風車小屋だより (岩波文庫 赤 542-1)

制作 : ドーデー 
  • 岩波書店 (1958年1月発売)
3.90
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  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003254219

風車小屋だより (岩波文庫 赤 542-1)の感想・レビュー・書評

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  • プロヴァンスにすみはじめたドーデーから、パリの読者へのレター。
    19世紀フランスの田舎の風景が伝わってきます。
    フランス文学を久しぶりに読んで、やはり予め知識があるほうが楽しめるだろうと思いました。
    ドーデーは結局パリのほうが好き…なのかな。



    有名な『アルルの女』の原作があったため、ここ数日ファランドールが頭からはなれません…。
    それでしらべてみました。以下余談です。

    有名な「タンタンターンタタンタタンタターン」はプロヴァンス民謡『三人の王の行列』で、途中からながれる「タタタタタタタタタタタタタララララ」は『馬のダンス』の引用だそうです。
    ファランドールとはプロヴァンス地方の舞曲で、「法王捕囚のときアヴィニョンの橋のうえで踊られたのかも」と想像するんですが、8分の6拍子なのだそうです。

    つまりアルルの女のこの曲はファランドールを踊るときの曲ではないということです。
    四拍子でワルツを踊るとか三拍子のマーチで歩くとかはないですから。

    私はアルルの女のファランドールを聴きながら、いろいろなダンスを想像していました。
    http://www.youtube.com/watch?v=cZ8FP9MLcV0みたいな。

    だからちょっとがっかりしてしまいました。

  • 最近は「ドーデ」といふ表記が一般的のやうですが、ここでは岩波文庫版に敬意を表して「ドーデ―」で通しませう。
    筒井康隆氏の『乱調文学大辞典』で「ドーデ―」の項を引くと、ただ一言「何が?」と書いてあります。初めて読んだ時は吹き出したものです。これが仮に「ドーデ」ならば、この項は成り立ちませんので、やはり「ドーデ―」に一票投ずるところであります。

    アルフォンス・ドーデー(1840-97)は、風光明媚な南仏プロヴァンスの風車小屋へ移住しました。今風に言へば田舎暮らしでせうか。うさぎやふくろうといつた「先住民」たちを驚かせながらも、自然と田園生活に溶け込む様子が活写されます。
    ドーデ―はこの地で、パリに住む友人に宛てた手紙形式で、30篇(「序」を含む)の短篇を収めた『風車小屋だより』を執筆するのです。ただし岩波文庫版では、27篇しか収録されてゐないやうです。残る3篇はどこへ行つたのだらう。意図的に翻訳しなかつたのでせうか。

    内容は、主に風車小屋のあるプロヴァンスでの出来事を綴つたものですが、実際に見聞したことや伝聞で知つたことを題材にしてゐます。「スガンさんのやぎ」「法王のらば」といつた動物を擬人化したものや、「散文の幻想詩」「黄金の脳みそを持った男の話」のやうに幻想的な物語、「アルルの女」「二軒の宿屋」みたいな悲話など、文字通りの珠玉篇が読者の胸を打つのであります。
    中でも、後に歌劇で有名になつた「アルルの女」は、タイトルとなつたアルルの女本人は登場せず、彼女に心奪はれた若者の行動を描写することで、読者の想像を掻き立てます。

    毎日忙しく、精神的に余裕のない生活を余儀なくされてゐる人なんかには、最適の一冊ではないですかね。ドーデ―の風車小屋を想起しながら、一服いたしませう。
    デハ御機嫌よう。ご無礼いたします。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-635.html

  • 2012.3.24 読了

  • 名作ということであるが、少し、宗教色が強い感じがする。かなり、昔の本なので、入り込んだのかも、後半になるとプロバンスの平穏な生活が描かれて面白かったです。

  • 古書フェアで入手。昭和49年10月20日発行、第48刷。
    有名な小説集だけど、未読だったのでGWの読書にと手に取った。
    さらっと読める掌編が24個。どれも味わい深いが、「カマルグ紀行」が気に入った。

  • たいへん、想像力を刺激される短編集だ。なんといっても、「スガンさんのやぎ」や「星」はとてもいい話だし、税関水夫や灯台守、はやらぬ宿屋の女主人、狩猟場を管理する孤独な男など、注目されないような田舎の庶民の生活に目を向けるところが、やさしい目を感じます。嵐に角をむけてうずくまる牛の群れや、アルジェリアで遭遇した「あられのように降ってくるバッタの群れ」など、自然の描写も面白い。僧侶については、ユーモラスな話が多く、プロヴァンス語を再興した詩人、ミストラルとの交流もなかなか面白い。「最後の授業」ではその国家主義的言語観が批判されるドーデーだが、この短編集を読めば、田舎にすむ人々のリアルな生活に目を向けていた詩人であり、コチコチの国家主義者ではないことが分かります。パリで書いた都会的な作家だけでなく、19世紀にもこういう人がいたんだなと分かり、とても面白いです。

  • ドーデの、プロヴァンスな随筆(っぽい手紙)

  • 私の手元にあるのは1996年の第79刷(!)。「最後の授業」のドーデーがプロヴァンスに居を構えたさいに書き始めた物語をまとめた、素敵な掌編集です。基本的には乗合馬車で聞いた話や、自分のうちに遊びに来るおじいさんから聞いた話、といった書き出しではじまります。そこから先の話は寓話的というか、ファンタジック。構成や比喩も巧みで、キラキラとしたかの地の風景が目に見えるようです。収められている作品では、風車を使った粉ひきが時代遅れとなる中、かたくなに風車での粉ひきを守ろうとする「コルニーユ親方の秘密」はご存じのかたも多いでしょう。やりきれないお話です。ビゼーの音楽でおなじみ「アルルの女」は、主役が登場しない話としてあまりにも有名。出てこないからこそ、恋の悲劇がクローズアップされます。美しいお嬢さんと羊飼いの素敵な夜の物語「星」もおすすめです。終盤に羊飼いがお嬢さんに語る台詞があまりにもロマンチック(ラブリーを超えている)です。ドーデーは小学校のとき「最後の授業」の幕切れの劇的さに衝撃を受けました。そしてたぶん、私が仏文学好きになったもとにもなっています。誰がなんといおうとこの☆の数です。

  • 本当は新潮社の文庫本なんだけど・・・なかったので適当に。とても古い本だったからなぁ・・・。何ともいえない牧歌的な文章(なんだと思う)。空気の冷たささえ肌で感じられるな文章を通して、見た事もない光景がパァッと目の前に広がるようである。世界のその美しさは、今とは違うのだろうか。・・・もっと読みて〜!

  • 24の短編を収めている。<br>
    羊飼いが、嵐で帰れなくなった主家の美しいお嬢さんに、夜空を見上げながら星の話をする <br>
    『星〜プロヴァンスのある羊飼いの物語〜』

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