の中身を知る由もないダンテスが運命のいたずらにより運び屋になってしまったのだ
    ヴィルフォールは父をかばいつつ、自分の地位を守りたいという計算高い野心家
    そんな彼がダンテスという一人の青年を使わない手はない…と始まった策略によりダンテスはナポレオン帰国陰謀を企てた罪で獄中へ
    不幸のどん底に突き落とされる

    独房に入れられたダンテスは、時間の経過とともに気がおかしくなっていく
    彼の心の変化は期待、希望、祈りに始まり、絶望、憤怒、憎しみへと変化する
    それが鎮まると今度は死に対する安息を求めるように…
    こうした地獄絵図のような時間が何年も経過した折、ある出来事により同じ獄中の罪人と交流ができることに
    それがローマ人の祭司ファリアという人物である
    ダンテスはファリアの教養と辛抱強さ、精力に脱帽する
    ファリア司祭は12年余りの獄中生活で紙、ペン、針、梯子…までもを創意工夫と気力により作り上げ、持ち前の知識を活かし論文まで作成するのである
    祭司の貴重なお言葉は以下
    〜これらの知恵は、不幸が必要であったのだ
    火薬を爆発させるのに圧力がいるように…
    監獄生活は、ほうぼうに散らばっていたわしの才能を一つの点に集めてくれた〜

    とまぁ、ありえないほどの人物との出会いにより眠っていたダンテスの知識、才能が開花する

    ファリア司祭の秘密を共有したダンテス
    それはファリアが秘書として働いていた貴族(枢機員)の遺した宝であり、その場所をダンテスに教え譲り渡そうとするのである
    〜囚われていたあいだの息子なのだ〜
    二人の間には友情を超え、親子のような深い愛情で絆ができるのだが…


    実に面白い!
    さすが名作だけある
    始終エキサイティングな展開で、あっという間に読んでしまった…

    平々凡々で人の良さだけが取り柄のようなダンテスの人格が少しずつ崩壊していく
    このジリジリと迫る彼の変化が見ものである
    ダンテスがどう変貌を遂げ、復讐鬼となるのか…
    またどう脱獄するのか…
    さらには全7巻であるがそんな長い事かけてどう展開するのであろうか…
    そんなところも見ものである

  • 1815年2月、マルセイユの港に商船ファラオン号が帰還する。一等運転士の若者エドモン・ダンテスは、航海中に病死した船長の代わりにテキパキ仕事をこなし、船主モレル氏に時期船長に推すと言われ、希望に満ちて、貧しい父と、愛しい恋人に会いにいく。しかしダンテスの出世に嫉妬する船の会計士ダングラールの悪だくみで、翌日の結婚パーティの最中にダンテスは突然逮捕され、監獄に送られてしまう・・・。

    子供の頃に『巌窟王』は読んだのであらすじはもちろん知っているのだけれど、2018年に現代日本に舞台を置き換えたドラマが放映されて、いやいや無理でしょと思いつつも見ていたら面白くてすっかりはまってしまい、そうだ、この勢いなら元ネタの『モンテ・クリスト伯』も面白く読めるかも、と岩波文庫全7冊を購入、しかしなんやかんやで積んだまま1年以上放置してました。今になってようやく着手。

    備忘録とあらすじ兼ねて以下登場人物などを勝手にまとめます。

    〇エドモン・ダンテス:主人公。物語スタートの時点ではもうすぐ19歳。ファラオン号の一等運転士。爽やかな好青年で、働き者なので船主モレル氏の信頼も厚く、部下の船乗りたちからも好かれている。母はすでに亡く、病弱で老いた父と貧しい二人暮らし。
    前任の船長からも信頼され、病死直前の彼から遺言として、エルバ島にいるベルトラン元帥への届け物を託される。ダンテスはそれを届け、さらに元帥からの返事の手紙をパリのある人物へ届けるよう頼まれ持ち帰る。この「手紙」が後にすべての元凶となる。

    ここで当時(1815年)のフランスの情勢をお勉強。フランス革命(1789-1799)後の混乱を収拾して1804年に軍事独裁政権を樹立したナポレオンが、その後数多の戦争を経て失墜、再び王政復古となりルイ18世(ルイ16世の弟、アントワネットと不仲だった)が1814年即位、ナポレオンはエルバ島へ追放されていたが、なお王党派とボナパルト派の対立抗争は水面下で続いていた。

