モンテ・クリスト伯 2 (岩波文庫)

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感想 : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253328

作品紹介・あらすじ

無実の罪で13年間牢獄に幽閉された主人公が決死の脱獄の末、名を変え、姿を変え、華麗なる大変身を遂げる。最愛の女性を取り戻すために、その愛を阻んだ者たちに復讐するために…デュマ生誕200年を記念した、愛と憎悪の炎燃え上がる、世紀の大河ラブロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 頼みのファリア司祭が亡くなり、見事でスリリングな脱獄劇から始まる2巻
    密輸船に助けられ、船乗りの力量を発揮し順調なスタートを切るダンデス
    結局彼は14年もの間牢獄生活を送ったことになる
    20歳だったダンテスは34歳である
    14年ぶりに見る自分の姿の変貌ぶりに「誰一人自分と気づかないだろう」と満足げに微笑む
    この辺りがもうダンテスの完全なる精神変化が窺い知れ、こちらも不敵な笑みを浮かべ読み進める
    もう以前のダンテスではない
    精神を研ぎ澄ませ、知恵を活かし、とうとう宝の在り方であるモンテクリスト島へ
    そして…
    いやー実にドキドキするスリリングな展開である
    まぁ出来すぎた内容でもある本書らしく、紆余曲折はあるものの、無事お宝ゲット!

    いよいよここからダンテスは過去の人物らとの再会を図る
    父の最期を知り、大いに嘆く
    そして野心のためにダンテスを陥れたダングラール(元船乗りの仲間の会計士)とダンテスの婚約者メルセデス欲しさにダンテスを陥れたフェルナンも黒幕であることを再確認
    しかも二人は大層出世した模様
    さらにはフェルナンは愛するメルセデスと結婚したというではないか!
    ダンテスの復讐の炎がジリジリと音を立てて燃えているのが想像できる
    さらには船主であったモレル氏が破産に追い込まれていることを知り、身元を明かさず助ける
    (もうダンテスと再会してもダンテスだと気づく者はもう居ない)

    そしてストーリーは展開する
    1838年イタリア
    登場するのはパリの上流階級に属する青年二人
    アルベールとその友人フランツである
    (じつはアルベールというのが、フェルナンとメルセデスの息子であるが、それは前半にたった一度名前が出てくるだけなので見逃す人多発であろう…こういうのもデュマの演出なのかしらん?)
    ここでダンテスは「船乗りシンドバッド」と名乗り二人に近づくのだが……

    モンテクリスト島で宝を手にし、縁ある人達に再会する辺りから、ダンテス側からストーリーが進まないため、各所のダンテスの心情描写は一切ない
    そしてこの青年二人へも少しずつ近づいているのだが、どんな展開になるのかまったく読めない
    青年側からの描写でストーリーが進んでいくため、ダンテスが何を企み何を企てているのか読み手にもまったくわからないのだ

    こういった構成の見せ方に読み手は完全に虜にされてしまう
    うーんさすが名作!

    ところどころにアラビアンナイト、ギリシャ神話、神曲のエピソードが散りばめられており、時間軸も空間も全く異なるのに同じ書に触れた作家の作品を読む喜びを味わうこともできる

    続きが待ち遠しい
    久しぶりのワクワク感♪

  • 獄中の師と仰ぐファリア神父が持病でついに亡き人となり、ダンテスは悲嘆にくれるが、神父の遺体の処理について獄丁たちが話すのを聞き、自分が死体とすり替わり脱獄することを思いつく。死体袋に入り死体に成りすましたダンテスは重しをつけて海へ投げ込まれるが無事脱出、嵐の中、無人島まで泳ぎつく。偶然通りかかった船に、転覆した別の船の船員を装い救援してもらったダンテスは、以前の船乗りとしての能力を発揮し、その密輸船の船員として働くことになる。

    その日は偶然にもダンテスが逮捕された日からちょうど14年目の1829年2月、ダンテスは34歳になっていた。しばらくその密輸船で働いたダンテスは、ファリア神父の念願だった財宝の隠し場所である無人島=モンテ・クリスト島へ行く機会を着々と伺い、ついに機会を得る。そしてついにダンテスは、神父の話したとおりの莫大な財宝をその島の洞窟で発見したのだった。

    自由になり、大金を手にしたダンテスは、まず自分の生まれた家を訪れ、父がすでに亡き人であることを知る。かつての隣人カドルッスが今は旅籠を営んでいたことを聞いたダンテスは、司祭に変装してカドルッスを訪問する。自分は獄中でダンテスの死を看取った司祭であると名乗り、ダンテスの遺言で彼の遺産のダイヤモンドを渡すべく友人たちを探しているという話を信じたカドルッスは、ダイヤ欲しさにすべてを正直に語る。

