シルヴェストル・ボナールの罪 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1975年7月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784003254349

みんなの感想まとめ

人生を深く見つめることの大切さを描いた作品で、主人公の老年の視点から、日常の中に潜む色彩や感情が繊細に表現されています。乾いた展開の中に、奥歯の痛みや路地裏の子猫の瞳、商店から聞こえる賑やかな声などが...

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わってみると、このような人生でありたいと思う。
    このような人生の見つめ方をしたいと思った。

    カンディードとは違い、はっきりとした栄華や波乱はないが、市井の人らが、日々をかみつぶす中にもその人なりの色合いは異なり、奥歯の痛みや路地裏に隠れる子猫の瞳や街中を歩く時の商店から聞こえてくる賑やかな声などで彩られている。

    老年の主人公のような、全体的に乾いた展開と文体。精神の自由を愛する老人の頓着のなさに憧れをおぼえる。

    訳は伊吹武彦。
    初めは硬い印象を持ったが、読み進めるうちに、日本人作家が書いたかのような印象を持つ部分もあるほど、作品に馴染んでくるように感じられた。

    アナトール・フランスの洒脱で細やかな心の動きをさらりと表現する文体は、素晴らしいと思う。

  • 2025年4月25日、グラビティの読書の星で紹介してる男性がいた。

    トピックの質問「どこで本を読んでいますか?」に対する回答として、この本の表紙にある男性が椅子でくつろぎながら読書している部分だけ切り取った画像をアップしていた。言葉で語らず絵で見せる、シャレた回答。

  • オチがどーでもよかった記憶しかない。

  • ボナールおじいさんの専門バカでお茶目なところがたまらない。読み返す度に、ほのぼのしそう。
    好きなシーンは、
    「シチリアに行くのをばあやに反対されると思ってたら、意外に反応が薄くて『冷たい女!』って嘆く」ところ(ツンデレw)、
    「見知らぬイタリアの街で寂しかったくせに、背後からフランス語で自分の噂をされているのを聞いて逃げ出す」ところ(ツンデレ)、
    「昔の想い人の孫娘と水入らずで話している時に、塾長のオールドミスに話しかけられて、内心だけで非道いことを考えるが、きちんと挨拶してしまう」ところ(ヘタレ)。

  • 老学究の日記というかたちをとった長編小説。ボナール氏の、暖かい人柄が心にしみる。学士院会員であり不正を憎む高潔な精神の持ち主だが、どこか子供じみていたり、間が抜けた感じがなんともいえない。ぜひ、おじいさんのボヤきでも聞くつもりで、かるく手にとってほしい作品。
    しかしこれを37歳のときに執筆した作者の老獪ぶりには驚嘆させられる。

  • 懐疑派アナトール・フランスの出世作。セーヌ河畔で本にかこまれて読書に耽るシルヴェストル・ボナール老学士院会員の生活をしみじみと綴った日記体長編小説。愛書に埋もれて暮らすなんて羨ましい、と思ったけれども、シルヴェストル翁のさみしさには胸を締め付けられる心地がした。産まれたときから老人だったと言われるアナトール・フランスとシルヴェストル翁との一致性を閲すればこの小説のかなしさは実に作者自身のかなしさと言えるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1844-1924年。パリ生まれ。高踏派詩人として出発、その後小説に転じて『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『神々は渇く』などの長篇でフランス文学を代表する作家となる。ドレフュス事件など社会問題にも深い関心を寄せ、積極的に活動した。アカデミー・フランセーズ会員。1921年、ノーベル文学賞受賞。邦訳に《アナトール・フランス小説集》全12巻(白水社)がある。

「2018年 『ペンギンの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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