    ダンテスが船長の使いで立ち寄ったエルバ島にはこの時ナポレオンがおり(ダンテスも面会している)船長は要するにボナパルト党の密使だった。ダンテスが元帥から持たされた手紙はパリのボナパルト党の仲間への連絡、つまりそれを運んだダンテスもボナパルト党一派の密使とみなされ、密告されることになったわけですね。そしてダンテスが監獄にいる間にナポレオンの逆襲による「百日天下」がなり、すぐにまた転覆するのですが、その間もダンテスは何も知らず収監されています。

    <ダンテスの味方>
    〇メルセデス:17歳。ダンテスの相思相愛の美しい恋人。スペイン移民の子孫の住むカタロニヤ村在住。

    〇モレル氏:ファラオン号の船主=ダンテスの雇用主。ダンテスをとても可愛がっており、いきなり逮捕された彼を助けようと何度も奔走するが、お人よしすぎてヴィルフォールの嘘に丸め込まれてしまう。

    〇ファリア神父:ダンテスが収監された政治犯の監獄=マルセイユ沖の孤島にあるシャトー・ディフ(イフ城)の地下土牢の囚人。隠した財宝のありかを教えると吹聴するため狂人と思われているがそれは事実。ダンテスと意気投合し、彼にその財宝を残す。

    <ダンテスの敵>
    〇ダングラール:25歳、ファラオン号の会計士。嫉妬深く、卑屈で、みんなの人気者ダンテスを憎んでいる。彼の出世を妬み、フェルナンを利用して、ダンテスを陥れる嘘の密告状を検事に届けさせる。

    〇フェルナン:21~22歳くらい。メルセデスの従兄。両親を亡くしたメルセデスと一緒に育ち、彼女にずっと粘着質な片思いをしている。メルセデスがダンテスと結婚することを知り、嫉妬からダングラールが書いたダンテスを陥れる密告状を検事に届ける。

    〇ヴィルフォール:27歳。マルセイユの検事代理。検事がたまたま出張中だったため、ダングラールが作りフェルナンが届けたダンテス密告状を受け取りダンテスを取り調べることに。

    このヴィルフォールの背景が結構複雑。彼はサン・メラン侯爵の娘ルネとの結婚が決まっているが、貴族である侯爵家は当然のように王党派、しかしヴィルフォールの実父はボナパルト党の有力者。ヴィルフォール自身は現政権である王党派に媚びて出世する心づもりでルネとの結婚を決めたわけだが、ここへダンテスの事件が持ち上がる。

    当初、ダンテスはただの運び屋として利用されただけだと見たヴィルフォールは、ダンテスの無罪を認めようとするが、彼が証拠として差し出した件の手紙の宛名をみて驚愕する。なんとそれはヴィルフォールの父ノワルティエの名だった。

    この手紙が裁判で提出されれば父親は逮捕されヴィルフォールの出世も台無しになる。ヴィルフォールは手紙を燃やして証拠隠滅し、ダンテスを騙して裁判無しで投獄する。のちナポレオンの百日政権もうまく乗り切ったヴィルフォールは、さらなる権力を手にする。

    〇ノワルティエ:前述ヴィルフォールの父。ナポレオンの復権のためさまざまな裏工作をおこなっていた豪胆な人物。息子とは不仲だが悪巧みのときは結託する。

    〇カドルッス:ダンテスの隣人。小物だが、根っからの悪党ではない。ダングラールとフェルナンがダンテスを密告したことを知る唯一の人物。直接加担はしておらず、ダンテスの逮捕には同情的。


    1巻は、罪状もわからぬまま投獄されたダンテスが餓死自殺を図ろうとするも、隣の独房にいたファリア神父が土を掘って出現、ダンテスと仲良くなり、彼の置かれた立場を看破、復讐すべき相手をダンテスに悟らせ、彼に教養と知識を与える師となる。しかし病に倒れ、財宝のありかをダンテスに言い残すところまで。

    想像していたよりずっと読みやすく面白い!岩波文庫にありがちな膨大な訳注もないので(その代わりフランスの時代背景は自分で調べた)すらすら読み進められます。ダンテスの敵としては、ダングラールとフェルナンはつまらない嫉妬から陥れようとする平凡なクズだけど、ヴィルフォールは政治的に複雑な背景もあり、なかなか手強そう。

    今のところどうしても脳内キャストが日本版ドラマなので、ダンテス=おディーン様、ダングラール=新井浩文、フェルナン=大倉忠義、ヴィルフォール=高橋克典で再生されています(笑)