    ダングラールとフェルナンがダンテスを密告した経緯、そしてダンテスが投獄された後もメルセデスはダンテスを待ち続け、ダンテスの父の世話を焼き、また船主のモレル氏もダンテスのために奔走し、その父の困窮に際して自分の財布を置いていくなど献身的に世話をしていたこと、しかしその甲斐なくダンテスの父は亡くなってしまったこと。モレル氏はその後次第に商売が傾き、今は破産寸前だという。

    一方ダングラールは銀行に転職、頭角を現して出世、頭取の娘と結婚して銀行家となるがその妻の死後、貴族の娘を後妻に迎えて今は貴族となっていること。そしてフェルナンのほうは徴兵されて軍隊に入った後、軍人として出世、こちらも貴族に成り上がり、今はモルセール伯爵と呼ばれている。そしてメルセデスは、1年と半年ダンテスの帰りを待ち続けていたが、ついにフェルナンと結婚、今はモルセール伯爵夫人となっている。

    司祭に変装したダンテスは、カドルッスにダイヤを与えて去る。そして彼が真っ先にしたことは、窮地にいるというモレル氏を救済することだった。ダンテスは「船乗りシンドバッド」と名乗り、かつてモレル氏が父のために置いていってくれた財布に負債額を詰めて、モレル氏の娘ジュリーに託す。自殺を考えていたモレル氏は破産を免れ、軍隊から戻ってきた息子のマクシミリアンともども一家は喜びに包まれた。

    ここで突然9年の月日が流れ、1938年。二人の貴族の子息、アルベール(フェルナンとメルセデスの息子)とその友人フランツが登場。二人は謝肉祭をローマで観ようと約束し、それまでの余暇にフランツはモンテクリスト島に立ち寄ることにする。そこでフランツは「船乗りシンドバッド」と名乗る謎の紳士に出会い、彼がモンテクリスト島の洞窟の中に密かに作った豪邸に招待されもてなされる。しかし翌朝彼が目覚めると、豪邸の入り口はどこにも見つからず、紳士は旅立った後だった。

    ローマでアルベールと合流したフランツは、夜のコリゼー(コロッセオ)観光に出かけようとするが、ホテルの亭主はルイジ・ヴァンパという山賊が出るから止めるようにと二人を止める。聞き入れようとしないアルベールに、亭主はヴァンパの生い立ちを語って聞かせ、フランツはその話の中に「船乗りシンドバッド」の名が出たことに驚く。しかし結局二人はコリゼーに出かけ、フランツはまたしてもそこで「船乗りシンドバッド」を名乗った紳士が山賊の一味と密談をしているのを聞いてしまう。さらに後日フランツは、オペラ観劇中に客席に件の紳士の姿を見つけ・・・。


    モンテクリスト島の宝探しの下りは冒険小説のワクワク感。獄中生活中にファリア神父にさまざまな教養を得、語学も堪能なダンテスは、相手に応じて臨機応変に変装し偽名をでっちあげ神出鬼没の怪盗紳士のおもむき。しかし今はまだ復讐の下準備段階。急に月日も流れて、フェルナンの息子が登場、どうやってダンテスが復讐していくのか興味津々。

    • hotaruさん
      Yamaitsuさん、こんにちは。
      見事なレビューを読みながら、きゃああー!…と歓喜の悲鳴を上げてしまいそうでした。
      実は私も現在進行形で夢...
      Yamaitsuさん、こんにちは。
      見事なレビューを読みながら、きゃああー!…と歓喜の悲鳴を上げてしまいそうでした。
      実は私も現在進行形で夢中にこの作品を読んでいる最中なのです。
      本当に面白い作品ですよね!
      また次のレビューを楽しみにしています。
      そして、仲間がいることを励みにラストまで読み切りたいです。
      2020/02/29
    • yamaitsuさん
      hotaruさん、こんにちは(^^)/
      おお、hotaruさんもモンテクリスト伯読まれているところなのですね!同志!!
      私の感想は、脳内...
      hotaruさん、こんにちは(^^)/
      おお、hotaruさんもモンテクリスト伯読まれているところなのですね!同志!!
      私の感想は、脳内整理のための「あらすじ」になりがちなのでお恥ずかしい限りですが、とにかくやっぱり「名作」ってべらぼうに面白いものですよね。
      読み始めるまでは、7冊もあるのかあ…とちょっと腰が引けてたのですが、読みだしたら止まらない!
      hotaruさんの感想を読ませていただく楽しみもできました(^^) 一緒に最後まで走り抜けましょう!
      2020/02/29
  • 『謝肉祭の死刑執行予定は2名、第一の者は撲殺、第二の者は斬罪。慈悲に厚き人々よ、心正しき悔悟に生きんことを主に祈られたし』。いよいよモンテ・クリスト伯(ダンテス)が復讐と云う名の正義を実行する所で終了する。フェルナン、ダングラールがダンテスへの悪事の後大成功していることに私も彼らへの復讐心を助長する。また、ダンテスの父親が餓死したことは悲しく、フェルナンとメルセデスが一緒になり、死刑執行されるアルベールが息子である事実に驚愕しかない(予想が間違えているかも!)。第3巻は少し後で借りてきま~す。

