悪の華(ボオドレール) (岩波文庫 赤 537-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253717

感想・レビュー・書評

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  • 人生とは、病人の一人一人が寝台を変えたいという欲望に取り憑かれている一個の病院である。ボードレール『パリの憂愁』
    ※象徴主義。自然主義への反発。

    孤独でいかに暮らすかを知らない者は、忙しい群集の中でいかに忙しく暮らすかも知らない。ボードレール『散文詩』

    ヘロデは王である兄を殺して王位を奪い、兄の妻を自分の王妃とした。預言者ヨハネが「兄を殺して王位に就いたのは違法」だとヘロデを糾弾。怒ったヘロデは預言者ヨハネを地下の井戸に閉じ込める。王女サロメ(ヘロデ兄の娘16歳)は、地下の井戸に閉じ込めらているヨハネに興味を持ち、兵士に命じてヨハネを地下の井戸から出させる。ヨハネに会い、恋に落ちたサロメは、ヨハネにキスを求めるが、ヨハネは拒否して井戸の中に帰ってしまう。サロメ「わたしのキスを断るなんて許せない」。城では宴会中。ヘロデ王がサロメに踊るように命じる。渋るサロメ。ヘロデ王「なんでも願いを叶えてやるから踊れ」。サロメは踊り終って言う「ヨハネを首をここに持ってきてください」。サロメは銀の皿にのせられたヨハネの首にキスをする。▼人は恋だけを一途に想うておればよいものを。オスカー・ワイルド『サロメ』 ※ビアズリー挿絵。

    男は女の初恋の人になろうとする。女は男の最後のロマンスになろうとする。▼義務はひとが他人から期待するものである。オスカー・ワイルド『何でもない女』

    愛情のまったくない結婚よりも悪い結婚は、愛情があっても片方だけの結婚である。オスカー・ワイルド『理想の夫』

    女が再婚するのは先夫を嫌っていたからであり、男が再婚するのは先妻を熱愛していたからである。女は運を試し、男は運を賭ける。オスカー・ワイルド『ドリアン・グレーの肖像』

    人生は真剣に議論するには重要すぎる。オスカー・ワイルド『ウィンダミア卿夫人の扇』

    楽観主義者はドーナツを見る。悲観主義者はドーナツの穴を見る。▼噂をされるより悪いことが一つだけある。噂すらされないことだ。▼経験とは、自分の失敗に対して与える名前のことである。オスカー・ワイルド

    ※耽美主義。退廃。写実・自然を批判。芸術が自然に追随してしまっている。むしろ自然が芸術を模倣するのだ。

  • 「忘却」とは死と近接した観念としてしばしば、とくにロマン派の詩人によく取り上げられるところだが、これに注目して『悪の華』の詩作を追っていくと「忘却の河」(レテ)にまつわる描写が多く飛び出し、さらに「陽気な死者」という詩編では「忘却の中に眠ろう」とある。
    一貫した忘却へのこだわりと、その中での眠りを得る者が「陽気」であるというのは、ボオドレエルが紡ぐ死の甘美さをそのまま伝えてくれるだろう。

  •  

     
    (20141231)
     

  • DIME 2012/10/02号

  • グチャグチャとした重苦しい詩でした。
    当時の時代背景などいれるとさらに読みやすいと思います。

  • いろんな方の訳した悪の華を手にとってきましたが、好みだった訳がどなたの手によるものなのか忘れてしまいました。
    「行きずりの女に」(ある行きずりの女に?)という詩の
    「まなかいひとつ あとは闇」
    「行ってしまった 遠くの方へ ~
    二度と会う日はまたあるまい」
    こんな感じの訳をご存知の方、訳者の方のお名前を教えてください…。

  • ランボーよりボードレールなんだよなぁ。鈴木信太郎の訳も素晴らしい。名訳だと思う。
    ここで追い求めている物とはフィッツジェラルドの「華麗なるギャッツビー」でギャッツビーが溺れていた物なのかな…。

    三島由紀夫の『仮面の告白』と併せて読むと面白いかも。

  • こちらは岩波文庫版。
    新潮のとは訳者が違うので、比べてみると面白い。

  • 冒涜的、退廃的な詩の中に、洗練された美を感じます。世紀末の美術からインスピレーションを受けた詩や、有名な『魔王連祷』など。古風な文体、翻訳が19世紀末の雰囲気を感じさせるように思いました。

  • 私が購入した時は520円だったよ…時代の流れを感じるなぁ。シャルル・ボォドレールの傑作をいろんな人が訳しているが、私は鈴木信太郎氏の訳が一番好きだ。淡々と美しく、そしてデカダンス。

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