    • 三角帽子さん
      モンテクリスト伯に興味を持ちつつ読めるかどうか自信がないままでしたが、読ませていただいた登場人物のまとめやあらすじがとてもわかりやすくて、読...
      モンテクリスト伯に興味を持ちつつ読めるかどうか自信がないままでしたが、読ませていただいた登場人物のまとめやあらすじがとてもわかりやすくて、読んでみようと決意できました。素敵なレビューに感謝いたします。ありがとうございました!突然失礼いたしました。
      2020/10/17
    • yamaitsuさん
      三角帽子さん、コメントありがとうございます。
      私のあのような長文レビューがお役に立ちましたなら嬉しい限りです(^o^)
      私も読み始める前...
      三角帽子さん、コメントありがとうございます。
      私のあのような長文レビューがお役に立ちましたなら嬉しい限りです(^o^)
      私も読み始める前は、長編だし、歴史的背景も難しいし、登場人物も多いので、読み切れるかなと心配でしたが、読み始めたらシンプルに面白くてぐいぐい読めてしまいました。

      三角帽子さんにとっても楽しい読書になりますように!
      2020/10/17
  • 船長候補となり愛する恋人との結婚間近の船乗りのダンテスは、様々な者たちの陰謀により牢獄“シャトー・デフ”に送られる。
    フランスを代表する復讐劇、第一巻!

    面白い〜めちゃくちゃ面白い〜ネタバレ怖くてそれしか言えない笑

  • この小説は、宮本輝の「灯台からの響き」の中に記されていたので知った。

    「灯台からの響き」の主人公は高校を中退し中華そば屋を営んでいるが、友人から「お前はラーメンの事しか知らない。本を読め。」と言われる。
    とはいえ、何から読めば良いのかわからない主人公は、お店の常連である元教師の老人に相談。
    「まず、モンテクリスト伯を読了し次に、レ・ミゼラブル。その次は渋江抽斎。これを読了できたら 心の中に数千人の人間の歴史が生まれてるよ。 その後は、読みたい本を読んだらいい。」と言われる。

    モンテクリスト伯って全七巻。
    上下巻すら避けている私にとっては、読了できるのかわからないが、興味のほうが勝って手にとった。

    フランスの船乗りの、人を疑う事を知らない好青年の話。読み初めてすぐに感じる人の悪意に胸騒ぎがするが、先がとっても気になる。
    話の構成も良いし、何より面白い。

    カタカナの名前を忘れがちな私。
    相関図を用意して(苦笑)次へ進む。


  • フランスを代表する大作家による大河小説。
    始まりとなるこの巻の物語は、
    幸福から絶望に突き落とされた主人公ダンテスが、
    監獄の中でで師となる囚人ファリア司祭と出会い、
    自分が落された罠、財宝の秘密等を知らされるまで。
    個性際立つ登場人物たち。
    ダンテスの投獄のきっかけを作った者たち、
    ダンテスを愛し、信ずる者たち。
    親子関係。二つの婚約披露と美しい許婚者たち。
    彼らはナポレオン時代~第一復古王政~百日天下~
    第二復古王政の歴史の変遷に翻弄され、行動する。
    そして監獄の中のダンテスは・・・。
    思えば、小学校高学年のときに名作全集で読んだのが
    きっかけで、中学生になってこの岩波版に出会い、
    以後、何度もボロボロになるまで繰り返し読みました。
    今回は、全巻買い替えての久々の読書となります。
    明るいマルセイユの空、陰鬱なるシャトー・ディフ。
    この対比が鮮やかであるほど、ダンテスの運命の変化の
    恐ろしさが際立ちます。
    さぁ、先はどう展開されるのか?
    あ、読むの止められない!・・・・やっぱり面白いなぁ~。

  • 注:全7巻のうちの1巻の段階でのレビューです。

    フランスの文豪の大文学の序曲…と書くと尻込みしてしまう人もいるかもしれないが、その内容もさることながら、セリフや改行の多い言ってみれば純文学らしからぬ文体なので、意外とかなり読みやすい。ただ僕としては、この作品のレビュアーがしばしば言うところの「一気に読んでしまえる特性」や「物凄い楽しさ」は少なくともこの1巻ではあまり見出すことができなかった。

    というのは一つには、この物語ので出しが当時のフランスの政治に強くかかわっているところによると思う。僕は世界史を勉強していないので、ナポレオンやルイ18世、ロベスピエールと言った人物についてあまり知るところがなかった。それゆえその時代の彼らの背景をWikipediaで検索するなどして、知識を補うことを余儀なくされたわけだ。これらの部分も世界史を学んだ人には、楽しめる一つの要因になるのだろうが、そうでない人にはあらかじめこれらの人物の知識をつけたうえで読まれることが望ましいと思われる。