  • 帆船を駆って地中海を往く。紺碧の海上にゆっくり姿を現す孤島。隠された財宝を探して島の洞窟を探す道行き…。男の胸を揺さぶるロマンたっぷり。冒険小説のような味わいもある。
    モンテクリスト島に築かれた豪奢な“居城”。このくだりを読んでいてふと大藪春彦の『唇に微笑 心に拳銃』の“要塞島建設”のことを想起した。後年の壮大な男の孤島ロマンは、『モンテ・クリスト伯』に源流を発するのではないか…。なんて奇想を抱いた、

    第2巻。物語はいよいよ動き始める。

    〈.以下ネタばれ含む 〉
    “獄門島”シャトー・ディフの監獄でファリア司祭は病死。その機に乗じてダンテスは脱獄。沖合の海を通り掛かった密輸業者の船に拾われる。
    ダンテスは船の男達に訊く。今は何年か?と。「1892年さ。」 … 監獄で既に14年の歳月が流れていたのであった。
    その後ダンテスはひとり孤島モンテ・クリスト島でファリア司祭の“遺産”を手中に収める。
    巨万の富を手にしたダンテスはモンテ・クリスト島に豪奢な居を構える。そして故郷マルセイユに密かに帰郷。ダンテスを売った裏切りの真相を探ってゆく。
    巻の後半、ローマを舞台にした章でフランツとアルべールという若い貴族の日々が詳述される。これは一体どういうサイドストーリーなの? と困惑。だが、もしや…と思い至り、前半に戻り確認。アルべール青年は、ダンテスを陥れたフェルナンの息子。ダンテスは復讐のターゲットに遠回りに少しずつじわじわと接近しているのであった。

  • ずっと前に岩波少年文庫で読んだ事がある。子ども向けの本にしては長かったけど、当然はしょられてる部分がある。今回そういった細かいデティールに触れられて楽しめた。

    自由の身になったダンテスは過去の事実を探るべく、関係者達に変装して近づく。ある時は司祭、ある時はイギリスの商人、そしてある時はイタリアの船乗りシンドバッド!
    海賊や山賊も出てきて、エンタメ色も濃くて面白かった。

  • 波乱万丈の第二巻!
    ファリア司祭の死。
    ハラハラドキドキの脱獄とお宝発見!
    カドルッスとの再会とモレル家への救済。
    カドルッスから聞き出した主要人物の経歴と現在の姿は、
    ダンテスの今後の指標となったことであろう。
    そして9年後・・・フランツとの出会いと、アルベール登場。
    第三巻への展開の予感もはらんでいる。
    山賊の挿話とか、エピソード風のものでも読み流せません。
    実は、あちこちにフラグが立っていますからね~。
    マクシミリアン、フランツ、ルイジ・ヴァンパ、アリ、
    ペピーノ等々、キーパーソンになる人物も登場してますし、
    イギリス人、司祭、船乗りシンドバッド、
    そしてモンテ・クリスト伯!ダンテスの変装と偽名も
    今後の物語の展開に大いに関わってきます。
    多くの細い糸が縒り合され一本の物語に紡がれていく、
    デュマの創造をかくと味わうべし!

  •  ついに復讐が始まるのか~? と思いながら読み始めたけどまだだった。
     密輸船で過ごしているときのダンテスが、生来の魅力で人を引きつけながらも、その愛情を受け止めたり感謝したりしないで冷徹に対処しているところが、シャトー・ディフで変わってしまった人となりを強く感じさせてきた。
     わざとケガして心配させながら、謙虚なふりでみんなを追い返した後、「誠実さとか犠牲的好意といったものが返ってああいった連中の中に見いだされるとは」とか思ってたシーンはとくにひどい奴だなと感じた。

     故郷を見て自分の身に降りかかったことの理解を確実なものにして、復讐心を固めていく巻だったと思う。ダンテスの復讐はこれからだ。

  • シャトー・ディフからの脱出。奇抜な着想。『巌窟王』を読んでいまだ印象に残るシーン。脱獄して世に地保を固める活動に入る。2021.5.28

  • 脱獄、海の旅、宝探し、味方の救済、復讐の幕開けと物語を大きく展開した巻。続きが楽しみ。

  • 脱獄に成功。
    ファリア神父の残した財宝を手にいれる。
    船乗りシンドバッドとしてモレル商会を救済。
    モンテ・クリスト伯の復讐がいよいよ始まりそうだが、どう展開するのか見当もつかない。

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著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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