    また、翻訳は少々古いものの、おそらく原文が良いのであろう、上記のとおりあまり突っかからずにすらすらと読める。名訳とまではいかなくとも良訳と言っていいだろう。

    さて、ここまで書くと当時のフランスの知識がないと楽しめない文学かと思われるかもしれないが、そうではない。主人公のダンテスは初めおよそ復讐などというものをするような人間とは思えない素直な好青年として描かれている。ゆえに彼を取り巻く周囲の劇的な変化に、彼がどのように対応していき、また影響を受けるかということは大きな興味を持って読めるのだ。

    また、ダンテスを牢に入れるいわゆる悪役にも、その台詞などの中に思いがけぬ憎めなさがあったりする。要するに主だった登場人物皆が魅力的に書かれているのだ。

  • 『あなたに想像できるだろうか?結婚式の途中に、無実の罪で逮捕され、10年以上獄中で生活をすることを。いな、できるはずがない!』。19歳のダンテスは船長を拝命し、妻と幸せな家庭を作るはずだったが、年上の同僚と一方的に妻を愛する従兄から妬まれ、僅かな歯車の掛け違いで獄中生活を強いられる。この悲劇はナポレオンが活躍したブルボン朝、王政復古の時代背景が絡む。獄中で出会ったファリア司祭から高度な知識を授かり、また財宝の在処を聞く。遂にダンテスの復讐の暁闇、一気に攻め込み、これまでの鬱憤を晴らしてしまおうか。

  • フランスの小説ぽくなかった。訳者が書いているようにシンプルで華美な装飾のない文章だからだろうか。

    主人公エドモン・ダンテスは物語はじめ、決して教養のある人物ではない。しかし彼は頭の良い人物だった。
    作中にも出て来たが、知識がある人と頭の良い人というのはイコールではないのだろう。我々は大体にして頭が良くないから、知識を身に付けることを目指せというファリア司祭の言葉には励まされるものがある。

    それにしても人を疑うことを知らないダンテス君には一種腹立たしささえ覚える。彼は善意によって自分の首を絞めた。いくら亡き船長の遺言だからと言って、当時追放されていたナポレオンから手紙を預かることがいかに危険かわからなかったのだろうか。

    ファリア司祭によって目を開かれたダンテスが今後どうなっていくかが楽しみな1巻だった。

  • 復讐劇の古典。
    とにかく圧倒的におもしろく、随所に非現実的で、ご都合主義的な展開もあるものの、そこはご愛嬌。
    まずは主人公エドモン・ダンテスが幸福の絶頂から転落するまで。自身が謀略にかけられたなどと疑いもしないエドモンの純粋さがもどかしく、痛ましい。続く獄中での絶望、脱獄の緊張、モンテ・クリスト島で宝を発見したときの高揚もたまらない。物語の核心をなす復讐計画も、真綿で首を絞めるようにじわじわと遂行されるさまがみごと。一見まったく関係のなさそうな多くの挿話が1つの復讐計画に収束してゆき、かつてエドモンを陥れた悪人たちが1人また1人と滅んでゆく展開は、ぞくぞくするような興奮とカタルシスを得られる。
    モンテ・クリスト伯が単なる復讐鬼に終わらず、人間的な魅力にあふれるところもみどころ。自身を救おうと奔走してくれたかつての恩人モレル氏には義理と温情を尽くし、復讐を止めるようかつての許嫁メルセデスに哀願されたときには「復讐しようと決心したとき、心臓をむしり取っておけばよかったんだ!」と弱音を吐き、無関係の子供を巻き込んでしまったことには大いに苦悩する。復讐鬼モンテ・クリスト伯=快男児エドモン・ダンテスであることを思わせる描写が随所にあらわれる。
    長い物語ではあるが、復讐、冒険、恋愛、決闘、相続、逃走劇や法廷劇など、それぞれの挿話にドラマがあるので、最初から最後まで中だるみせずに読み切れる。
    名作。

  • 作者は三銃士も手がけている人物。岩波文庫全八巻。
    古典文学の中でも非常に読みやすい作品で、ストーリーに躍動があり、テンポもよい。
    その中に復讐と正義とは両立するのかを問いかけるように感じる。
    気が狂う程の長い年月の幽閉を経て、一体主人公は何を思ったのか。
    正義と呼ぶにはあまりに私的な復讐を通して、一体何を得るのか。
    古典文学を読み始めたばかりと言う方にはオススメの一冊。
    ただ初めてならもっと短編の物をお勧めする。

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著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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